かかりつけのお坊さん 奮闘編

転勤も定年もリストラもない、失うものは何もない最強な坊主が日頃の“感謝”を言葉にこめて、日常を綴ります。

葬式無用論

2012-01-05 19:14:12 | 坊主・ビー・アンビシャス
                 映画「おくりびと」ご覧になりましたか。
                 父と子の絆を深め合う“いしぶみ”


昨日の午後、Mさんがおいでになった。

94歳になられたお母さんが重篤のこと。

今は一応落ち着いてはいるが、亡くなられたあとの葬式を

お願いしたいと、わざわざお見えになったのだ。


そして、夜電話が鳴った。

「えっ、亡くなられたの?」


電話の向こうは、Mさんではなく、Aさんのお嫁さんだった。

「母が先ほど亡くなりました。いま病院なんですが、

 今から、家に連れて帰ります」


そして、今朝早くに電話が鳴った。

「昨日お伺いしたMですけど、今朝方亡くなりました。

 今日がお通夜で、明日が葬儀でお願いしたいんですが、

 お通夜は何時がよろしいでしょうか」

まだ、Aさんの時間も決まっていないのに、まだ時間までは約束できない。

そのことを、Mさんに伝えた。


葬儀が厄介なのは、それが突然訪れるからである。

冠婚葬祭のうち、結婚式と葬儀の二つを最も重要視する日本人。

どちらも、その人にとっては、一生のうちでの大切なもの。

結婚式には相当の時間をかけて準備をすることができるし、

結婚式は、結婚するたびにやれるが、葬儀はそうはいかない。

一回きりのものだから、失敗は許されない。


ましてや、ご遺族の方々は、心の準備も、葬儀についての知識も

それほどはない。だから、家族の「死」に直面すると、

混乱し慌てられるのが普通である。



ここ最近、「葬儀」のやり方に、一つの変化傾向がみられる。

葬式大国日本に、葬式無用論なる風潮が、蔓延し始めている。

「葬式は、要らない」という本まで出ている。

実際問題、「死」は突然やってくる。

そして、葬儀にかかる費用は、尋常なものではない。

世界に比べて、日本の葬儀費用は、他国に比べて

突出しているのも事実。

とにかく、日本の葬儀にはお金がかかりすぎる。

「坊主丸儲け」と揶揄される私ごときが言う資格はないかもしれない。


そんな中、最近「直葬」(じきそう・ちょくそう)という葬儀のやり方が

増えているという。

家族が亡くなってから、葬儀はしないで、24時間経ってから、

直接、火葬するというものである。

「葬儀なんか、しない」

“葬式仏教”と揶揄されても、お坊さんたちにとっては死活問題だ。


私は、葬儀という場は、「人の死」をまじかに見つめさせていただく

絶好の場面であると思っている。

ご縁のあった方々と、ともに人生に向き合う最高の場である。

そこに立って、仏法を説くことが、私たち僧侶の使命である。

その場が失われることは、本当に悲しいと思う。



広島ブログ いつも、ありがとうございます


 膝に痛みがある坊守が、今日は「びょういん」へ行く予定でした。

 でも、「美容院」へ行ったようです。

 帰ってきて一言。。

 「美容院の奥さんがね、今年はいい年になるような気がするって、
  おっしゃるのよ。どうしてと聞いたら、正月早々に、お寺さん
  に会えたから、縁起がいいんよ」

 お寺さんは、「縁起物」ではありましぇ~~ん!
 お寺さんは、「縁起がいいとか悪いとか気にしましぇ~~ん」

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