ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも読んでも、まだ読みたい。

フランセス・アッシュクロフト【人間はどこまで耐えられるのか】

2013-09-17 | 河出書房新社

80歳でエベレスト。
すごいよねぇと思いながら手にした1冊。

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 人間はどこまで耐えられるのか

 著者:フランセス・アッシュクロフト
 訳者:矢羽野 薫
 発行:河出書房新社
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階段をちょっとのぼるだけで息切れのするような私には、高い山にも、深い海にも縁がありませんが、人はいったいどこまで行けるのは気になります。
本のなかみはこんな感じ。

1.どのくらい高く登れるのか
2.どのくらい深く潜れるのか
3.どのくらいの暑さに耐えられるのか
4.どのくらいの寒さに耐えられるのか
5.どのくらい速く走れるのか
6.宇宙では生きていられるのか
7.生命はどこまで耐えられるのか

読んだことを脳みそに刻んでおけるようならば、私はたいそうな物識りになれたであろうと思われます。人体に詳しい人に。
実際には、ただ、うかうかと楽しんでしまっただけですけれど。

ふと、どうやって死ぬのが一番楽かの話でもあるように読んでしまいました。
雪山で凍死は夢見るように…とは良く聞くことですが、考えてみるまでもなく、その段階に至るまでがとんでもなくつらいわけです。
山に、しかも雪山に登る…いやいやいや、むり。
高いところを飛んでいる最中の飛行機事故は瞬時にことが終わるらしいです。コンコルドの航行中に急激な減圧が起こるようなことがあれば、何が起きたかもわからないだろうと。
その万にひとつの事態に遭遇した時の、まさに不幸中の幸いとでもいえそうですが、ただ事故は離着陸の時に起こりやすいことを思えばさほどの慰めにはなりませんねぇ。

それにしても、こんなにも人がどういった状況でどのようになるかがわかっていることに驚きます。
極限を我が身で試す。
その実験の数々を読みながら、正直、そんなことして死んじゃったらどうするんだ?!と思いました。
いや、いわゆる冒険家の方たちもすごいし、高く、深く、速くと目指す人たちもすごいけれど、知るために身を削る科学者たちもすごいと心底思います。空恐ろしいほどだと。

そういえば、こんな本があって、読もうと思っていたことを思い出しました。

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 自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝

 著者:レスリー・デンディ
    メル・ボーリング
 訳者:梶山 あゆみ
 発行:紀伊國屋書店
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改めてみると、なんだかすごい表紙です。
楽しそうだけど、やっぱり命がけですよねぇ。


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