AR(エーアール)どうぶつ病院ブログ

川崎市登戸にあるARどうぶつ病院

院長やスタッフの日々のブログです

病院が伝えたいことを日々綴っていきます

● ARどうぶつ病院です。あと二日で内覧会…だいぶ間に合わなそう(;´・ω・)

2017-07-14 20:41:10 | 病気について

こんばんは、院長の盛田です。

本日は内覧会前にご相談に来られた方がいらしたのでその質問にお答えします(いらしてくれてありがとうございます‼)。

お題は去勢について=^_^=

ペットを飼われている方は一番疑問に思うことのひとつかと思われます。

というのも、避妊・去勢手術は健康な体に麻酔してメスを入れる行為だからです(; ゚Д゚)

 

ご家族の大部分の方は「可愛そう」とか「麻酔が不安」という悩みを抱えてらっしゃいます。

確かに麻酔は中枢(脳)に作用する薬で、死亡するケースも稀ではありますがあります。

これは血液検査やX線検査を行っても100%回避することはできません。

なぜって??

だって脳の動きや疾患は血液検査をX線ではわからないので。

血液検査は検査する項目によりますが肝逸脱酵素(肝臓に負担が来てないか)や腎臓機能(腎臓でろ過する老廃物が溜まってないか)を確認し、麻酔が体に入っても肝臓で無毒化されたり、腎臓から体外に排泄されるかを確認する検査が主です。

勿論、脱水の有無や電解質バランス(体液の組成が悪くなってないか)、アルブミン(薬を体内から排泄するのに役立つたんぱく質)の状態も検査するのですが、項目をみていただくと脳に関して触れていません。

X線検査で確認するのは(やる先生は最近少ない気がします…)肺に異常があると麻酔中に呼吸がうまくできずに酸欠になり、窒息して亡くなってしまう可能性があるためです。

もし中枢の評価をするのであればMRIや髄液検査を行いますが、こちらは動いてしまうと画像がブレてしまうため、動物に行う場合は全身麻酔を行わなくてはいけません。

麻酔リスクを探るために麻酔をかけて検査をする…これでは本末転倒ですね( ̄▽ ̄;)

人の場合は動物よりも脳の障害があるかわかりやすいです。

コミュニケーションがとれるか、ろれつが回ってないなどないかどうか、表情も動物より人の方が異常に気づきやすいと思います。

 

ここまで読んだ方は「この先生は全身麻酔で避妊・去勢を行うことについて否定的なのかな」

とおもうかと思います。

 

そこは実は違いまして、避妊・去勢手術は勧める派です(^^)

 

そのことについては次回書きたいと思います(今回は2部作‼)

 

なぜって??

 

すごく重要なことなので、長文にして読み飛ばしてほしくないのです。

 

次は内覧会終了後になるかと思いますが、お待ちくださいね。

それでは急いで準備再開せねば‼(;´・ω・)ノ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ARどうぶつ病院です。絶不調です…

2017-07-11 21:57:30 | 病気について

本日は昼に腐った唐揚げを食べてしまい、食中毒でひどい状態の盛田です(´;ω;`)

そんな訳で本日は動物の食中毒についてのお話です。

一般に食中毒というと除草剤・食べてはいけないチョコレートやネギ類、ブドウやキシリトールが有名です。

しかし、今回の自分のように腐敗した食事による食中毒も多いのではないかと個人的には思います。

なぜか…

皆さんはドッグフード/キャットフード(以降はフードと略します)は温度や湿度が高いと腐敗が早くなることは理解しているかと思います。

涼しい・乾燥していると感じる冷蔵庫のような場所でも封を開けたフード消費は1か月以内と感じております。

ここまではたぶん皆さまも感じていると思います。

しかし!

皆様はご存知でしょうか

フードは光によって酸化してしまうことを!

フードを出したまま8時間も放置しておくと酸化して腐敗していくのです

これはワンちゃんよりも猫ちゃんの飼い主の方が多いかと思います。

朝ごはんを出したままにして酸化して悪くなった食事を食べることによりおなかをこわす動物は、通常子犬・子猫が多いですが、季節の変わり目で体調が落ちた動物達にも起こると思います。

これからは皆様も飼っているペットたちの食事は出しっぱなしにせず、朝ごはん、夕ご飯、あげているなら昼ご飯はその都度出してあげましょう。また、フードを入れる食器も菌が繁殖するので、食事の都度洗ってあげましょう。

 

今日は体調がすぐれないのでこのあたりで失礼いたしますm(__)m

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あと1週間!!ARどうぶつ病院開院します!

2017-07-10 14:29:20 | お知らせ!

ARどうぶつ病院院長の盛田です。

 

 

 

あと1週間でようやく病院が正式に開院となります( ´艸`)

 

3月から用意して4か月半…長かったような短かったような…(´・ω・`)

 

正式な開院は7月18日ですが前日の16日、17日は内覧会を催そうかと思っております。

 

内覧会に来院いただいた方には↓のようなプレゼントをご用意させていただきますので、動物を飼っていらっしゃる方は是非来院いただけたらと思います。

今後とも当院を宜しくお願い致しますm(__)m

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ARどうぶつ病院です。善意の誘拐について

2017-07-09 00:17:46 | 時事ネタ

最近隣のマンションの軒先にいるツバメたちがそろそろ巣立ちそう。

 

自動代替テキストはありません。

 

そろそろ巣立ちの時期を思わせるのでこのテーマで書いております。

上の題名ご存知の方もおりますかと思いますが、この時期特に多いヒナの誘拐のことを指します。

誘拐と聞くと「ヒナのためを思ってしたのに…」

とおっしゃる方々が多くいます。

何がヒナのためなのか話を聞いてみると

「ヒナ鳥が飛べないのに地面を歩いていたから」、「ノラ猫が近くにいて狙われていて…」

などの答えが返ってきます。

彼らはヒナを助けるために善意でヒナを拾っているのです。

この善意がどうして不幸なのか…

野鳥の会や自治体からは親が近くにいて見守っているから拾ってしまうと人の匂いがついて親鳥がヒナを見放してしまう。とか昔から言って呼びかけておりました。

下にポスターを添付いたします。

http://www.wbsj.org/fukyu/hirowanaide/img/hina_2017.pdf

でもこの理由が人々(特に日本人)に受け入れられない理由は別にあると感じております。

それは、日本人のヒューマニズム。つまり優しい国民性です。

日本人は弱者に対して助けたいという気持ちが出やすく、わかっていても「このままではヒナが車にひかれてしまう」とか「猫に食べられてしまう」と感じた瞬間に拾ってしまうのではないでしょうか。

 

しかし、考えてみてください。野生動物は生まれてから死ぬまで、自分(もしくは自分の家族・属する集団)のために精いっぱい生き抜きます(この姿勢は我々人間も学ばないといけないと思います)。

これは我々人間が行っている生活よりもシビアで、他種や自分のグループ外の動物達との遭遇は普通生死をかけた戦いに発展することが多いのです。

 

(↑「立山室堂ライチョウ見守りネット」から拝借いたしました画像です。http://raicho-mimamori.net/jp/ecology/territory.html)

この彼らの人生(?)に人間(日本人)のヒューマニズムを持ち込んでしまうと、彼らたちの価値観が壊れてしまい、自分や自分の属するグループを危機にさらす結果となりうるのではないでしょうか。

つまり、他種の生き物から無償で得られた一時的な愛情により、他の個体が自分を害する感覚が若干でも希薄になり、他の個体に遭遇した際に適切な防御・攻撃行動がとれず自分や周囲の仲間を死に追いやってしまう…

これは自分の死だけでなく、グループの全滅に繋がるかもしれません。

つまり、巣の中で比較的安全に育ったヒナたちにとって、巣立ちの際に自然界の脅威を肌で感じることは彼らにとって非常に重要な儀式であり、馬が外敵から逃げるために生まれて間もなく立ち上がるように、ヒナも一刻も早く飛べなければならない。

これを乗り越えられなければ成鳥になることはできないと親が与えた自立のための儀式なのではないでしょうか。

そんな重要な自立のための儀式を人の手で狂わされてしまったとき…自分だったらどう考えますか?

 

人間の世界では、人間皆が手を取り合ってお互い助け合うのが理想とされてますが、これはあくまでも人間のルールであり、野生動物や自然界に適応されるものではないと私は考えるのです。

 

これを読んでくれた方々には、社会的に正しいとされる善意はその社会に属する人間に向けてこそ善意となることも理解していただきたいと思います。

 

人同士でも風土により社会的ルールは多様であるのに、野生動物やもっと大きな自然界という世界を自分たちの社会のルールにあてはめるのは果たして正しいのでしょうか…

なんて考えながら、今年は

「ヒナ拾ったけどどうしたらいいでしょう」

の電話がかかってこないことを祈っております。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ARどうぶつ病院です。今回の九州北部大雨について「大分県被災動物救護対策指針」

2017-07-07 00:45:37 | 時事ネタ
こんにちは。ARどうぶつ病院院長 盛田です。

九州北部の大雨、ひどい災害になってしまいました。九州は自分にとっても非常に思い入れがあるので…

非常に悲しい事態になりましたが、被災地の皆様のことだけでなくそこで飼われていたペットたちのことも気になります。

大分県では昨年「大分県被災動物救護対策指針」が出ていることをご存知でしょうか。

こちらには、動物を飼われている方たちに向けた防災の心得が記載しておりますので、

現時点でどこまで施行されているかわかりませんが当該地域で知らない方がおりましたらご確認いただく事をお勧めいたします。

大分県被災動物救護対策指針

http://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/1025540.pdf

神奈川県に居ながらでも少しでもお力になれたらと思いますので、コメントなどでご質問などいただけたら可能な限りお答えさせていただきます。

飼い主と動物たちの生活を少しでも良いものにするのが当院の信条です。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする