怒りのお話の続きです。
怒った時に相手が折れたり、自分の思い通りになると、心は一種の達成感や快感を感じます。そして、怒りで問題解決することが習慣化すると、理性をつかさどる前頭葉の効果が弱まって、次第に怒りにブレーキをかけにくい状態になります。
交感神経が優位に働くようになって、興奮しやすくなると血圧が上がります。高血圧は血管に負担をかけますので、その他の生活習慣病にも結び付きやすくなります。
また、怒ってばかりの人は人間関係が変わってしまうかもしれませんね。怒ってばかりの人のそばに好んでいる人はいません。
一方、表面的には怒りを見せず、心の中に怒りを蓄積していく人もいます。こちらは怒りが発散できない状態が続くと、次第に無気力になったり、うつ状態につながる可能性もあります。
「怒りは感情の蓋」や「怒りは第二感情」という言葉を聞いたことがありますか?
どちらも真の感情は怒りの背後にあるという意味です。悲しさ・寂しさ・失望・不安・嫉妬や妬み そういった本当に感情を怒りという形で表現してしまうことが多くあるように思います。
怒ること自体は決して悪いことではないと思います。むしろ自然な心の動きです。
しかし上手に折り合いをつける選択肢があれば、無駄な怒りを感じなくて済むようになります。
イライラしたり、怒りそうになった時や怒ってしまった後に振り替える形でも以下のことを考えてみてください。
①自分の怒りに気が付いたら(私は今、怒っているようだ)と心の中でつぶやく。
⇒自分の怒りの頻度や傾向を客観的にとらえられるようになります。客観的 というのがポイントです。
②イライラしたとき、ムカッとした時にその理由を考えてみる。
⇒怒りの本当に理由がわかることで、裏にある自身の気持ち が分かり、今後に生かせるかもしれません。
〈例〉頼まれて買い物してきたのに、『結構高かったのね』と言われてイライラした。
⇒頼まれて買い物したのに、高いものを買ったと責められたようで悲しかった。そんな時は『せっかく買ってきたのに!!』と怒るよりは悲しく感じた気持ちを話すと、案外相手は値段の感想を言っただけで、攻めるつもりはなかったのかもしれません。
自分の怒りを丁寧に客観視してみること
怒る以外の選択肢を多く持つことで心が穏やかに素直になります。今よりずっとより豊かな毎日が過ごせると思いますよ。
参考になれば幸いです。私も日常生活の中では特に心がけたいと思います。