ほじゃさぽ通信

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ほじゃさぽ通信 夏号 2017

2017年06月02日 21時10分17秒 | いなかFPのつぶやき
いなかFPのつぶやき

【高齢者の財産管理】


高齢になった親が、認知症の兆しを感じたとしたら、子どもとしてそれを認めたくない気持ちになるのは仕方ないことですが、何の対策も取らないまま、認知症が重症化すると、介護はもとより「お金」の管理にも困ることになります。






認知症で判断能力が低下し、徘徊や火の始末が心配になってくると、介護施設への入所を検討することにもなるでしょう。
入所するにはまとまったお金が必要となりますが、個々の金融機関によって対応は異なりますが、子どもが銀行に行って親名義の預金を引き出そうとしても、本人の意思が確認できないという理由で、預金の引出しを断られることがあります。

認知症になった親の預貯金を引出すには家庭裁判所に成年後見人を選んでもらい、成年後見人が手続きをする必要があります。
 
成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があります。
親の判断能力が低下してから申し立てるのは法定後見制度です。
また、判断能力の程度によって「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれ、判断能力が最も不十分な場合に選任されるのが成年後見人です。

後見人候補者は職業、収入、家族関係の状況などに鑑みて、家庭裁判所が総合的に判断するので、必ずしも家族が後見人になれるとは限りません。

実際に家族が後見人として選ばれるのは約3割、残りの7割は弁護士、司法書士、社会福祉士などで、全く面識がない人がなるケースもあるようです。
もし、どうしても家族を後見人にしたい場合は、親に判断能力があるうちに、任意後見の契約を結んでおくのが良いでしょう。

後見人は、本人に代わって財産管理をすることができますが、後見人の判断で何でもできるわけではありません。

不動産を売買する場合には家庭裁判所の許可が必要ですし、預金を引き出せるのは本人の生活のためだけで、家族への贈与や援助などはできません。
また、後見人としてした仕事を記録し、家庭裁判所に報告することも求められます。

親が年を取って頼りなく思えてきたら、「何か手伝えることはないか」と問いかけてみてはいかがでしょうか。
親子のコミュニケーションを密にすることで、認知症などの病気にも早く気付くことができますし、これからのことを話すきっかけを見つけることができるかもしれません。

【釧路 AFP 髙橋】


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