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「女性役員4割」義務付け ノルウェー中道左派政権 企業反発、海外移転も検討

2005年11月24日 | ヨーロッパ
 【ロンドン=蔭山実】女性の地位向上論議が盛んなノルウェーで、先の総選挙で政権の座に返り咲いたばかりの中道左派政権が「企業の役員の四割を女性にしなければ企業を閉鎖に追い込むことも辞さない」との方針を示し、来年一月にも罰則を設ける意向をみせている。これに対し、企業側は「非現実的だ」などと一斉に反発している。

 ノルウェーでは男女平等社会実現の一環として国営企業と上場企業を対象に女性役員を増やすことが論議になり、中道右派政権下の二〇〇三年に「役員の四割を少数派の女性にする」との法律が可決。女性優位の企業なら男性役員数も四割にしなくてはならない。

 同法は今年七月までを移行期間とし、進展をみた上で施行に踏み切る方針だった。しかし、これまでに、上場企業五百九十社のうち、女性役員の割合でこの規定を満たしているのは二割程度に過ぎず、現時点で同法が施行されれば、上場企業の大半が「違法状態」になってしまう。

 こうした状況で、ベッケメレム児童・家族問題相はこのほど、BBCテレビで「進展は不十分だ。二十年、三十年も待つ気にはなれない。来年一月には法律を守らない企業は閉鎖する罰則を設けたい」と表明し、ノルウェー企業を恐怖に陥れた。

 ノルウェーでは、今年九月の総選挙で石油収入を福祉に充当すると訴えた労働党中心の中道左派勢力が政権を奪回。中道左派政権は男女平等社会の実現にも積極的で、女性役員の比率が増えないことに前政権以上に厳しい態度を打ち出したというわけだ。

 企業の間では、女性が役員を務められるだけの環境が整わない限り法律は守れないとの意見が大半で、このままでは海外移転も検討せざるを得ないとの声が出ている。

 だが、児童・家族問題省の報道官は「各種調査でも、性別で企業の役員のバランスを図れば、利益が上がると判明した。大学生の六割以上が女性という現状で有能な女性を見つけることは難しくなく、罰則規定以外に有効な手段はない」と応酬。官民の男女平等論争は過熱する一方だ。

(産経新聞) - 11月24日15時57分更新

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