Risser sign について

オリジナル投稿　2007-04-12
追記:2017年11月10日　図を追加





手のレントゲン写真を用いる先生もおられます



Risser signとは何? というご質問がありましたので、ここに別コラムとして
説明してみました。
文献ではしばしば見るコトバなのですが、あまり正確ではない、という意見も
ありますので、Risser signの説明と併せて記載してみました。


海外文献を紹介します

専門誌名 :J Pediatr Orthop. 1994 Sep-Oct;14(5):569-75
タイトル :The Risser sign: a critical analysis.
病院名 :Shriners Hospital for Crippled Children
国名 :USA (Portland, Oregon)

「リッサーサインについて」

整形外科医は通常、「リッサーサイン」を(患者の)骨の成熟度….(骨成長が完了
しているかどうか、という意味と思います)…..を予測するために用いている。
しかし、骨成熟予測としてのリッサーサインについて述べた文献で示されたデータ
は、統計分析的には説得性のあるものではない。
リッサーサインは、骨成熟度を予測するうえで、通常の誕生年齢(暦歴)よりも正確
とは言えず、多くの場合、手や手首のレントゲン写真の代用として使用すべきでは
ない。リッサーサインは、側彎症の進行予測としても、実年齢(暦歴)よりも優れて
いるとはいえない。
骨の成熟度の予測は、手首のレントゲン写真での骨端部状態の観察、
レッサーサインの観察、ターナーステージの観察、座高と身長の成長具合の
測定や、実年齢(暦歴)などを加味して決定すべきであろう。


Orthopedic surgeons commonly use the Risser sign to estimate skeletal
maturity; however, the data presented in the orthopedic literature
supporting the accuracy of the Risser sign in estimating skeletal maturity
do not stand up to critical statistical analysis. The Risser sign is less
accurate than chronologic age as a predictor of skeletal age and should
not be used as a substitute for a hand and wrist radiograph in most cases.
The Risser sign is also no better a predictor of scoliosis progression
than is chronologic age.
Estimation of skeletal maturity can be determined by assessing the
epiphyseal status on wrist radiographs, the Risser sign, Tanner stages,
progressive sitting and standing height measurements, and age at menarche.


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別の資料から :

リッサーサインは、腸骨稜(骨端)のカルシウム沈着の量によって定義され、
前外側から後内側への骨形成の進み具合で測定する。
リッサーグレード1は、腸骨稜(骨端)の骨形成が全体の25%程のことを示し、
100%進行した場合をグレード4とする。グレード5というのは、100%骨形成が
進んで、腸骨稜(骨端)が固定した状態を意味する。
こどもは通常リッサーグレード1から5に進むまでに2年ほどかかる。
ある研究によれば、コブ角20度から29度でリッサーグレード0か1の骨が未成熟な
患者では、68%の確率で、さらに6度以上のカーブ進行が、身長の伸びとともに
発生したと述べられている。

Risser sign is defined by the amount of calcification present in the
iliac apophysis and measures the progressive ossification from
anterolaterally to posteromedially.
A Risser grade of 1 signifies up to 25 percent ossific ation of the
iliac apophysis, proceeding to grade 4, which signifies 100 percent
ossification A Risser grade of 5 means the iliac apophysis has fused to
the iliac crest after 100 percent ossification.
Children usually progress from a Risser grade 1 to a grade 5 over
a two-year period.
One study found that immature patients (Risser grades 0 and 1) with
a spinal curvature measuring 20 to 29 degrees had a 68 percent probability
of progression of 6 degrees or more during remaining growth.