
↑スーパーイムジン中間部の核心S字クラックへ向かうところ。11b
なんと3連休なのに全国的に雨! 先週は絶好の天気だったのに疲労と風邪でダウンしていた。 人生こんなものだよな。 それでも誰も止めようとは言い出さず、予定どおり小川山へ向う。私は瑞牆に行きたかったが、山の上で大雨に遭うのはありがたくないのでやめた。
いつものことだが、川上村は晴れていても、廻り目平はガスに覆われている。まあ昼まではなんとか持つだろう。 アップもなしでいきなりスーパーイムジンへ向うことにする。
『スーパーイムジン』 5.12b/c お殿様岩
1984年8月15日 池田功 初登。 ロープスケール20m NP+Bolt1 第2登 堀地清次 第3登 大岩純一 第4登 塩田伸弘 第5登 ジェリー・モファット(フラッシング) 第6登 クリス・ゴア 第7登 橋本覚
イムジン河 5.11dのダイレクトフィニッシュライン
主にフィンガークラック主体のルートであるが、必ずしもジャミングを必要とせず、フェースクライミングに終始する。 イムジン河から分かれるところからは次第に壁の傾斜がせりあがり、クラックが途切れる最後のボルトから上は100度に脹らんだフェースを乗り越し、マントルで這い上がる。 プロテクションは良好で、カムよりもナッツが有効。 しかしストレニュアスなため、ところどころランナウトを余儀なくされ、確実なセットが不可欠である。
↑イムジン河から分かれるところ。
まずはドッキーがリード。 先週イムジンを2撃したカレは危なげなく、上昇していく。 随所で長いレストを入れる、彼独特のリズムだ。 しかし上部のスーパー部分に入ると荒い呼吸が聞こえてくる。 最後のナッツから相当ランナウトしているが、プロテクションを取る余裕はなさそうだ。 ようやくボルトにヌンチャクをかけたとき、思わずそれを掴んでしまった。 まあそんなに簡単に登られたら困るよな。
上部のフェース部分は14クライマーでも、なかなか歯がたたないようだが、3回のトライの末ようやくトップアウト。 最後のマントルが返せずに堕ちると、相当に恐ろしい。
早くも空模様が怪しくなってきたので、回収を考えて、ロープを引き抜かずにトライすることにした。 私の番だ。 6年ぶりのイムジンは足捌きがバカになっており、テンションが入る。 ムーブを確認しながらスーパー部分へと突入。 この部分でドッキーは「レストできますよ。」と言ってたが、吸われるだけで一向に回復しない。 上部は岩も脆そうでプロテクションが心配である。 ナッツを効かせたら「ゴツゴツ」と音がした・・・
さてボルト上の核心部。 激悪の極小ホールドとスローパーしかない。何度もテンションしながらムーブを探る。 ドッキーの解読したムーブでようやくトップアウトしたが、最後のマントルはシビレルぜ! こんなの本当にできるのか???
U田さんがトライするころにはポツポツと降り出してきた。 15分もすると本格的な雷雨。 滝のような雨のなかあわてて撤収。 この後雨宿りしてクレイジージャムでもやろうかと思ったが、すでにクレージーも真っ黒であった。 キャンプ場にもどると皮肉にも雨が上がり、晴れ間が出てきた。濡れたものを大急ぎで乾かし、乾いていそうな岩場を求めて、15時に兄岩へ向う。 「アルパイン少女マミ」にトライするも核心で跳ね返されて、またもや本降りになってきたので撤収した。
今回は泊まりの仕度できたが、今夜から明日にかけて大雨の予報であり、明日も乾かないであろうことから今回はあきらめて帰る。
来週もスーパーイムジン。 シルクロードもやりたいが、そちらのパートナーはカリスマにご執心で終るまではこっちに集中しよう。
でも状況によっては使うよ。あまりに危険な場合。今回のように限られた時間で3人がトライすること、なおかつ雨の中の回収を考えてやりました。
理解してくれなくてもいいですが、私がスタイルとして絶対しないのはプリクリだけです。でもヒトがやることに文句はつけません。
アニマルさんには、チキンの俺には真似できないような、男気あるクライミングして欲しいですよ。