兵庫県加東市の青山医院の日記です!

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糖尿病治療の目標と目安について考える

2020年10月13日 | Weblog

最近、相談を受けた患者さんのことで気になることがあって、書いてみます。

 

当院と他院(総合病院)の両方にかかりつけている方です。

去年くらいから、血糖は随時で200㎎/dlいかないくらい

HbA1C6.3-6.6%くらい 79歳の女性です。

 

糖尿病治療に関して、当院で相談するように言われたと 去年のはじめてHbA1C6.4%だったかの時に相談を受けました。

目立った肥満があるわけでもないし、ちょっとおやつは食べるけれど、極端な制限をする必要もないし、ましては薬を内服するレベルではないと考えて、散歩程度の運動はしてね とお話ししてお帰りいただきました。

そんな相談が続くこと2-3回だったでしょうか。

総合病院の先生にはご満足いただけなかったようで、とうとう 4か月ほど前からDPP4阻害薬が始まりました。

2か月で再診し、HbA1C6.4→6.5%でほぼ変わらず。

食べるのを減らせと言われたようです。食事どうすればいい? と相談されました。

 

 

近年、特に糖尿病治療は個別化と個々の生活・ADLに応じた柔軟な対応が求められています。

食事療法における体重のコントロールやエネルギー摂取量に関しても、個々の状態に応じた設定が必要です。

 

総死亡率が最も低いBMIも年齢によって異なり、

目標体重:

65歳未満:(身長 m)²×22 kg

65-74歳:(身長 m)²×22~25 kg

75歳以上:(身長 m)²×22~25 kg 75歳以上の後期高齢者では減退中に基づいて、フレイル・基本的なADL・併発症・摂食状況などの評価を踏まえて適宜判断が必要

 

年齢が上がれば、活動性が下がってくる人が多く見受けられ、筋力低下を予防することが健康長生きのためには本当に大切です。

当院周辺では田んぼの時期などは特に皆さん外に出て体を動かしていますが、田舎の問題点としてどこに行くにも車移動が多くなります。意識的に体を動かす時間を作らないと一日数百歩しか歩かなかった~ 極端なことを言えば、100歩も歩かなかった~という人がいるかもしれません。

現時点の血糖管理が、長期的な意味でも短期的な意味でも上記患者さんのADL・病態に悪さをするとは思えません。

むしろ、極端な食事制限を行うことで筋力低下や生活の質を下げることのほうが問題だと思います。

 

私が考える糖尿病の治療の目的は数値を正常化させることではありません。

糖尿病や耐糖能異常があっても、糖尿病がない人と同じように健康寿命を保つこと 元気でいられることだと思います。

今一度、ほかの患者さんの治療に関してもしっかり見つめてみようと思う良い機会になりました。

 


 

 

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