~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

こどもの未来を変える VEPTR手術が根付く米国の様子

2008-07-05 23:23:14 | VEPTR COM JAPAN
(添付写真は、YouTube VEPTRの画面を撮影したものです)

米国でVEPTRがFDAに正式に認可されてからすでに数年がたちます。YouTubeに投稿
される数も増えてきています。

  http://jp.youtube.com/watch?v=TBkrrhxc4VE&feature=related
VEPTRとタイトルされたこのYouTubeにも先天性側彎症+肋骨変形を有するこどもの
ケースが紹介されています。
画面の途中に登場するこどもの背中は肩が落ちているのがわかります。母親の説明
では、カーブが進行するほどに、呼吸するのが辛くなるのがよくわかることが述べ
られ、医師は、はっきりと、「こういう子ども達はこれまでは、よく生きても20歳
前後で死亡していた」ことを説明しています。

手術により、このこどもはいまでは元気いっぱいに走り回ることができるように
なりました。

次の文章は、米国の患者さんがたの情報交換の掲示板に書かれているものです。
http://www.scoliosis.org/forum/showthread.php?p=55339#post55339

Jan 2008
Hi Will's Mom

私の息子は生後22ヶ月のときにVEPTR手術を受けました。それにより大成功を得ました。
1歳のときに、装具も試みましたが、まったく効果がありませんでした。22ヶ月で
最初の手術を受けた後、二本目のロッドを装着する手術を受け、そして何度かの
ロッド伸張を受けてきました。
息子のS字カーブが 95度/98度になったとき、私たちは何かをしなければならない
ことをよく理解しました。そして、VEPTR手術が息子の人生を大きく変えました。
カーブがそこまで進行したとき、息子の呼吸は、いつも乱れ、心臓に負担をかける
ポイントを超えていました。歩くときは左肩が落ちていて、会話をするにも十分な
空気を肺に溜めることができず、片言のような話し方になっていました。

二度目のデバイスを挿入したあと、息子の身長は4インチ(約10cm)も伸びており、
姿勢も真っ直ぐになり、そして会話もスムースに長く話しができるようになって
いました。カーブは、94度→35度、98度→45度に改善しました。
もしあなたが手術の成果に疑いを抱いてるのであれば、それは私たちも同様でした
でも、私は手術を受けさせたことをとても喜んでいます。その当時はFDAがベプター
を認可していなかったために、費用の関係から10日の入院だけで済ませました。
でも、いまではFDAが認可しており保険でカバーされています。

息子の場合はすでに肺にダメージを受けていたので、私たちは息子の酸素レベルを
あげることにとても苦労していました。でも、手術後は、わずか1日~3日ほど入院
すればすむようになりました。

長時間を椅子に座ったまま学校で過ごすことが息子を疲れさせることもあります。
これに対して学校は、フレキシブルに対応してくれています。あまりに疲れたとき
は、床に敷物をしいて座ったり、保健室で休憩したりすることを許してもらって
います。アクティビティについては、他のこどもたちと一緒に走ったり、遊んだり
しています。

息子に制限しているのは、選手同士が接触するスポーツや、棒にぶら下がったり、
体内に埋めたロッドが引っ張られるような力がかかるものです。スライディング
などの動きがあることから、野球もできないでしょう。でも、息子はできることは
なんでもできる、というとても幸せな状態にあります。もし手術を受けていなかっ
たら、息子は車いすの生活をしているか、あるいは、私たち家族との生活からは
すでに別れて(死亡して)いただろうからです。

My son had the expandable rod surgery(VEPTER) when he was 22months.
We have had great success with it. We tried bracing with no results when
he was just a year old. Since our son had his first implant done at 22
months we have had a second rod placed for an upper curve and have had
several expansions. Since his curves were 95 and 98 degrees we needed to do
something and the VEPTER surgery changed his life. He was getting to the
point where it was hard for him to breath and it was affecting his heart.
He walked leaned over to the left side and didn't have enough air to talk
in sentences. After his 2nd implant he grew 4inches stood nice and straight
and was talking in sentences. He went from a 95 to 35 and from 98 to 45.
If you are having any doubts about the surgery, let me put your mind at
ease. We had a difficult time making the decision to go ahead with the 1st
surgery, but I am so glad we decided to have it done. We had a 10 day
recovery with the 1st implant but that was because at that time the surgery
was not FDA approved, which it is now. And because my sons lungs were
involved we had a hard time getting his oxygen levels up. But since then we
have only spent 1 to 3 days in the hospital. He is usually up and walking
within a day or two and usually misses about 2 weeks of school.
Just due to the long days and sitting up in a chair all day. Our school is
very flexible and lets him lay on a rug on the floor if he tires too much
or go to the school nurse for a 1/2 hour or so. As for activities he still
plays t-ball and runs and plays with the other children.
The only activities we dont allow him to participate in is contact sports,
hanging from the monkey bars, or anything that could possible pull on the
rods. He will be unable to move up to baseball because of the sliding
issues. But he is very happy with what he is able to do, because without
the surgery he would either be in a wheelchair or not even be with us.


別の方の投稿から

Hi Lindsay,

あなたの質問に答えていたでしょうか? 私の12歳になる息子は、6年前にVEPTR手術
を受けました。いまではとても活動的になっています。運動制限はまったくありま
せん ....接触スポーツだけはだめですが、もしあなたが私の息子を街で見かけても
、きっと背中に金属のロッドが入っているなんてわからないですよ。

Did I reply to you already? I thought I did. My 12yr old son had VEPTR rods
placed 6+ years ago. He is very active - no physical restrictions (except
no full contact sports). If you saw him on the street, you would not know
what his back looks like.

-----------------------------------------------------------------------
(august03)
上記にご紹介したYouTubeと掲示板の投稿は、まったく別々の人たちのものです。
でも、まるで同じこどもについて語っているかのように思えてしまいます。
つまり、手術による結果の均一性、手術のアウトカムが「見えてきている」という
ことを示しているわけです。

そして、お母さんがたが理解しなければいけないのは、手術をしなければならない
ときに、手術をしなければ....あるいは手術させなければ、お子さんが長生きする
ことは難しい、という事実についてです。
ときおり、ネット上に「私も先天性側わん症でしたが、手術することもなく、この
年齢になるまで無事に生活してこれました....」というようなコメントをみかけますが、
そのような人は本当にまれなケースであって、その影では若くして死亡している
こどもたちがいる。ということです。死者は発言できません。若くしてこどもを
死なせてしまったお母さんは、ネットなどで発言することもありません。
発言しているのは、運よく生き残ることができたケースであって、そのような
ケースのほうが珍しいのであり、そのようなケースにあなたの判断が迷わされる
ことがあってはいけません。

事実をしっかりと見つめること。そして医学を信じて欲しいと思います。

////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ブログ内の関連記事

  VEPTRベプターやGrowing Rodグローイングロッドに関する記事は、
  カテゴリーより、VEPTR com JAPAN あるいは 先天性側彎症を選択して
  ご覧ください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 側わん症 手術のタイミング... | トップ | 側わんカーブ100度とは........ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

VEPTR COM JAPAN」カテゴリの最新記事