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雨飾りファームだより

日本百名山の雨飾山の麓から猫と金魚と農業と、田舎暮らしの日常を綴るブログ

オリンピック選手は国費で育ったわけではない。

2014-02-10 07:22:59 | 日記
 あるお方がツイッターでオリンピック選手は国費を使って出場しているのだから予選落ちしていい思い出になったとか楽しかったなどという発言はありえないとかいう発言をして物議をかもしています。

 この発言に対しては私は非常に違和感を覚えます。

 そもそも、各競技でトップ選手になるための過程。各競技の連盟の強化指定選手になれなければ公的機関からの援助はありません。海外遠征も自費です。例えば、うちの子どもたちはアルペンスキーをやっていますが、小学校から毎年20万円もするスキー板、10万のブーツ、7万の競技用スーツ、6万もするウエア…ワックスなど道具だけで40万も50万も掛かります。大きな大会に出るには競技者ポイントが必要です。それには大会に出場しなくてはなりません。これが2泊3日で参加料が8千円から1万円、宿泊費とリフト券が必要です。こんな大会をシーズン中にいくつも転戦します。1シーズンに100万以上のお金がかかるのです。全中、インターハイも当然自費です。

 さらに指定強化選手になれば多少の補助は出る可能性もありますが、海外遠征などでさらに出費がかさみます。

 大学を卒業しても就職もせずその道を選ぶことが出来るのは経済的に恵まれたごく一部の選手たちに限られます。なぜならば、オリンピックに出られなければもちろん、出たとしてもその後の生活保障は何もありません。多くの選手はこの時点で競技人生を終わりにします。

 そこまでしてやっとオリンピックに出場出来るのです。

 そこでメダルを取ったら国の名誉とすることが逆におかしいと思います。選手が国費の恩恵を受けているのは出場の時だけじゃないですか。

 もちろん、選手は多くの協力者があることを十分理解していますよ。でも、その中に目に見える形で国から援助が入っているとは正直今の自分は感じたことがないですね。

 ポイントレースに出るには大会が平日で部活動としてスキー部が無い学校だと学校は非協力的で欠席扱いで引率は親が、もちろん自腹での参加なのですが、本当に大変です。馴れない車での遠出、仕事を休めない父親に変わって母親が引率という私のような人も多いのです。

 選手はそもそもお金のためでも国のためでもない、自分自身の夢の為に自分自身の行ける限りの高い所に行ってみたいと思っているんです。

 

 メダルが取れないのは日本の選手育成の支援が足りないからに他ならないのです。選手の自助努力と民間の援助がオリンピアンを支えているのです。

 あの発言で多くの皆さんが選手が国費援助を受けてオリンピックに出場しているかのような誤解を与えてしまうことに危惧を感じます。

 そんなことを言われるようならば出場するくらいの旅費は自分で払いますよ。それまでの努力がやっと実ったんですから…。