動物日記

動物についての、いろんなお話し

誘拐された可哀そうなイノシシさん(T_T)

2010年04月25日 | Weblog
土曜・日曜は休所日なのですが、電話問い合わせの多いこと・・・
仕入や放鳥獣のために外出していることがありますので、土曜・日曜・祝祭日は電話連絡をしてから傷病鳥獣を持ち込んでください

さて、昨日の話です。1本のがかかってきましたワラビ狩りに行ってイノシシの赤ちゃんを拾ったと・・・

よくよく話を聞いてみると、親が近くにいて威嚇してきたというのです。

拾ってからの時間は2~3時間経過しているとのことまあ、拾ったのではなく誘拐してからの時間なのですが

時間も経過しているので、どうしようもないという判断で鳥獣保護センターに持ち込んでもらうことになりました本当は対象外の鳥獣ですので受け取ってはいけないのですが、連れ帰ってしまったら町中に放すわけにもいかないので

それから、数分後またが鳴りました実は、その拾った(誘拐した)場所にはイノシシさんの巣(カイマ)があったと・・・
では、その場所に戻してくださいとお伝えしを切りました。
まあ、数時間しか経過していないし巣(カイマ)があったのなら、なんとかなるだろう・・とホッと胸をなでおろしました

ところが・・・
それから約2時間後に鳥獣保護センターにそのイノシシさんを連れてこられたのです
なんで?この時間の経過は何?なんで持ち込んだの?元の場所に返すって話したのに・・・頭の中はパニックでした

拾ってから(誘拐してから)4~5時間が経過しました。なんですぐに元の場所へ返さなかったのか?
話を聞いてみると、他にも兄弟がいたというのですだったら親は他の子も取られてはたまらんとその場所を離れている可能性が高くなってきました

なぜ、連れ帰ったのか?その理由は、「孫に見せたかったから。その後は自分で飼育するつもりだった」と・・・そんな人間の身勝手で子供を連れ去られたイノシシさんがかわいそうで・・・親と引き離された小さなイノシシさんがかわいそうで


なんて勝手なことをする人がいるのでしょう自分の子供を連れ去られたらどんな気持がするか、子育てをしたことのある人なら痛いほどわかるはずです

イノシシさんを飼育する?イノシシさんがどれだけ大きくなってどれだけの力を持っているかご存じなのでしょうか?また、感染症の心配だってあるのに・・・野生動物を甘く見てると怪我するのに・・・

ということで、恵まれないイノシシさんがやってきたわけです。
確かに可愛いですでも、この子にはかわいそうな過去ができてしまいました

昨日は、環境の変化もありミルクもほとんど飲んでくれませんでしたでも、今日になって少しずつですが哺乳瓶から飲んでくれていますただ、親の母乳ではなく、人工のミルクなのでお腹を壊したりすることも多く・・・今は下痢が心配ですブーブーとお腹が空くと鳴いています

さて、今回のケースは初めてでした親に威嚇されながらも誘拐してくるなんてことは今まで聞いたことがありませんでした。

巣を移動する途中に隠していた子供を見つけ、一人ぼっちや迷子と勘違いされて持ち込まれることは多かったのですが私たちは、今回学習をしました勘違いされて連れ去られるのは、その動物の習性を人間が知らないから・・・これを「自然界の誘拐」とするなら、故意に持ち帰られた今回のケースは 「人間界の誘拐」だと思います。

もう二度とこのような身勝手な誘拐はやめてほしいです早く親元に返してあれば、無事に育つ確率は高かったのに

イノシシさんを連れてきた人は「なんとか助けてあげてください」と言って帰られたそうですが、命の危険に自らが遭わせたということは理解されているのでしょうか?

いろんな批判もあるかもしれませんが、今回のケースは絶対に許せませんだって保護でもなんでもないし、一つの命を不幸に導いただけなのですから・・・
孫や子供に見せてあげたいなら、ビデオや写真におさめそれを何回も何回もみせてあげてください
勝手に連れて帰らないで





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