リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

AIに取って代わられる仕事は機械的労働だけなのか?

2018-02-22 | 一般
将棋や囲碁といったゲームのみならず,さまざまな分野でAIが話題になっている.そしてAIによって仕事を奪われる人が出るという懸念も現実味を帯びてきている.だがかのビル・ゲイツ氏は楽観的なようで,「働き方の選択の幅が広がり,魅力のない職種は淘汰される.……機械的な労働がロボットに取って代わられることはたいしたことではない」と語っているそうだ(朝日新聞2018-2-20).
そうだろうか.先日は画像を見て道路が陥没しそうな箇所をみつけるのにAIが好成績を上げたという記事があった.その前にはやはり画像から腫瘍をみつけるAIが紹介された.AIで機械翻訳が高性能になったことも話題になった.道路や医療の「画像診断」や「翻訳」(特に産業翻訳).はたから見れば「機械的な労働」に見えるのかもしれないが,これまでは専門的な技量が必要とされていた分野ではないか.工場のオートメーションによる非熟練労働者の失業というのとは別の次元の問題が起こるのではないだろうか.
だが考えてみれば似たようなことはこれまでもあった.100年前の会社では大量の「コンピューター」(計算係)と呼ばれる人たちが大部屋で計算をしているような風景を映画で見たが,そうした職種は電卓の発達で人員が大幅に減ったことだろう.ここ2~30年では,パソコンや表計算ソフトの普及で同じようなことがあったはずだ.だが先日の新聞投書にもあったが,技術革新でなくなる仕事がある一方,そのおかげでそれまでになかった需要や仕事も発生する.AIの登場でも,また新たに人間が活躍する場が出てくるものと信じたい.

追記:野村総合研究所社長・此本臣吾氏の談話「高度な判断のいる仕事と労働の価値が比例していたが,揺らぎ始めている.難しい大学を出た知的労働者は給料が高いというのをAIが破壊しつつある」(朝日新聞2018-3-7)というほうが私の感覚に近い.氏は「昔,ロボットが普及したときも,大量失業時代が来るとささやかれたが,人間は新たな価値を見つけ,新しい仕事に移っていける」とも語っており,こちらも(半ば期待を込めて)同感だ.

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