田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

京阪旅情2

2017年12月05日 | 日記
昨日の記事の続きです。

何だかんだでつい長文になってしまいましたが、
要するにその日はライブの後、終電間際に乗る電車を間違えて遠い駅に着いてしまい、
冷静に調べたら家の近くの駅まで帰って来られたのに、
うっかり真夜中にギターを担いで線路沿いを3時間弱もかけて歩いて帰った…
ってことなんです。

この件で、色々思うところがありました。
単純にネガティブな気分に陥ったり、
偶然にも生まれ故郷を通過して昔のことを思い出したり。
"極度の疲労状態でネガティブに人生を振り返る真夜中の約3時間”
だった訳ですね、恐ろしや。

ほんと色んなこと考えましたよ。

「なんでこんなミスをしたんやろ?」
「大丈夫、俺、少々の距離は歩けるから」
「歩けるから大丈夫とか思ってるから、こんなことになるんとちゃうか?」
「俺みたいな人間と行動を共にする人がおったら災難やろな…」

自分なりに正当化しようともしました。

「今日は歩く日やねん。きっとこれには何かの意味があるねん」
「運動になるしいいやん」
「帰って酒飲んで寝るより、こうして歩いてる方が有意義やし」

そしてネガティブな方向に思考が偏ります。

「タクシーに乗らんのは金がないから?いや財布にはそれぐらい入ってるし」
「普通やったらタクシー乗るやろ?47歳やで」
「売れてもない役者がタクシーなんかに乗ったらあかん…って思い込んでるやろ?」

そして色んな思い込みに縛られていることに気付きました。

「必ずしも 売れない役者=貧乏 って訳じゃないし」
「役者してなくても生活は楽な訳じゃないし」
「つまり俺は貧乏なんじゃない。ただ単に稼ぎが少ないだけ」
「稼ぎが少なくてもいいから芝居や音楽に時間を費やしたいだけ」
「…ってことは望みどおりの人生やんか?」
「いや待てよ、俺、こんな人生を望んでたっけ?」

やがて生まれ育った町に入ります。
久しぶりに見る風景に心が和みました。
でも生家があった場所の近くや、
10代の頃働いていたお店の近くに差し掛かると複雑な心境に。
なんというか…
とてつもなく引け目を感じて生きている自分に気付いたんです。

ツイッターで呟いた次の一文が、
この夜の全てではないだろうかと思います。

『はて?人様に胸を張って話せないような人生を俺は歩んでいるのだろうか?
自分で自分を貶めているだけではないだろか?』


なぜ引け目を感じる必要があるのだろうか?
思い込み、勘違い、迷い、焦り、諦め、執着…
そして強く幸せを求めていない自分。
求めることをせず拒むことで今の状況に着地している気がしました。

「そろそろ人生の潮目を変えなあかんな」

ただでさえ潰れていたブーツの踵が完全に崩壊していることに気付きながら、
それでも2日後のライブもそのブーツでステージに立つと決め込んでいる自分がいました。
やがてグラグラするブーツを引きずるように這う這うの体で自宅に到着。
特に何を総括する訳でもなく数時間後には朝になり、
何も変らない日常に飲み込まれていったのでした。


(※一応、『京阪旅情』はこれにて終わり)




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