みっかぼうず。

ものぐさ&ぐ~たら三日坊主の、ドラマ・映画・本のオボエガキ&おりおりの記録。

今日の本 『ナイン・テイラーズ』。

2017-11-15 08:44:44 | 本・コミック


数日前に読み終わった。
タイトルは、故人(男性)を悼む9点鐘のこと。
(女性は6点鐘だそう。)
かなり印象的な作品だった。

教会の鐘を鳴らすのに『作法』というか方式、流儀があるのを初めて知った。
独特の語彙が多用されていて、最初は取っつき辛かった。
サブタイトルにも使われているので、意味がわかったら
もっと楽しめただろうに。

また、英国だからか、描かれた時代だからか、詩や聖書の引用が
いつもの海外小説にもまして多かった。
こちらも知識があれば、もっと味わい深かっただろう。
 

真っ暗闇の鐘の部屋で何か気配がする、
誰もいないのに、鐘が人であるかのように。
教会とともに暮らしてきた人たちにとって、
鐘という存在には、特別な「命」が宿っているようだ。

いつもモノの置き場所を忘れ、話し出すたびに脱線する教会の区長。
最終章での大決壊に瀕しての存在感。
その夫人とともに、地区の世話役であり、仲裁役であり、
規範であり、宗教の要である。
ある意味スーパーマンのよう。
また、住民たちも彼を尊敬し(煙たい時も)、頼り、
絶対の信頼を寄せて従っている。

時にその社会性が窮屈な場合もあるだろう。
でも、現在の社会では考えられない理想のリーダーだと思う。

シリーズものなので、別の作品を読むのが楽しみ。

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