遊びをせんとや

人生総決算!のつもりで過去・現在のことなどを書きます
といっても肩肘はらずに 楽しく面白く書きたいと思います

『俳人・金子兜太その15 最終回・追悼」

2024年01月12日 | 読書

熊谷市斎場で葬儀(2018/2/20)         お別れ(06/22)会で献花 真土・知佳子夫妻 

金子兜太の辞書には「死」という言葉が無かった
好んだ言葉は「他界」・・・別の世界に行ってみんな生きている

最後に遺された9句


これらの句を眼にして 女性の友のほか 何点か疑問が湧いた
それがきっかけで調べたら 次の事が分かった(""内は私流超要約記述)

”他界する2年ほど前から 兜太は軽い認知症を患っていた
同居する長男夫婦の負担を想い 熊谷市内の介護施設に部屋を確保
 そこを何度か利用したようだ 女性は通いで勤めている人だろうか
 入浴の句が3句あるが 施設で過ごした時の句と考えると納得がゆく
4句に「さすらい」の語 自分の人生を 定住漂白と呼ぶ兜太だったが・・・
最後の2句は 他界へ行く日がそう遠く無いことを自覚してのことか
歩ききれない遠い家 それはもちろん秩父の生家だろう”

兜太の逝去を伝える報道ニュースは山ほどあるが みんなお決まりのもの
その中で2つ 私が惹かれたものがある

(余談だが JimdoというWebサービスを使っている点も懐かしい) 

兜太が語り継がなければ と思った戦争体験
取りこぼしがないか再度探したら NHKアーカイブに3つほど動画があった

(他界後に抜粋編集したもの)

兜太の年譜などで世話になっている金子兜太公式サイト
なお この公式サイト 思っていたより情報量が多い
兜太のエッセイも網羅されているし 俳句論に関する対談も掲載されている

その一つで思わぬことが分かった
村上護(文芸評論家・俳人)との対談で 兜太はこう語っている
「人間そのものの生きた姿を書く 小悦家で言えば坂口安吾が大好き 
坂口安吾の作品は肉体なんですよ 俳句の五七五も肉体のリズムだから」
・・・兜太の俳句から 薄々安吾の匂いを感じていた私も やっぱりと納得

さて 兜太は長寿だったので 他界して5年ほどしか経っていない
これ以後は他界後の記録になる

金子兜太さん一周忌会見 2019年 75分弱
 

映画「天地悠々」予告編 2019年 5分半


金子兜太の弟子マブソン青眼氏の講演会 2023年 90分弱
戦争の悲惨さの他に忘れてはいけないのが 権力の弾圧・横暴・乱用
直截兜太を偲ぶものではないが 戦後80年の今もそれは存在する


今日が金子兜太シリーズの最終回 盛沢山になったがご愛読に感謝!
それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]

『俳人・金子兜太その14 句会・講演・対談ほか」

2024年01月11日 | 読書

金子皆子と兜太

 金子兜太の句誌主宰・俳句賞選考委員などの経歴
1983(S58) 64歳 
現代俳句協会会長(3代目)に就任(2000年まで) 
角川俳句賞選考委員になる(1993年まで)
1989(H19) 70歳 
お〜いお茶新俳句大賞選考委員(2016まで)
2006(H18) 87歳 妻・皆子(81歳)他界)
2011(H23) 92歳 東日本大震災 胆管に癌・慶応入院手術 
2012(H24) 93歳 「海程」50周年記念祝賀会


2015(H27) 95歳 
東京新聞「平和の俳句」選考委員(2017まで)
戦争法案を廃案に 「アベ政治を許さない」を揮毫
この頃の詠んだ句2首
"集団自衛に餓鬼のごとしよ濡れそぼつ "
"朝蟬よ若者逝きて何の国ぞ "

2016(H28) 96歳
講演「俳句と人生,平和を語る」(深谷市) 


2017(H29) 97歳
東日本大震災から6年 兜太が詠んだ句
"曽遊(そうゆう)の地福島被曝海鳴りに " (曽遊はかって訪れた所の意)

2018(H30) 98歳 2月20日 
急性呼吸促迫症候群で他界

今日はここまで 明日は金子兜太の最終回の予定
それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~『俳人・金子兜太その13 兜太語録ほか』

2024年01月10日 | 読書

兜太が写真の言葉を揮毫したのは2015(H27)年 安保関連法案改悪の時
「漢字を使うのが勿体ない」とカタカナで書いた
講演会でも「国会に乗り込みアベを殴って・・・」と聴衆の笑いを誘った
再び戦争を出来る国に・・・そういうアベ政治を心底許せなかったようだ

アベ政治の言葉で思い出した本が ビアス著「悪魔の辞典」
ピアスは米国のジャーナリスト その彼によれば「政治」とは
"主義主張の争いという美名の陰に正体を隠している利害関係の衝突
私の利益のために国事を運営すること"

"アベ政治を許さない"でネット検索してみた
読んで愕然 兜太ならきっと書くだろうな・・・"アホ記事を許さない"

七五調の俳人だけあって 兜太の言葉は短くても直截に心に響く
”幸・不幸とは便宜的な概念 だから幸・不幸にとらわれて悩むことはない”
"素朴な 本能的な 原始的な感覚を研ぎ澄まさないとダメ
倫理とか道徳とか人生観とか全部ナンセンス 信用できない 縛られるな"

"死者はほかの所 別の姿で生きている それを私は「他界説」と名付けた"
"いつ死んでもいい ただ嘘っぱちは言いたくない 本音を並べていたい"
"人類は戦争をやめられない でもやめさせるという意志は捨てられない"

”テレビの政治問題は些細な話ばかり 人間もっと伸び伸びと出来なものか”
"「ありのまま」がいい 「九十歳 どうお考えで?」 放ってけっということ"
兜太は辞世の句を遺さなかった 戦後の川柳作家の辞世の句を褒めている
「おれのひつぎはおれがくぎうつ」

兜太は終の棲家として熊谷の地を定めた
その中の一句 「荻野吟子の 生命(いのち)とありぬ 冬の利根」 
荻野吟子は日本初の女性医師1851(嘉永4)ー1913(T02) 同上PDF参照

 今日はここまで それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~『俳人・金子兜太その12 檻の俳句館』

2024年01月09日 | 読書
檻の俳句館

信州上田市に戦没画学生の絵を展示した「無言館」がある
その存在は知っていたが 信州は準地元の筈の私も行ったことが無い
その近くに「檻の俳句館」がオープンしたニュースをネットで見た


マブソン青眼氏や俳句弾圧事件も初めて知る ここが私の今日の出発点!
さっそくマブソン青眼氏の講演動画を観る 約90分弱


氏の来歴 兜太との関り 俳句弾圧 日本の権威主義・・・等々中身が濃い
マブソン青眼氏こそ 兜太の社会性やアニミズム俳句の継承者かも・・・


氏は 金子兜太主宰の「海程」同人であり 同句会にも参加した筈
二人が同席する動画を探したが見つからなかった 

今日の終わりに 「檻の俳句館」で行われたコンサート動画を


それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~『俳人・金子兜太その11 反戦平和』

2024年01月08日 | 読書

澤地久枝と金子兜太と兜太の揮毫

今日は 兜太終生の願いだった反戦・平和の想いがテーマ
以下 今日は何れもNHKアーカイブスのページへのリンクが中心

(トップページからチャプター毎に観られる テキストもある)



戦争の実態を伝える動画として 以下のNHKアーカイブス動画もリンク

(トップページからチャプター毎に観られる テキストもある)
この動画には徴用された兵員たちの証言も含まれている
また 司令部の無責任・無能・横暴・非情 報道の翼賛ぶりも伝わってくる

今日はここまで 明日またお会いしましょう
[Rosey]