サングラス
サングラス掛けて妻にも行くところ 後藤比奈夫
マネキンの日毎ひごとにサングラス 拙
五月は好天がつづき真夏に近い気温の日々が続く。スマホにも紫外線を予告するソフトも搭載しているのもあり、紫外線対策への気配りも多くなった。本来の機能以外の目的に使用されることも多くファッションとしても利用されるのが最たるものである。
サングラス掛けて妻にも行くところ 後藤比奈夫
マネキンの日毎ひごとにサングラス 拙
五月は好天がつづき真夏に近い気温の日々が続く。スマホにも紫外線を予告するソフトも搭載しているのもあり、紫外線対策への気配りも多くなった。本来の機能以外の目的に使用されることも多くファッションとしても利用されるのが最たるものである。
後藤比奈夫らしい世事の機微を描いた一句と思います。サングラスには変身欲望の心理を満たすようなところがあり、サングラスをかけていそいそと出かける妻を見て、最初は何処へ行くのだろうかといささか訝しい気持ちが起こるが、自分のことに引きかえてみると、いやいや妻にだってサングラスを掛けて行くところがあって当然なのだと思うようになる。サングラスを介して信頼しあった夫婦間の心理の動きを軽妙に表現していると思います。
マネキンの日毎ひごとにサングラス 阿部
後藤比奈夫の句が妻のサングラスを詠っているのに対して阿部句ではマネキンのサングラスを詠った。マネキンが来る日も来る日もサングラスを掛けて立っているという阿部句には、日ごとに暑くなる夏の季節感が強く出ていると思う。比奈夫の句では微妙な心理の動きが感じられるが、夏だという季節感は特に感じられず、むしろ季節はいつでもいいように思われるのが両句の相違点ではないかと思うのである。
最近の小生は屋外はもちろん室内でもサングラスを使うことがあります。目が痛むので、葬式の会場でも使用しましたが、何となく後ろめたくなりました。これだけファッション性が強くなったのですね、