(重慶のマンションの警備室にはエレべーター内や廊下の様子が映し出されている=香港・尖沙咀で、吉本美奈子撮影)
管理組合にあたる家主会は5年ほど前からビルの環境改善に取り組む。重視するのは治安対策。208台のモニターカメラを設置し、24時間チェック。警察出身のガードマンを雇い、売春やマフィアの争いを追放した。床や下水管を更新、違法看板も撤去した。
2、3階の南側に、若者向けの小さな専門店が並び始めた。94年のウォン・カーウァイ監督の映画「恋する惑星」の英語題名にちなみ「チュンキン・エクスプレス」と名付けた。若い警官がこのビルで出会った女の麻薬売人と恋に落ちる展開。「イメージを損ねる、とロケを断ったら、盗み撮りされた。今は映画の名で商売させてもらっている」と家主会主席。
それでも「怪しいビル」の印象はぬけず、テナント申し込みはまだ低調。「香港随一の個性的で国際的な一角。安全と分かれば、再びランドマークになる」。
2005年10月07日