17音の記録 やぶにらみ

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2 コメント

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Unknown (願船)
2017-04-14 20:43:38
   木蓮が頭上にありて胸開く  坪内稔典

 ときどき坪内稔典の句集を開きますが、言葉の表現が自分の感性に響いてこないものがちょいちょいあります。この句でいうと「胸開く」がそれに当たります。一読して、綺麗に咲いた木蓮を仰いで、いいなと思って胸が膨らむというか気持ちがゆったりするイメージが湧いてくるのです。しかし作者が「胸開く」と言ったとき、果たして自分が感じたことでいいのかという疑念が残るのです。ひょっとして、木蓮の花びらが開いている姿を「胸開く」と表現したのではなかろうか。この種の鑑賞し難さを稔典の句に感じています。

   鳥去りて木蓮大きく揺れにけり  阿部
 
 阿部句は一読明快にイメージが浮かんできます。木蓮の枝に止まっていた鳥が飛び立ったのである。 鴉はこの風景に似合はない感じだから、山鳩の類を想像することとして、その鳥が飛び立つ力をつけるめに踏ん張ったとき枝が揺れ、それに連動して枝の先に咲いていた木蓮の花が大きく揺れたのだ。イメージの中では、鳥の飛び立つ動き、木蓮の揺れる動きが、ゆったりとした時間の流れのなかで起こっているように感じとって心地よさを感じるのである。 イメージが綺麗に結ばない稔典の句に比して、ゆるやかな動きのイメージが快感を与えてくれる阿部句に軍配をあげたいと思う。
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有難うございました。 (阿部)
2017-04-15 10:36:13
願船さん
うれしいコメントを有難うございました。
みちのくの春は一度にどっと来ると言われています。いまはその時のようです。
これから花がさきはじまります。
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