AR(エーアール)どうぶつ病院ブログ

川崎市登戸にあるARどうぶつ病院

院長やスタッフの日々のブログです

病院が伝えたいことを日々綴っていきます

● ARどうぶつ病院です。検査の意義について

2018-03-08 15:53:21 | 病気について
ARどうぶつ病院です。もうすぐ春ですね。
花粉症で激しいくしゃみが出ている院長の盛田です。



久しぶりにブログを更新します。
今回は以前にも書きましたが、診療における検査についてです。
元々動物は自然治癒力を持っているため、治癒力を助けるために少し治療すれば治ることが多くあります。筆者の経験では、来院する動物の90%は検査せずに対症療法で治ると思います。
しかし、残りの10%に関しては重症で自然に治癒するのはかなり難しい・もしくは悪い部分が特定できない・そもそも慢性的な経過を辿っているため正常との境目が良くわからなくなっていることがあります。
重症例に関しては言わずとも検査を行い、悪い部分を特定できればそこに対して集中的に治療することは問題ないと思います。
しかし、その後の2つに関しては厄介です。

① 悪い部分が特定できない
② そもそも慢性的な経過を辿っているため正常との境目が良くわからない

①に関しては、よくあるのがぐったりしている・熱がある・
などの非特異的な症状です。

これらは色々な原因で起こるため、検査が必要です。
当院では、身体検査・血液検査・X線検査・エコー検査が最初に行う検査ですが、
心臓の動きが悪かったり、黄疸が出ていたりなど検査で異常が認められた場合はさらに細かく検査をすることもあります。

②に関してはもっと厄介です。
心拍数が異常に早い、呼吸が早い、水を飲む量が多い、おしっこを大量にする、すぐに怒りっぽくなる、など
尿量や飲水量は一見では全く症状として読み取れません。
また、病院では緊張や興奮から心拍数や呼吸数が早くなる仔は多いと思います。
ご家族も自分の仔が病気であってほしくないと思うあまり、症状を軽く言いがちですので、
ご家族のお話しを聞いただけだと病気と正常の区別もつきません。
しかし、上記症状が病気の初期に出てくる重大な病気はたくさんあります(下記に列挙します)。



これらの病気は時に急激に悪化・急死するようなケースもあります。

そのため、当院としてはこのような病気に対しては早期に発見し、治療することを前提として検査を推奨しております。

もし気になる症状があれば、ご家族には日ごろの状態を観察いただき、客観的にメモや画像・動画などを残しておくことをお勧めします。
そして、やはり正常かどうか疑わしい、もしくは気になるようであればメモをもって病院へ行って相談しましょう。

動物は人と話せません。なので、ご家族が代弁してあげないと大きな病気を見逃す可能性があります。
健康でより良い生活を送れるよう、みんなで動物達を守っていきましょう。
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