銅は、原子番号29の元素。元素記号は Cu。
58Cu 29 29 57.9445385(17) 3.204(7) s 1+
59Cu 29 30 58.9394980(8) 81.5(5) s 3/2-
60Cu 29 31 59.9373650(18) 23.7(4) min 2+
61Cu 29 32 60.9334578(11) 3.333(5) h 3/2-
62Cu 29 33 61.932584(4) 9.673(8) min 1+
63Cu 29 34 62.9295975(6) STABLE 3/2- 0.6915(15) 0.68983-0.69338
64Cu 29 35 63.9297642(6) 12.700(2) h 1+
65Cu 29 36 64.9277895(7) STABLE 3/2- 0.3085(15) 0.30662-0.31017
66Cu 29 37 65.9288688(7) 5.120(14) min 1+
67Cu 29 38 66.9277303(13) 61.83(12) h 3/2-
68Cu 29 39 67.9296109(17) 31.1(15) s 1+
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
⁵⁶Co ------------
⁵⁷Co ------------
⁵⁸Cu ------------
⁵⁹Cu ------------ 31共有完全形態
⁶⁰Cu ------------
⁶¹Cu ------------
⁶²Cu ------------
⁶³Cu ------------ 安定
⁶⁴Cu ------------
⁶⁵Cu ------------ 安定
⁶⁶Cu ------------
⁶⁷Cu ------------ 36共有完全形態
⁶⁸Cu ------------
銅の安定同位体は、進化形態では説明できない。
銅の安定同位体を説明するには、ベリリウム8との類推が必要になる。
⁸Be
⁸Beがこれほど不安定なのは、陽子と中性子がそれぞれ4個ずつという原子核の構造によるものである。これはすなわち2個の⁴Heによって構成されていることを示す。⁴Heは陽子と中性子がそれぞれ2個ずつであり、これは魔法数を二重で満たすために安定な魔法核となる。そのため、⁸Beはアルファ崩壊、すなわち2個の⁴Heに分裂することによって崩壊する。
なお、⁸Beの親核種には⁸Beと¹²Beがある。⁸Beは陽電子放出によって、¹²Beはその1.6%がアルファ崩壊とベータ崩壊が同時に起こって⁸Beに崩壊する。しかし、⁸Beが極めて不安定であるため、中間体である⁸Beを抜かし、直接複数の⁴Heに崩壊すると説明されることもある。
⁸Beの原子核も大変不安定な核種として知られており、速やかにα崩壊して、2つの⁴Heに変化する。これは⁴Heが大変安定していることによる。
なお、⁸Beは、ヘリウムが溜まった古い恒星の内部において、⁴He同士が核融合することで逐次生成され得る核種とされている。恒星の内部で水素の核融合によって合成されるヘリウムが溜まった古い恒星がある程度以上の質量を持っていた場合、その内部で起きているとされるトリプルアルファ反応においては、さらに⁴Heを取り込んで融合し、¹²Cとなると考えられている。このトリプルアルファ反応は大変起こりにくい反応とされているが、その理由はこの⁸Beが不安定であり、すぐに2つの⁴Heに分裂してしまうからと説明されている。
⁹Be
⁹Beはベリリウムの同位体の中で、唯一安定である。
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⁵⁶Co ------------
⁵⁷Co ------------
⁵⁸Cu ------------
⁵⁹Cu ------------ 31共有完全形態
⁶⁰Cu ------------
⁶¹Cu ------------ ⁴⁵Sc+¹⁶О
⁶²Cu ------------ ⁴⁵Sc+¹⁶О(+1中性子)
⁶³Cu ------------ ⁴⁵Sc+¹⁶О(+2中性子) 安定
⁶⁴Cu ------------ ⁴⁵Sc+¹⁶О(+3中性子)
⁶⁵Cu ------------ ⁴⁵Sc+¹⁶О(+4中性子) 安定
⁶⁶Cu ------------
⁶⁷Cu ------------ 36共有完全形態
⁶⁸Cu ------------
ベリリウム8との類推では、銅の安定同位体はスカンジウム45と酸素16の形態要素で構成されていると考える事ができる。ベリリウム8の場合は、安定したヘリウム4が二つ緩く重なり合った状態であるとしたが、銅⁶¹Cuの場合は、スカンジウム45と酸素16によって構成されていると考えれば、中性子過剰分の説明が可能になる。
スカンジウムは原子番号21の元素なので、スカンジウム45には3中性子の過剰分がある。この三つの中性子と上記過剰分を合わせれば、銅の安定同位体の中性子過剰分と一致する事が分かる。
⁸Be 4 4 8.00530510(4) 6.7(17) × 10−17 s [6.8(17) eV] 0+
⁶¹Cu 29 32 60.9334578(11) 3.333(5) h 3/2-
しかし、ベリリウム8と⁶¹Cuの安定度には大きな違いがある。これは、両者の結合状況の違いだと考えられるが、⁶¹Cuの場合は31共有超完全形態も取り得ることが要因である。
共有完全形態の周囲の支柱の混みあった状態を解消するために進化形態によってコンパクト化されていたが、この辺りの元素原子核は複合形態を取ることでコンパクト化をしていると考えられる。この複合形態への移行で、安定同位体の中性子過剰分は7が新たに加わっている。