兵庫県加東市の青山医院の日記です!

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コロナワクチン接種後の血尿

2022年06月21日 | 病気

しとしと梅雨らしい雨が降っています。

暑さがちょっと和らいで、ほっとしています。

 

先日、クリニックに電話問い合わせがあった内容がわたしが知識が乏しく、検索をしてみました。

コロナワクチン接種をした後に、目に見える血尿(肉眼的血尿)があったが、今は目には見えないが、検査をしたら血尿を指摘されるという内容でした。

 

当院でワクチン接種をされた方ではないので、年齢や性別などは不明なのですが、腎臓内科やかかりつけの病院では相談をされたそうです。

ワクチン後の副反応は倦怠感・発熱・頭痛・腕の痛みなどが圧倒的に多く、また帯状疱疹などの免疫のバランスが崩れることでの疾患も副反応として起こるようですが、血尿のお話は初めてでした。

腎臓内科学会のホームページにはワクチン後の血尿に関して記載があり、昨年の夏には

『COVID-19ワクチンと肉眼的血尿の関連についての調査』に関しての報告も発表されています。

⇒PDFファイルです。

https://jsn.or.jp/medic/data/Questionnaire_results.pdf

 

陽性者は全例がファイザーのRNAワクチン接種者で、女性の方が多かったようです。年齢も40歳以下の若年が7割弱。

2回目のワクチン接種後に出現した例が約7割、1週間以内に改善した例が約8割とのことです。

すでにIgA腎症の診断がついていた方が7割、残りの3割は診断されていない方だったということです。

その後、自然軽快例がほとんどのようではありますが、尿所見の悪化も一過性で腎機能障害の進行には至っていないという内容でした。

 

血尿では膀胱に異常がないか、尿路系に問題がないか ということで泌尿器科を受診しがちですが、腎炎やIgA腎症などの血尿では泌尿器科ではなく腎臓内科での検査が必要になります。

何か月も続く、血尿などでは腎臓内科での精査を検討する方がよいのではないかと思います。

 

 

あいにく、当院では慢性腎臓病のフォローは可能ですが、急性の腎炎や腎疾患の診断を行うことはできません。

腎臓内科にご紹介することは可能ですので、心配事がありましたら一度ご相談ください。

今回の症例はお電話ではありましたが、大変勉強になりました。ありがとうございました。

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