木枯らしが吹かないうちに、釣りに行こう、と日並を選んで出航した(正しくは、釣友の船に同乗)。実は、その2週間ほど前にも出航したのだが、釣り歴30年のうち最大の大物(クロマグロ・推定100kg)が掛り、2時間余の格闘の末ハリスブレイクで終了したため、きょうは再挑戦だ。
マグロは、この頃、相模湾沖で頻繁に釣れているようだ。以前からクロマグロの仔(メジマグロ、1~4kg位)は、秋から初冬に釣れていたが、この頃はマグロというと、20、30kg前後がアベレージサイズのキハダやクロマグロ(本マグロ)を言うようになった。また、今年はブリもよく出ている、と。確かに昨今、魚屋ではカツヲよりブリのほうが安い。 マグロもブリも早朝にアジ・サバを釣り、それらを生き餌にした「泳がせ釣り」だ。船首に立ち、ルアーによるジグファイトは、若い人たちにお任せして、年寄は専ら「待ち」の姿勢。
先ずは前回の件から、
この日のアジサバは40cm程のモノばかりで生き餌にはやや大きい。が、これしか確保できなかったので仕方ない。しかし、大きな餌には大きな獲物が来る、と冗談を飛ばしていたが、ほどなく現実となった。 マグロは、先に釣友の竿に喰ってきた、が、あっという間に20号ハリス切れ。それを横目で見ていると程なく、自分の竿が、突如大きく曲がり リールから急速に8号(9号?)PEラインが音を立てて吐き出された、ハリスは30号。(多分同じサカナだろう)
水深35mで待っていたものが、100数十mも一気に潜られたところでやっと停止。すかさず電動リールの巻き上げスイッチを押すが、モーターは唸るばかりで巻けない。竿をあおってもいっこうに動かない。相手を休ませてはいけないと、PEラインを手でたぐり、じりじりと少しでも巻き始める。数十m巻き取ると再び猛然と走りだし、折角巻き取ったラインが出ていく。
巻き取り最中に突然走りだすと、PEラインが手袋の上から指に食い込む(指に火傷の痕が今でも残る)。しばらくは、これの繰り返し。50mほど彼方で、海面近くに浮上したとき(マグロはこっちを見ていた!)、波を透かして見えた茶色の魚体は幅広く、一瞬、カメか?と、いや尻尾が伸びた魚体は人間の身長より大きかった。
この間のやりとりで、船べりに固定されたロッドキーパーは2台とも台座からもぎ取られた。体重をかけて保守していたが、本気で潜られると支えきれないものだ。かような状態が2時間も続くと、少しは弱ってきたのか、10数mほどの水深で船まわりを引き回す動きになった。
船は洋上を数キロ漂流し、船底に潜られる都度、釣友が船の位置をずらしアシストしたりしてくれたが、結局、最後は船底でラインを擦られハリス切れに終わった・・・・
この顛末があってのち、もう冬の深場釣り(アコウ、アカムツ等)は行かないから、今年最後の 釣行となった次第。
さて、いつもの水深100mのアジ場で生き餌確保に入る。しかし、電動リールの電源コード端子の接触不良を治しているうちに気分が悪くなった、ぉ! 軽い船酔い。 調子が悪いながらも釣りを続行するが釣果も体調も思わしくない。アジサバの生き餌も数が出ないうちに、アジ場での早朝の食い気タイムが過ぎた。
で、沖へ向かう、マグロを求めて。
きょうは、トリ山もマグロ船も視界に見えないが、北風も波も日が高まるにつれて弱くなる。
が、竿は静止したまま。1,2度ほど生き餌がナニかに追われたのか、竿が弱く動く程度で音沙汰がない。眠気がくるので、横になる、意識の端は竿先にそそぐ。しかし、まったく異変はない。
コマセがあったので海面へ撒いてみる、シイラの群れが鮮やかな魚体を現わす。こうして漫然と時間が経過。やがて、マグロがかかる機会は年1回、とあきらめ、浅場へ移動することとする。
水深50m前後の根へ戻り、釣友はタイラバ、自分は慣れ親しんだオキアミ&コマセ釣りにとりかかり、ほっとした釣りをする。イトヨリ、ハナダイなどの型が見られた。イトヨリ42cmとクロムツ