Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

割れたお皿の修復

2010-09-25 22:56:38 | 修復
1ヶ月ほど前、知り合いの結婚祝いにとステンドグラスで作ったお皿を送ったら、割れて届いた・・・との連絡がありました(;_;)その知り合いには新しいお皿を作って手渡し、割れたお皿は関係機関にてしかるべき手続きを経た後、まややの手元に戻ってきました。



底及び色ガラスの2つのピースがほぼ真っ二つになっていました。かなり厳重にエアーキャップで梱包したのでちょっと落としたくらいでは正直ここまで割れることはないと思うのですが、配送中に一体何があったんでしょうね・・・。

しかしピンチはチャンス。残りのガラスは無事なので、割れたガラスを外して新しいものと交換することにしました。修復の練習です。幸い自分の作品なので失敗したところで誰にも迷惑はかかりません。

まず、ハンダを溶かしたい部分にフラックスを塗ります。ハンダごての温度を通常よりも高くして、ハンダを溶かしていきます。ピース同士の間に厚紙を挟みながら、慎重にくっついたピース同士を離します。壊れていない部分を傷めないように、根気のいる作業です。



2つの色ガラスのピースが外れました!パチパチ(^o^)v



底も無事に外れました!



予め用意しておいた新しいピースをハンダで接合し、パティーナを塗って鉛の色を元の部分と同じにして修復終了!見事、元通りになりました!

修復は作品を新しく作るよりもずっと時間がかかるし、神経も使います。作ることよりむしろ修復で職人の腕が問われるという話も聞いたことがありますが、本当にそうかもしれないなと思います。残念ながら人の作品の修復はまだしたことがありませんが、将来そのような機会がない、とは言い切れません。今のうちに少しずつできることを増やしていかなくては。そして、製作中に失敗したな、と思った時も安易に妥協せず、そこで潔く軌道修正する勇気を持ちたいものだなと思いました。