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側湾症進行と性ホルモンについての考察

2007-07-28 21:26:25 | 特発性側弯症治療方針
(注意:正しくは側弯症/側彎症ですが、あえて側湾症と記載しています)

前田さんの投稿より :
(圧倒的に女性に多くみられることから女性ホルモンが何らかの原因にもなって
いるのではと考えられています。)
(ホルモン。これは関係あります。特発性側彎は圧倒的に女性に多いのです。
また、思春期に進行します。このように性ホルモンは深い関係があります。)
(女子に多いことから、エストロゲンなどの女性ホルモンが関係しているのでは
ないかと考える研究者もいます。)
(30度を超えてくると、生理が開始していなければ装具療法を開始し、なんとか
それ以上進行しないように努めます。この場合でも(骨)年齢が重要で、すでに
生理が始まっていればあまり進行しないかもしれませんが、そうでなければさら
に進行する可能性があります。)

前田さんのご意見 :
しかし、私が勝手に思うのが、普通 初潮の少し前に身長の伸びのピークが来て、
初潮の後2年間ぐらいは身長が伸びる(伸びて5センチぐらい)と思われている
為、初潮と側湾の進行に関係があると言われ出し、初潮=女性ホルモン、ゆえに 
性ホルモンは側湾の進行に関係があると言われてしまっているのではないかと
思います。(注意、私が勝手に思っているだけ。女性ホルモンは側湾症の何らか
の原因の一つなのは間違いないと思います)

.................................................................

august03の意見として :

PHVについての文献を読むほどに、前田さんのご指摘は的確だと思います
初潮の少し前にPHVが来るのですね。その後に初潮がやってくる。

PHV = 成長ピーク = 初潮前 = 1:カーブ進行中
 まだ成長余力あり = 初潮  = 2:カーブ進行中
   成長終了期      = この時点で1,2の進行具合で
              装具成功か手術かがほぼ決定している
 
 
 左側の PHVを隠すと、初潮だけがクローズアップされる、ということに
 なるのだと思います。

...........................................................

女性ホルモンについては、次のような文章を見つけました。
「卵巣の顆粒膜細胞、外卵胞膜細胞、胎盤、副腎皮質、精巣間質細胞で作られ、
 思春期以降分泌が増加し、プロゲステロンとともに月経周期に応じて濃度が
 変化する。女性の性活動、二次性徴を促進する働きがある。更年期以降は
 分泌が減少する。」
「成長期においては身長の伸びを止める作用があり、女性の多くは思春期が始まる
 と身長の伸びが落ち、やがて停止する。」

成長ホルモンについては、
「成長に関する作用 =主にIGF-1を介して起こり、標的器官の細胞分裂を盛んに
させる。
* 骨の伸長 -- 幼児期に骨端の軟骨細胞の分裂・増殖を促し、骨を伸張させる。
* 筋肉の成長 -- 特定のアミノ酸の取り込みを促し、タンパク質合成を促進する


 素人考えですが、次のような関係になるのかもしれません。

 成長ホルモンが盛んに = 骨成長 = PHV = 初潮前 = カーブ進行
 分泌される時期

 女性ホルモンが初めて           = 初潮  = カーブ進行
 分泌される時期

 女性ホルモン分泌中  = 成長終了


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成長ホルモンに関連した疾患として、次のようなものがありました。

 * 分泌不足 -- 成長ホルモンの分泌が小児期に少ないと、成長ホルモン分泌不全
  性低身長症(以前下垂体性小人症と呼ばれていたが、差別的であるため使用
  されなくなった)をおこす。
* 分泌過剰 -- 成長ホルモンの分泌が亢進することにより、骨の成長が完成前で
あると巨人症をひきおこし、完成後であると末端肥大症をひきおこす。

思春期特発性側弯症が女子に多いことから、イメージとして女性ホルモンの影響
という感じも受けるのですが、もしかすると成長ホルモンのなんらかの異常が影響
しているのかもしれないですね。ただそれにしても、脊柱にだけ、しかも「曲がる」
という形で影響を与える、というのもなんだか、理屈に合わない感じです。

 側弯症の原因がいまだに解明されない、というのは、このように様々な要因が
 関係しているからなのかもしれません。

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