かかりつけのお坊さん 奮闘編

転勤も定年もリストラもない、失うものは何もない最強な坊主が日頃の“感謝”を言葉にこめて、日常を綴ります。

地球は「利他の惑星」である

2012-10-21 16:24:48 | 如是我聞
ヒトはなぜ助け合うのか。

上の本を買って読み始めた。

上田紀行さんの思いを読みたかったからだ。


    ↑        ↑ 
  上田紀行氏   大谷光真門主

2011年3月11日の震災を経験したあと、私たちは

これまでと同じ地平には、少なくとも生きてはいないと

いう実感がある。

津波で命を奪われた方々の悲しみ、地震や津波で生活基盤を

壊された方々の苦しみ、原発がもたらした膨大な被害と恐怖。

そんな現実の中で、私たちの生きる意味が問われ、科学や

学問の意義が再考されるべきときなのだ。

さまざまな分野で発達してきた科学や学問は、今、どのように

つながり、集積しあえるのか。

私たちは、他者や社会とどのようにつながり合えるのか。


今、この本は、人間の「貢献する心」に注目する。


やさしさ、思いやり、他者との共感、助け合うこと、

そして、社会や世界へのつながり。

この「貢献する心」を、仏教では、「利他」という。


6人の専門分野の異なるパネラーたちのシンポジウムを

この本は収録している。


上田紀行さんは、文化人類学の専門家である。

20年来、「癒し」ということばを世に送り込んだ張本人で

ある。

そして、最近は盛んに「仏教の再生」を提言しておられる。

“今、仏教が社会から求められているもの”は何か。


原発はそんなに“悪”だったのか。

事故が起きてみれば、それは確かに“最悪”にはなった。

でも、「貢献」という観点から言えば、過疎の村に雇用を

生み出し、クリーンで安価なエネルギーを提供して、

日本の産業を活性化させたのも事実である。


そのことをふまえて、上田紀行さんは、次のように言われる。


この事故を経てわれわれが感じたことは、私たちが顔を見る
ことさえできない将来世代の子どもたちに、大きな負の遺産
を遺してしまったという悔恨です。
貢献というスキームが、ここにいない人たちに対して、どの
ようなものをもたらすのかについて考えないといけない。
自分たちが気持ちよくて、幸せでも、もしかしたら他者を
踏みつけているかもしれないと、いかにして想像の翼を伸ば
せるのかということです。


特に日本人は、この「共同幻想」に弱い性格を持っています。

一度空気ができたら、それに対して「ノー」と言えない。

では、「ここにいない世代のための貢献」とは何なのか。

上田紀行さんは、



この対談の中での、本願寺ご門主の言葉を紹介されています。

<つづく>



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