結局最初に見つけたのは、世界遺産に登録された萩町の町並みではなく、
川を挟んだ対岸に造られた「白川郷 自然民家園」というテーマパークであった。
昭和48年に集団離村した「加須良」集落の民家を移築し、保存しているものである。
↓は道の駅にあった「資料館」の建物。 合掌造りの模型が展示されていた。
↓民家園の佇まい。
この日の気温は34度。 冷涼な場所から来たわれわれには堪える暑さだ。
なんだか民家のモデルハウス展示場といった趣きである。
遠くにみえるのは白山の山並みだろうか。 山をこえればそこは富山、金沢などの北陸路である。 見渡す限り周囲は高い山に囲まれている。
合掌造り内部。 このように広い屋根裏部屋が3層構造となっていて、養蚕を営むのに最適な工場だったのだ。
しかし戦後海外の安い生糸に推されて、生糸の産出は衰退していく。
現金収入の道を立たれた村は次々と人が出て行った。
特に『加須良集落』は道のない村。 車は通れず、雪が降る半年は完全に孤立する。 櫛の歯を引くように村から人が去っていった。
空に向ってツンとそびえるこの屋根はどんな暮らしを眺めてきたのだろう。
水車小屋
これが世界遺産に登録された「萩町の景観」だそうです。 一応人も住んでいて、普通の生活も営まれていますが、メインストリートは土産物屋や宿泊施設など、完全に観光地化してしまって、静かな古きよき農村の佇まいは吹き飛んでしまっています。
そうした暮らしや村は荘川ダム建設とともに湖水に沈んで消えてしまったのでしょう。いまあるのはその抜け殻に色を塗って、ジオラマにしているだけといったら言い過ぎでしょうか。
いまは太平洋側からは高速が繋がっていませんが、今年中には白川郷まで開通するようで、そうなればさらに多くの観光客が押し寄せるのでしょう。
まあ我々もその一人だったのですが・・・