プリンスエドワード島に「赤毛のアン」に登場するお菓子が食べられるお店があるのをご存知でしょうか。「赤毛のアン」のお料理本や生活辞典などの執筆でもおなじみ、テリー神川さんが営むBlue Winds Tea Roomです。
テリーさんのBlue Winds Tea Roomはニューロンドンにあるモンゴメリの生誕地に程近いクリントンという村にあります。ニュードミニオンのロケ先からお電話をすると、営業時間が終わっているにも関わらず、快くお店を開けて待っていて下さいました。
メープルやハニーサックルが茂り、花々が咲き乱れる素敵な前庭を通り抜け、小さな扉を開けると、ウッディな店内はハンドメイドのクラフトや本が飾られ、こじんまりとしたとても可愛い空間。決して和風ではないのに、隅々まで丁寧に作られ、心配りされた様が、日本に居るかのような懐かしさとほっとする感覚を覚えるお店です。
女二人でおじゃました私達。遅いお昼ご飯の後だったのですが、心躍るメニューの数々に刺激され、あのアンで有名なラズベリーコーディアルや季節物ブルーベリーパイ、そしてまだ行けるとばかりに、追加でお店の一押し、ニュームーンプディングまで頂いてしまいました。
ニュームーンプディングは、モンゴメリの日記に記されている有名なデザート。
モンゴメリのレシピをテリーさんが改良して出した所、今ではお店の一番人気メニューに。
レモンの香りが効いたパンプディングの上にたっぷりメレンゲで、一見、濃厚そうなのですが、意外にあっさりしていてペロリと行けてしまう魅惑的でちょっと恐い(笑)デザートです。
モンゴメリ日記(The Selected Journals of L.M.Mongomery volumeIII)によると、ニュームーンプディングは父方の親戚が住むパークコーナーに古くから伝わるレシピで、特別なイベントの時に出されたそうです。
自ら付けたニュームーン(新月)との命名が、いかにもモンゴメリですね。
Blue Winds Tea Roomのサイトに、テリーさんのレシピが掲載されています。
私も絶対作ろう!と意気込んでますが、いつになることやら...。
残念ながらティールーム自体は10月の感謝祭が終わって、来年春まで閉店。テリーさんは冬の間、ご主人とともにハンドクラフトに精を出されるそうです。
「赤毛のアン」好きが高じて、PEIに移り住み、ティールームを開いたのが20年前というテリーさん。PEIの自然と共に暮らす生活、憧れます。
来年、プリンスエドワード島を訪れる方は、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
Blue Winds Tea Room
住所:Box 8014 Kensington, PEI, C0B 1M0 CANADA
Report by Noriko Fujimoto