

矢田津世子(やだつせこ)1907(明治40)ー1944(昭和19) 小説家、随筆家
この写真を初めて見た時、日本的な美人の顔立ちと違うな、と感じた。
そのあと、彼女のことを書いた本があることも紹介した。

この本をつい最近読み終えた。(蛇足だがマルチ読書が私の昔からの習慣)
彼女の顔立ちが日本人っぽく無い・・・そんな私の直観が的外れでは無かった。
今日はその顛末を書く。
矢田津世子は、兄の不二郎とたいへん仲が良かった。
兄は文学が夢だったが、父死後の一家の生活を支えるため会社に勤める。
妹を指導し導き・・・夢を津世子に託したのだ。
著者は、そんな不二郎を何度も訪ねて彼女の人生を紡ぎあげてゆく。
以下、津世子の面立ちに関する部分を引用する(要約部分あり)。
<「忘れえぬ女」は、クラムスコイという画家の1883年の作品。
馬車の上に腰 をおろしている黒衣の若いロシア女性が画面いっぱいに描かれ、背後には雪を帯びた街の建物が灰色に淡くかすんでいる。
女の顔は憂愁を胸深く宿した風情 であるが、
たしかに写真で見る矢田津世子の面影に通うところが多い。>
そう語る著者へ不二郎はこう話す。
<津世子も私も、矢田家の全員がくせ毛なのです。
いつの時代か、矢田家にはロシアか何か、あちらの血が交じっていたのではないか。>
そのクラムスコイという画家の「忘れ得ぬ女」、
私はその絵がどうしても見たくなり、ネットを探し回って見つけた。

確かに、面立ちが津世子と通じ合うところがある。
今日はこれで一段落。
明日またお会いしましょう。
[Rosey]