~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

側わん症 手術のタイミングを逃さない事 !  それは親の責任です

2008-07-05 12:27:00 | 側弯症手術について
添付写真は、英国のNaomiチャンが9歳でGrowing Rod(グローイングロッド)手術を
受けたときの、術前と術直後のレントゲン写真です。
術前コブ角が75度、術直後が正確には示されていませんが、画面上から推測すると
20度前後に矯正できていると思われます。9歳という、これからまだまだ身長を伸ばす
べき時期での手術であることから、Growing Rod(グローイングロッド)法という、
VEPTRベプターと同様のコンセプトによる成長を阻害しない脊柱側彎症手術が実施され
ました。Naomiチャンの場合、13歳頃までほぼ半年おきにこのロッドを伸張させる措置
を受け続けることになります。

You Tube : Scoliosis surgery より
 http://uk.youtube.com/watch?v=KANauFWe8y8

このレントゲン写真をご覧になり、次のことを理解して欲しいと思います

 1. コブ角75度が身体に与える影響
   .....You Tubeに表示された説明では、ひとつの肺がクラッシュした。
     と述べられています。

 2. 手術により大きな改善が得られるということ

 3. 手術は決して、整体等の民間業者がネットで吹聴しているような
   「こわい」「恐ろしい」ものではありません
   彼らの言葉に騙されて、「手術を受けるタイミング」を失うことのほうが
   よほど恐ろしい事態を招くことになります
   
   それは、お子さんの寿命を確実に短いものにしてしまうからです

私august03は手術を推奨するために、これを書いているわけではありません。
特発性側彎症の場合であれば、早期発見のシステム(それは、一般の人々への啓蒙
も含めてになりますが)を構築し、装具でともかく抑え込むことに注力されるべき
と考えます。

しかし、側わん症の治療において、整体やヨガが、側わん症により三次元的に
よじれ曲がった脊柱を「治した」などという事実は存在しません。

お母さんが、自分が生んだこどもが側わん症と知ったとき、そしてその病気がどう
いうものであるかを知るにつれて、お母さんのこころのなかに、罪悪感が生まれ
自分の罪によってこどもに大手術を受けさせることのないように、なんとかしたい
と思っているところに、整体等の民間業者による「天からの恵み」のような宣伝に
黙れさてしまうのも、ある意味では仕方のない出来事かもしれません。

しかし、手術をすべきタイミングというものは現実に存在します。
そのタイミングを逃す事なく、適切な時期に適切な手術治療をすることが、真の
意味で、あなたのお子さんの「長い人生」を守ることに繋がるのです。

そのために、お母さんのすべきことは、どこの整体にいこうかと探すのではなく
どちらの側彎症専門医師のところに通うか、ということを調べることと、お子さん
と一緒に装具療法をがんばろう、という強い意志を持つ事。そのための努力こそが
必要なのです。

他の病気と側彎症との違いは、側彎症は「商売」としてとてもおいしい病気だと
いうことです。とても不謹慎な言い方ですが、整体等の民間業者にとっては、
これほど、楽してお金の儲けられる患者はいません。そのことはこのブログの中で
なんどもなんども述べたきましたので、ここで同じ文章は繰り返しませんが、
お母さんがたは、整体やヨガで患者さんが悪化することはあっても、治ることは
ない。という医学的事実にしっかりと向き合う必要があります。

さらには、彼らが商売を守るために、側わん症患者さんが書いているブログに
執拗にいやがらせをして、患者さんが発信しているブログつぶしをしていることに
抗議の気持ちを持って欲しいと思います。

側彎症に対する正しい治療とは、側彎症専門医師のもとで行われるものであって
整体で行われるものではありません。

お母さんは、必要があれば、お子さんに手術を受けさせることも、お子さんの為に
しなければならないのだ。ということの事実と向き合う勇気をもたなければいけません。


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ブログ内の関連記事
 「マルファン症候群と側わん症手術」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/8a263d636e87d275e5508ca5e4398b01

 「側弯症 (側わん症) 専門医師」
 http://blog.goo.ne.jp/august03/e/c98b46ae8347107690bc67a459be65f9















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事実と向き合う勇気 (みかん)
2008-07-06 14:22:27
 先天性側彎症の病気と共に61年生きてきました。
 仕事を退職して暇ができ、同じ病気で悩む方々に少しでも応援できないかと調べているうちに、側彎症ライブラリーや、VEPTRの会にめぐり合うことができ、とてもうれしく思います。
 55年以上も前のこと、県外の名古屋大学医学部附属病院へ通院し、コルセット治療をしました。当時としては最高の治療だったと思います。最初の数年は育成医療も使っていなかったので、全額自費のコルセット治療は、農家の収入ではかなりの負担だったと思います。
 半世紀も前のことですので、手術はないし、コルセットも原始的だし、使用方法もしっかりしていなかったと思います。結果、身長130cm、座高64cmで大人になりました。かなり酷い側彎と幼児の座高、小学校低学年の身長で生きてきましたので、大変なことは沢山ありました。
 しかし、当時両親の経済力でできうる最高の治療をしてもらい、両親やきょうだい、そして、結婚してからは、夫、息子、娘、息子の嫁、孫2人、まわりの人々からたっぷり愛情を注いでもらい、支えられて、自分らしく生きてこれたことは幸せだし、誇りに思っています。
 半世紀以上過ぎて、今を生きる側彎症の方には改良されたコルセットと、その方に合った手法の手術で、座高を伸ばし、身長を伸ばす方法があるのですから、うらやましくもあり、うれしく思います。
 私がもし今生まれたとしたら、私の両親はリスクも調べた上で適切な時期に手術を選択、実行したと思います。
 今振り返ると、様々な宗教の勧誘や民間療法の勧誘があり、それらを真剣に聞いていた両親を思い出します。それらの勧誘を退けて、専門医の下でしっかり治療することを選んでくれた両親とそれに協力してくれた兄姉に感謝しています。
 私の場合、側彎と座高の低さにより、臓器への圧迫があり、特に肺機能が低いので、病気にもなりやすいし、交通事故のときも回復が長引いたと思います。
 出産は2回とも計画的帝王切開です。その後、卵巣などの病気で子宮卵巣全摘出手術をうけました。また、腎臓に結石ができ、衝撃波による外からの破砕が無理で、特殊な手術もしました。
 側彎症の手術は大変な手術に違いありませんが、適切な時期に適切な手術をしなければ、内臓への負担が大きく、後に他の病気などが増え、手術を増やしてしまうかも知れません。
 手術をさせてあげたいけれど、我家にはそんなお金はないと、病院へ受診する前に、相談する前に、しりごみしている両親もいらっしゃると思います。
 VEPTR手術は認可されていないために、莫大なお金がかかりますので、認可のための運動をしています。
 保険で認められている手術は保険を使い、さらに育成医療など、負担を少なくする方法があり、専門医やその病院の相談室などで相談してくれ、また、手続きの方法も教えてくれるはずです。制度を最大限利用していくといいと思います。経済的負担が心配な方は、恥ずかしがらず堂々と相談してください。
 VEPTRの会の5歳のお子さんはVEPTRの手術を受け、元気に幼稚園へ通っていますが、次回の手術について、子どもながらに、手術を受けなければいけないと理解している様子がブログに書かれていて、ほほえましく、うれしく、感激しました。
 子どもは大人が思う以上に理解するものです。まず、親が勉強し、理解できるまで医師の説明を聞いて、自信を持って、当事者である子どもにきちんと説明してほしいと思います。
 当事者である子どもが手術を嫌がるということは、両親がまだ理解が足りなくて、子どもへの説明が不十分で、理解されていないということだと思います。  誰でも、経験のない未知の世界は恐いもので、できることなら避けたいと思います。しかし、自分に何が必要なのか理解できたら、子どもはしっかり受け止めることができると思います。
 お子さんによっては「どうしてこんな体に産んだ。産んでくれなきゃよかった。死んだ方がマシだ」などど、両親を困らせる子もいます。特に思春期に発症した場合はこのようなことが起きるかもしれません。
 しかし、これは子どもの本心ではなく、
「どうしよう。自分のせいだ。かわいそうなことをしてしまった」などとの思いから抜け出せないで、悲しんで、もたもたしている両親に、「しっかりしてよ。前向きにがんばろうよ」と、言っているのだと思います。子どもの心は複雑ですから、複雑な心境をうまく言葉に表現するのは難しく、親を困らせてしまう言葉を発することもあります。両親の毅然とした態度、何とかして治療してあげたいと思う愛情で、乗り越えられます。これは、側彎症だけでなく、様々な、多くの障害者やその家族と接してきて、感じてきたことです。
 また、周りに側彎症の先輩がいて周りの人たちが経験していない限り、学校や幼稚園などの先生や友達、周辺の人々には、側彎症の理解は全くないわけです。 親が堂々と、隠さず、先生、友人、近所の人にも側彎症という病気と治療のことをお話し、理解を求めることが必要です。当事者である子どもは両親が隠そうとすると、悪いこと恥ずかしいことと思ってしまいます。両親が隠さず堂々と明るく生活し、病気の説明をし、理解者を増やしていけば、当事者である子どもは、堂々と手術やコルセット治療をしながら、積極的な社会生活、学校生活をしていけると思います。
 側彎症のお子さんを持つ家族と当事者が、「側彎症の先生」ですから、学校の教員に対しても「私が側彎症の先生だ」と思って、何度でも説明し、理解者を増やしてほしいと思います。
 何か困ったこと、つらいこと、どのようにしてよいかわからないことが起きたときに、曖昧にせず解決しましょう。
 また、いじめられたり、嫌なことを言われたとき、相手に怒鳴り込んで敵を作るのではなく、理解者協力者になってもらえるような対応が必要で、忍耐もいることです。 このようなことで両親が成長していくことで、子どもが明るく前向きに治療を進めていくことができると思います。
 私は「障害があっても、いつも笑顔で、幸せそうですね」と、障害者やその家族の方だけでなく、多くの人に言われてきました。「ええ、幸せですよ」と答えてきましたが、心からそのように思っております。
 今は亡き両親が、「先天性側彎症の娘」をどのような思いで育ててくれたのか振り返って、両親に感謝しながら、今を生きる側彎症の子どものお父さんお母さんを陰ながら応援したいと思います。

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