前回 (1) で記載した病態について追加の説明をしたいと思います。
大人(この場合は高齢者と考えて下さい)の側弯 (adult scoliosis)は大きく分けてふたつのカテゴリーに分類することができます。
1. ひとつは、De Novo(デノボ)あるいは Degenerative Scoliosis (変性側弯)と呼ばれる区分。この場合は、幼少期や思春期での特発性側弯症を発症したことのない方が、加齢に伴って、椎体や椎間板に変性・変形が生じて、脊椎が曲がった状態になってしまった場合を言います。
2. もうひとつは、adult idiopathic scoliosis(大人の側弯症) と呼ばれる区分で、こちらは、昔、特発性側弯症を経験したことがある患者さんで、加齢に伴って、以前の側弯症の影響から、脊椎の曲りが進行し、そのアンバランスと加齢も伴って、やはり椎体・椎間板に変性が生じてきている場合を言います。
いずれの場合も、レントゲン写真では類似の症状を呈することにらなります。
下記に、幾つかの写真を掲示してみました。これを見ていただくと、よりお分かりになると思います。(クリックすると拡大できます)
これらの写真と当ブログ内の思春期特発性側弯症の写真とを比べて見ていただくとよくおわかりになると思いますが、特発性側弯症の場合は、脊椎のねじりと曲りはありますが、椎体間の椎間板が変性して、狭窄やすべりが起こることはありません。一方、大人の変性側弯の場合は、椎体自体の変形、椎体間でのすべり、椎間板の狭窄というような変形が起こっていることがわかります。ここに、思春期特発性側弯症では「痛み」は感じないと言われる所以があります。
大人の側弯症の場合は「痛み」との闘いになります。発症年齢はまちまちですが、40代、50代、60代と年齢を重ねるほど進行していき、やがて痛みに耐えきれずにどこかの時点で手術をする、という経過をたどることになります。70代、80代で手術を選択されるかたもおられます。

正面像。胸椎から腰椎まで変形(曲り)が進行しており、各椎体間の椎間板が狭窄しています。特にL2/L3,L3/L4の
間が狭くなっているのがおわかりなると思います。

側面像。L3,L4,L5腰椎の椎間板が狭窄し、かつ前後にズレ(脊椎すべり)ています。

T12胸椎から仙椎にいたるまで、曲りとともに、椎体がズレているのがおわかりになるでしょうか。
側面像からは、脊髄が狭窄していることも見ることができます。


正面像から胸腰椎が大きく変形していることがおわかりになると思います。
august03
☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?
大人(この場合は高齢者と考えて下さい)の側弯 (adult scoliosis)は大きく分けてふたつのカテゴリーに分類することができます。
1. ひとつは、De Novo(デノボ)あるいは Degenerative Scoliosis (変性側弯)と呼ばれる区分。この場合は、幼少期や思春期での特発性側弯症を発症したことのない方が、加齢に伴って、椎体や椎間板に変性・変形が生じて、脊椎が曲がった状態になってしまった場合を言います。
2. もうひとつは、adult idiopathic scoliosis(大人の側弯症) と呼ばれる区分で、こちらは、昔、特発性側弯症を経験したことがある患者さんで、加齢に伴って、以前の側弯症の影響から、脊椎の曲りが進行し、そのアンバランスと加齢も伴って、やはり椎体・椎間板に変性が生じてきている場合を言います。
いずれの場合も、レントゲン写真では類似の症状を呈することにらなります。
下記に、幾つかの写真を掲示してみました。これを見ていただくと、よりお分かりになると思います。(クリックすると拡大できます)
これらの写真と当ブログ内の思春期特発性側弯症の写真とを比べて見ていただくとよくおわかりになると思いますが、特発性側弯症の場合は、脊椎のねじりと曲りはありますが、椎体間の椎間板が変性して、狭窄やすべりが起こることはありません。一方、大人の変性側弯の場合は、椎体自体の変形、椎体間でのすべり、椎間板の狭窄というような変形が起こっていることがわかります。ここに、思春期特発性側弯症では「痛み」は感じないと言われる所以があります。
大人の側弯症の場合は「痛み」との闘いになります。発症年齢はまちまちですが、40代、50代、60代と年齢を重ねるほど進行していき、やがて痛みに耐えきれずにどこかの時点で手術をする、という経過をたどることになります。70代、80代で手術を選択されるかたもおられます。

正面像。胸椎から腰椎まで変形(曲り)が進行しており、各椎体間の椎間板が狭窄しています。特にL2/L3,L3/L4の
間が狭くなっているのがおわかりなると思います。

側面像。L3,L4,L5腰椎の椎間板が狭窄し、かつ前後にズレ(脊椎すべり)ています。

T12胸椎から仙椎にいたるまで、曲りとともに、椎体がズレているのがおわかりになるでしょうか。
側面像からは、脊髄が狭窄していることも見ることができます。


正面像から胸腰椎が大きく変形していることがおわかりになると思います。
august03
☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?