北朝鮮は、確かにいろいろ悪い事をしているらしい。ミサイル等を撃つ際には、最低でも世界に通知しなければならない筈である。落ちる辺りを、どこの国の飛行機や船が通りつつあるか知れないからである。かつて私が貨物船に乗っていた頃、そのような情報のさまざまは、通信長(通称局長)がまず把握(多分海上保安庁辺りからの無電に依り)し、当直の航海士に伝える。当直の航海士は、チャート(海図)に鉛筆で(その情報が無用になったら消す必要があるので)海域や日時を記入する。現場で航海そのものの責任を負うのは航海士と船長であり、両者ともチャートは必ず見るので、必要な知識は彼らに共有され、危険な海域はめでたく避けられる事になる。私が乗っていたのは何十年も前だが、今でも船でも飛行機でも基本的には斯様なシステムがとられている事であろう。つまり、共用の区域に危険の及ぶような訓練等を通報無しに実行するのは非常識で不誠実な事この上ない不作為という事になる。尤も北朝鮮のミサイルがどこに落ちるかは、彼等自身にも見当がつかなかったのかもしれない。(続)