添付図の説明として :
左図(erect 直立) 側弯症患者さんが立位でレントゲン撮影をしている
中央(bending to right 右側に身体を傾ける) lumber curve corrects and
is therfore nonstructural カーブは矯正されて消えます。このような場合を
機能性側弯症と呼びます
右図(bending to left 左側に身体を傾ける) thoracic curve persists and is
therfore structural 胸椎部のカーブは変化せずに残ったまま。このような場合
を構築性側弯症と呼びます。特発性側弯症がこれにあたります。
つまり、立位ではカーブが見られても、身体をどちらかに傾けたときに消えるよう
であれば、それは特発性側弯症ではなく、機能性側弯症ということになります。
機能性側弯症を起こすもともとの原因としては次のようなものがあります
* back pain 腰背痛
* muscle spasm 筋肉のコリ
* appendicitis 盲腸炎
* differing leg lengths 下肢長の違い
* osteoarthritis 関節炎
* osteoporosis 骨粗鬆症
*sciatic 座骨神経痛
*hysterical ヒステリー
機能性側弯症は、背骨が曲がる現象ですが、ツイスト(ねじれ)はしていないので
特発性側弯症でみられるようなリブハンプ(肋骨隆起)は起こりません。
.....レントゲン撮影をしたほかに先生が患者さんの身体全体を観察し、とくに
背中を見るのは、そこにリブハンプの兆候があるかどうかを観察していることです
レントゲン撮影でカーブがあり、かつ、リブハンプが見られる場合は、特発性側弯
症と確定診断することになります。
機能性側弯で曲がっている背骨.....ほとんど軽度なカーブが大半で、
そのもともとの原因を治療することで背骨をまっすぐにすることができます。
機能性側弯が構築性側弯症(つまり特発性側弯症)になることはありません。
Compensatory scoliosis is a spinal curve in the coronal plane which
disappears when the patient sits. It may be caused by either a short leg
or a pelvic tilt due to abduction or adduction contracture of the hip.
機能性側弯症の例示として :
立位のレントゲン写真では背骨が曲がっているのですが、座った姿勢になると
背骨はまっすぐになります。これは、どちらかの足が短かったり、股関節が内転
あるいは外転しているために骨盤位置が不良になっていることから発生していま
す。
交通事故の後遺症から機能性側弯となった患者さんの治療例
http://sciencelinks.jp/j-east/article/200017/000020001700A0277483.php
少年期の骨盤骨折が原因での機能性側弯および骨盤変形に対する治療
福岡大学 緒方公輔教授
骨盤変形と機能性側弯症の11歳の少年を二段階骨切り術により治療した。少年は
3歳のときに交通事故により骨盤を骨折した。その時点での治療は生命を救うことに
集中され、命を救うことはできたが、重度の骨盤変形を残存させることとなった。
6歳のときに当院を訪れた。骨盤変形があり、脚長差があり、仙骨の変位も見られ
た。
これらが原因となり、機能性側弯症も発症しており、また下肢に麻痺も見られた。
骨盤と脊柱の位置関係は、30度の角度があり、これが機能性側弯の主原因と
思われた。我々は、半年の期間をあけて二回の骨切り術を施行した。この結果、
角度は13度にまで矯正させることができ、側弯は消失し、また歩行も正常にする
ことができた。
(緒方教授は何年か前に病気でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り申し上げます)
-----------------------------------------------------------------------
Nihon Clinic より
http://www.nihonclinic.com/japanese/column/columns/oiso012scoliosis.html
....................................................................
(august03より)
側弯症と一口で言っても、機能性と構築性(特発性側弯症)とは、いわばまったく
別の病気といっても過言ではありません。
機能性側弯症の原因が、姿勢不良や下肢長差、骨盤と股関節の位置不良等の
体躯/骨形態に問題がある場合に、カイロ等で施術してもらうことで軽快する方も
いると思います。
機能性側弯症で勘違いしやすいのは、曲がった背骨を治すためには、その曲がる
原因となったもともとの「原因」を見つけて、それを治すことが必要だということ
です。例えば、脚長差が原因であれば、短いほうの足にソールをつけるなりして
両足を同じ長さにすることで背骨の曲がりは戻るということです。
しかし、特発性側弯症は、そもそもの原因がいまだ不明であり、体躯/骨形態に
対する施術で根本治療することは不可能です。
一部の民間療法者は、機能性側弯を治療できたことをもって、あたかも特発性側弯
を治療したかのように宣伝していますが、そこには患者さんをごまかす偽装が
行われていることに注意することが大切です。仮に、施術直後に外観が改善された
ように見えても、一両日中にもとに戻ってしまいます。決して永続するものでは
ありません。なぜならば、特発性側弯症は進行し続ける病気であるためです。
なぜ進行し続けるのか、なぜ脊柱が変形するのか、その原因はいまだに不明です。
現状の治療法は、
- 大半の軽度側弯は自然寛解するので、様子を見ることで十分
- 発見時点ですでに25度を超えいる場合は、リスク要因を考慮の上、装具療法
(軽度、中度で発見されて早期に装具療法をすれば約80%の患者さんは進行を
止めることができます)
骨成長が終了するまで、23時間/日の装具療法を続ける。
骨成長終了後は、しばらくは夜のみの装具療法を続ける。
それ以降は、固定した角度に応じて定期検査のインターバルを考えて
経過に注意を払うこと。
進行が完全に止まる患者さんもいますし、依然として進行を続ける患者さん
もいます。
- もしも50度を超える状況であれば、手術を検討する
////////////////////////////////////////////////////////////////////
ブログ内の関連記事
「カイロでは特発性側弯症は治りません」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/4a903eb91dd64bd17b9737ca48029ef8
左図(erect 直立) 側弯症患者さんが立位でレントゲン撮影をしている
中央(bending to right 右側に身体を傾ける) lumber curve corrects and
is therfore nonstructural カーブは矯正されて消えます。このような場合を
機能性側弯症と呼びます
右図(bending to left 左側に身体を傾ける) thoracic curve persists and is
therfore structural 胸椎部のカーブは変化せずに残ったまま。このような場合
を構築性側弯症と呼びます。特発性側弯症がこれにあたります。
つまり、立位ではカーブが見られても、身体をどちらかに傾けたときに消えるよう
であれば、それは特発性側弯症ではなく、機能性側弯症ということになります。
機能性側弯症を起こすもともとの原因としては次のようなものがあります
* back pain 腰背痛
* muscle spasm 筋肉のコリ
* appendicitis 盲腸炎
* differing leg lengths 下肢長の違い
* osteoarthritis 関節炎
* osteoporosis 骨粗鬆症
*sciatic 座骨神経痛
*hysterical ヒステリー
機能性側弯症は、背骨が曲がる現象ですが、ツイスト(ねじれ)はしていないので
特発性側弯症でみられるようなリブハンプ(肋骨隆起)は起こりません。
.....レントゲン撮影をしたほかに先生が患者さんの身体全体を観察し、とくに
背中を見るのは、そこにリブハンプの兆候があるかどうかを観察していることです
レントゲン撮影でカーブがあり、かつ、リブハンプが見られる場合は、特発性側弯
症と確定診断することになります。
機能性側弯で曲がっている背骨.....ほとんど軽度なカーブが大半で、
そのもともとの原因を治療することで背骨をまっすぐにすることができます。
機能性側弯が構築性側弯症(つまり特発性側弯症)になることはありません。
Compensatory scoliosis is a spinal curve in the coronal plane which
disappears when the patient sits. It may be caused by either a short leg
or a pelvic tilt due to abduction or adduction contracture of the hip.
機能性側弯症の例示として :
立位のレントゲン写真では背骨が曲がっているのですが、座った姿勢になると
背骨はまっすぐになります。これは、どちらかの足が短かったり、股関節が内転
あるいは外転しているために骨盤位置が不良になっていることから発生していま
す。
交通事故の後遺症から機能性側弯となった患者さんの治療例
http://sciencelinks.jp/j-east/article/200017/000020001700A0277483.php
少年期の骨盤骨折が原因での機能性側弯および骨盤変形に対する治療
福岡大学 緒方公輔教授
骨盤変形と機能性側弯症の11歳の少年を二段階骨切り術により治療した。少年は
3歳のときに交通事故により骨盤を骨折した。その時点での治療は生命を救うことに
集中され、命を救うことはできたが、重度の骨盤変形を残存させることとなった。
6歳のときに当院を訪れた。骨盤変形があり、脚長差があり、仙骨の変位も見られ
た。
これらが原因となり、機能性側弯症も発症しており、また下肢に麻痺も見られた。
骨盤と脊柱の位置関係は、30度の角度があり、これが機能性側弯の主原因と
思われた。我々は、半年の期間をあけて二回の骨切り術を施行した。この結果、
角度は13度にまで矯正させることができ、側弯は消失し、また歩行も正常にする
ことができた。
(緒方教授は何年か前に病気でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り申し上げます)
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Nihon Clinic より
http://www.nihonclinic.com/japanese/column/columns/oiso012scoliosis.html
....................................................................
(august03より)
側弯症と一口で言っても、機能性と構築性(特発性側弯症)とは、いわばまったく
別の病気といっても過言ではありません。
機能性側弯症の原因が、姿勢不良や下肢長差、骨盤と股関節の位置不良等の
体躯/骨形態に問題がある場合に、カイロ等で施術してもらうことで軽快する方も
いると思います。
機能性側弯症で勘違いしやすいのは、曲がった背骨を治すためには、その曲がる
原因となったもともとの「原因」を見つけて、それを治すことが必要だということ
です。例えば、脚長差が原因であれば、短いほうの足にソールをつけるなりして
両足を同じ長さにすることで背骨の曲がりは戻るということです。
しかし、特発性側弯症は、そもそもの原因がいまだ不明であり、体躯/骨形態に
対する施術で根本治療することは不可能です。
一部の民間療法者は、機能性側弯を治療できたことをもって、あたかも特発性側弯
を治療したかのように宣伝していますが、そこには患者さんをごまかす偽装が
行われていることに注意することが大切です。仮に、施術直後に外観が改善された
ように見えても、一両日中にもとに戻ってしまいます。決して永続するものでは
ありません。なぜならば、特発性側弯症は進行し続ける病気であるためです。
なぜ進行し続けるのか、なぜ脊柱が変形するのか、その原因はいまだに不明です。
現状の治療法は、
- 大半の軽度側弯は自然寛解するので、様子を見ることで十分
- 発見時点ですでに25度を超えいる場合は、リスク要因を考慮の上、装具療法
(軽度、中度で発見されて早期に装具療法をすれば約80%の患者さんは進行を
止めることができます)
骨成長が終了するまで、23時間/日の装具療法を続ける。
骨成長終了後は、しばらくは夜のみの装具療法を続ける。
それ以降は、固定した角度に応じて定期検査のインターバルを考えて
経過に注意を払うこと。
進行が完全に止まる患者さんもいますし、依然として進行を続ける患者さん
もいます。
- もしも50度を超える状況であれば、手術を検討する
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ブログ内の関連記事
「カイロでは特発性側弯症は治りません」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/4a903eb91dd64bd17b9737ca48029ef8
西洋医学では大人の側湾は放置だといわれました。
側湾の種類などは説明なく。
こちらのページで、私は機能性だとわかりました。
数年前に姿勢を悪くしていて思い当たるふしもあります。
機能性ということもあるのだともっと知識を浸透させてほしいです!!!