Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

青い琴の星・白鳥の停車場

2020-09-25 18:41:14 | パネル
9月21日は賢治さんの命日。花巻に住んで早いもので8年目になりますが、ここ数年、この日には彼が愛したイギリス海岸を散策するのが定着してきています。

  

賢治さんが見ていた白い泥岩は今では北上川の中に沈んでいますが、毎年命日には川の水位を下げて当時の様子を再現する試みが行われています。年によっては雨や台風で中止になることもあるため毎年見られるとは限らないのですが、去年は見事成功!今年もお天気が良かったので期待していましたが残念ながら完全露出ならず…でも、水の中に岩が沈んでいるのがちゃんと見えました!周辺には栗やくるみも沢山落ちていて、やっと暑い夏が終わったのを感じました。

賢治さんの命日に完成したパネル「青い琴の星」。

 

「ぼくはもう、遠くへ行ってしまひたい。みんなからはなれて、どこまでもどこまでも行ってしまひたい。それでも、もしカムパネルラが、ぼくといっしょに来てくれたら、そして二人で、野原やさまざまの家をスケッチしながら、どこまでもどこまでも行くのなら、どんなにいいだらう。」
―『銀河鉄道の夜』第三次稿―

ブルーグリーンの大きな星は、古典的な感じの星の描き方を真似して書いてみました。星の周辺も筆で剥がして光を表現してみましたが、我ながら結構気に入っています。草むらは緑のガラス一面に顔料を塗り込み、ちょうどクレヨンでスクラッチをする要領で割り箸で削っています。

24日、棚卸しのため白鳥の停車場さんへ。ケンタウル祭、9月30日までです

コスモスがきれいに咲いていました

 

「ぼくたちも降りてみようか。」ジョバンニが云いました。「降りよう。」二人は一度にはねあがってドアを飛び出して改札口へかけて行きました。ー『銀河鉄道の夜』ー

  



この日に合わせて完成させた「白鳥の停車場」。物語の舞台は南欧あたり、と賢治さん自身も語っているので、駅の看板が日本語で書いてあるのかどうかはわかりませんが、お店の看板と同じように描いてみました。ちょうどこの前に、二人がいるイメージで…。それと、白鳥座をどうしても入れたくて、散々悩んで左上に無理矢理入れました。青いフラッシュガラスをハンドルーターで削っています。



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ケンタウル祭の夜・苹果(りんご)

2020-09-25 18:25:47 | パネル
8月は「銀河鉄道の夜」ミニパネルの制作をストップしていましたが、9月から再開しました。

「ジョバンニはまっ赤になって、もう歩いているかもわからず、急いで行きすぎようとしましたら、そのなかにカムパネルラが居たのです。カムパネルラは気の毒そうに、だまって少しわらって、怒らないだろうかというようにジョバンニの方を見ていました。」

 

「ケンタウル祭の夜」背景の青いガラスは持っていたけど今まで使う機会のなかったものを初めて使ってみました。凸凹が激しく分厚くて素直にカットできないのでひたすらルーターで削る、削る

「けれどもあなたがたのいらっしゃる方なら農業はもうありません。苹果だってお菓子だってかすが少しもありませんからみんなそのひとそのひとによってちがったわずかのいいかおりになって毛あなからちらけてしまうのです。」

 

「苹果(りんご)」今まで作った中では結構お気に入りです



今まで作ったのをまたストーリー順に並べました。行きつ戻りつしながらまだ続きます…。


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