足助千年ゼミ

エコでおしゃれな21世紀の里山の暮らしを考えます

理想の里山病院とは?

2011-09-04 00:49:57 | ゼミの議事録
『理想の里山病院とは?』

議題提案者 とも
参加者 シゲ、邦夫、小沢、林、稲葉

できるできないは置いといて、みんなが思い描く「理想の里山病院」を教えてください、ということで話し合いをスタートしました。

まず里山の診療所、薬局は「地域とのつながりが大切だ」という意見が出ました。
田舎は皆の連携が取れている分、うわさが広まるのも早い。
一度の失敗で評判が落ちてしまうこともあるかもしれないし、田舎は病院が少ないため、みんながそこに行くことになる。町もそうだと思うが、町以上に地域との良い関係性が大切になります。
でも里山の病院は貴重な場所なので(コンビニもそうだが、里山にはいろいろなものが少ない)地域と良い関係性を作っていってほしい、という願いが出ました。

そして実際、地域と良い関係を作り、地域の住民の方と厚い信頼関係で結ばれていた村医者Hドクターのお話を聞かせていただきました。
昔の里山では「往診」が基本。
そのHドクターは真夜中だろうが飛んできてくれて、見てくれたそうです。
昔は医療の分業が進んでいないため、Hドクターがなんでも見てくれていた。(たとえば、今はAさんが肺を患ったら呼吸器、骨折すれば整形外科、と、診るドクターが違ってきますが、昔はAさんが肺を患おうと、骨折しようと、Hドクターが診ていた)そのため、「この先生なら大丈夫、H先生に診てもらって、薬もらわなくても話して帰るだけで、なんだか体が楽になってしまった」というほど地域の皆に信頼され、愛されていたようです。

さてここで、名言を頂きます。Hドクターの流れで、とある方が
「医とは、仁だ。」
と言ってくださいました。
これについてそれ以上深くは話されませんでしたが、Hドクターの生き方、地域とのつながりのお話を聞いた後だったので、とても感銘を受けました。これについては語れるほどの考えがないので、ここまでとします。
ただ、とても素敵な、大切なお言葉を頂いたと思ったので、今後も胸にしまっておきたいです。

さてさて、Hドクターの話で盛り上がってきたところ、こんな意見が出ました。
「病院へは、交通事故か、がんになった以外は、いくじゃないだわ!」
「病院へ行くより、働いてボケないようにするのが一番や」

おぉー。

確かに最近は何かあったらすぐ病院へ行かなくては、という風潮もなきにしもあらず、という印象があります。
でも病院に行って体が丈夫になるのか、といえばそれは違う。病院でやることは検査と診断と治療であって、たいがいは抗生物質という薬を処方されるなどの治療が行われるが、それは人間の治癒力を高めて直すのではなく、抗生物質というものを体に入れて、それに働いてもらって病気を治してもらうものであって、薬に依存した治療法ともいえる。
そうではなくて、自分の体は自分で守るために、自らを丈夫にすることのほうが大切だ、という意見が出ました。
里山で働けば、身体も頭も動かし、丈夫になるし、賢くなる。
(ここで現代は指示待ち人間が多く、自分で考えて動けないという意見も)

里山で死ぬまで働いて、足腰鍛えて、「ピンコロ」しないかん!(※ピンコロとは、ピンピン生活して、コロリと死ぬことだそう。なんと素敵な人生だろうか。)

というわけで

「老人総動員法」(老人は皆総動員して死ぬまで働かせようという法律)
を作ったらいい!

そして働けばお金が入るし、農作物をつくれば食べ物が手に入るし…

だから「年金をなしにすればいい!」

という壮大な意見も出ました。
皆で大爆笑です。

確かに里山で死ぬほど働いて、毎日農作物を作るとしたら、自分で創った野菜を毎日食べて暮らすことになります。
そうすると、「身土不二」ができるようになる。(※身土不二とは3里以内の地域の食べ物を食べて生活することで健康な生活が送れること、だそうです。)
それは健康にとって本当にいいことです。
また、働くことで運動不足解消になる。現代の病気は食生活と運動不足からくるものが多くあります。その原因を取り除くことができる。これはとても大切だと思います。現在の病院ではその根本的な原因を取り除くのではなく、その生活(現代の運動不足、ストレス過多、食生活の乱れ)に適応し、病気にも適応していけるようにと薬が出る気がします。それでは結局病気は消えない。消えない病気と共存していく、という形になっているようにも思えます。

さて、ここで素敵な病院の話を聞かせていただきました。
東京に日本で立った一つ、「食養内科」をやっている松井病院という病院があるらしいです。その松井病院では一日3~4人の患者さんしか診ません。そのため一人にたっぷりと時間を注ぎ、話をしっかり聞いて、診察してくださるそうです。
そして一週間の入院をします。一週間入院して、何をやるかというと、徹底した食事療法、だそうです。癌も治す食事だそうです。

もう一つとあるお話を聞きました。
あるドクターが現代医療に疑問を感じて先輩になにかを聞いたところ、こんな返事が返ってきたそうです。
「いいか、患者はな、2種類しかいない。死にそうな患者か、死なない患者かのどちらかしかいないんだ。死にそうな患者が来たら、大病院にまわせ、死なない患者が来たら、うちに入ってもらえ。」
嘘か本当かはわからないですが、それにしてもそんなことたまったもんじゃないですよね。

現代は検査が発達しているけれど、それによる弊害(被ばく)もあると思う、検査以外での判断(歩き方を見るだけでどこが悪いかを診断するなど)もしてほしい、という意見も出ました。
また、病院に行って、忙しいからだとは思うけど、機械的に対応されて安心できなかった。もっと話をきいてくれたり、身体を触ってみてもらえたほうが安心する。安心できる病院が欲しい、という意見も出ました。

そこから「タッチング」って大事だよね、という話になっていきます。

こうやって話してきた結果、なんだか病院があまり必要ない流れになってきました。

「もう精神病院しかいらない感じですよねぇ。」

と言ったところ、「知ってるか?ホスピタルっていう言葉はな、ホステスって言葉から生まれたんやぞ」と、これまた衝撃的なご意見を頂き…

「看護師さんに手を優しく握って話聞いてもらえやぁ、元気になってまうわ!」
「タッチングが大事やでね」
「なるほどー、お医者さんじゃなくて、お医者さんゴッコね」

皆大爆笑しつつ大盛り上がりです。反対意見の人はいないようです。
というわけで…

「ホステス病院が欲しい!!」

という話になり…

そこから「近所のおばあちゃんは世の中に対して思うことが多いみたいで、話をきいてあげるととっても喜んで帰っていかれる」という意見も出て…

「おばーちゃん御用達!ホスト病院が欲しい!!」

という話になってみんながなるほどねーとなったところで話合い時間終了となりました。
なんだか結論(?)が出ちゃったようです。

★今回出た理想の里山病院★
・地域との信頼関係が厚い
・「これはどうなの?」と医療のことを気軽に聞ける先生が欲しい
・医療のことばかりでなく、食の危険性とかを教えてくれる先生が欲しい
・話を聞いてくれるだけで安心できるような先生が欲しい
・おばーちゃん御用達★ホスト病院が欲しい
・おじーちゃん御用達★ホステス病院が欲しい


テーマを出したときは、こんな漠然としたテーマを出していいのかと迷いましたが、皆さんとこの話をできてよかったなと思います。すべての気持ちをみんなが出しているわけではないと思いますが、こんな病院がほしい、という気持ちを聞かせていただけて、また新たに考えることができました。
最後のホスト病院、ホステス病院は笑点のようなノリになってしまいましたが、現代医療に足りないのもまた、本当のような気がします。

理想の里山病院、今日出たご意見が実現する病院があったら、ぜひ私も行きたいなと思いました。

今回は千年ゼミに参加するのが初めて、という方が4人いらっしゃいましたが、「どんな会かあまりよくわからず来た」と言っていた人も、ゼミの最後は「皆と話せて楽しかった」と言っていたのが印象的でした。

以上です。ありがとうございました。

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