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遊びをせんとや

人生総決算!のつもりで過去・現在のことなどを書きます
といっても肩肘はらずに 楽しく面白く書きたいと思います

坂口安吾放浪記~その2「花影の人 矢田津世子」

2023年07月11日 | 読書





矢田津世子(やだつせこ)1907(明治40)ー1944(昭和19) 小説家、随筆家

この写真を初めて見た時、日本的な美人の顔立ちと違うな、と感じた。
そのあと、彼女のことを書いた本があることも紹介した。


この本をつい最近読み終えた。(蛇足だがマルチ読書が私の昔からの習慣)
彼女の顔立ちが日本人っぽく無い・・・そんな私の直観が的外れでは無かった。
今日はその顛末を書く。

矢田津世子は、兄の不二郎とたいへん仲が良かった。
兄は文学が夢だったが、父死後の一家の生活を支えるため会社に勤める。
妹を指導し導き・・・夢を津世子に託したのだ。

著者は、そんな不二郎を何度も訪ねて彼女の人生を紡ぎあげてゆく。
以下、津世子の面立ちに関する部分を引用する(要約部分あり)。

<「忘れえぬ女」は、クラムスコイという画家の1883年の作品。
馬車の上に腰 をおろしている黒衣の若いロシア女性が画面いっぱいに描かれ、背後には雪を帯びた街の建物が灰色に淡くかすんでいる。
女の顔は憂愁を胸深く宿した風情 であるが、
たしかに写真で見る矢田津世子の面影に通うところが多い。>

そう語る著者へ不二郎はこう話す。
<津世子も私も、矢田家の全員がくせ毛なのです。
いつの時代か、矢田家にはロシアか何か、あちらの血が交じっていたのではないか。>

そのクラムスコイという画家の「忘れ得ぬ女」、
私はその絵がどうしても見たくなり、ネットを探し回って見つけた。


確かに、面立ちが津世子と通じ合うところがある。
今日はこれで一段落。
明日またお会いしましょう。

[Rosey]