あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第57話感想

2014-02-18 20:40:00 | 食戟のソーマ

 ジャンプ本誌で行われている「トレジャー新人漫画賞」では、2月から附田先生が「絶品!!食戟のレシピ!!」と題して漫画の指導と共にスペシャルインタビューを掲載。
 前回は、キャラを魅力的に描くために大切にしていることとして、「口調や喋り方」と答えておられた附田先生。
 創真だったら話し始める時に「やー・・・」と前置きする癖があったり、年輩の人相手でも平気で喋ったりといった特徴をつけていると。
 確かにこれにはなるほどと思わされました。
 「やー・・・」という口癖から創真の飄々とした人柄が、年輩者でも平気で話す点から立場など一切気にしない真っ直ぐな姿勢が感じ取られますものね。
 特に納得させられたのが、創真は一見失礼だけど実は相手を気遣う言葉選びが出来ているということ。
 
基本強気でどストレートな物言いをするだけに、相手を煽りがちな創真だけど、相手を否定したり傷つけたりする言葉は全然言わない子だなあ・・・とは常々感じていましたから。  
 
これと対極するのがえりな。
 お嬢様調の一見礼儀正しい言い方に見えて、その実はことある毎に見下し&否定&侮辱発言というね。
 恵の方言といい、喋り方にその人物のキャラクター性や背景を反映させるその手法には、納得と同時に改めて感心させられました。

 ちなみに前々回では、見せ場の作り方についてという質問に、「見せ場の前に期待を高めるような描写を入れる事」と答えておられた附田先生。
 激しいシーンならその直前に一瞬の静寂のシーンを、笑える場面ならその前に緊張感を高める演出を・・・といった具合に。

 そして、そんな附田先生の手法は今回の本編でも発揮されることに。

 さあ、それではいきましょう。



 週刊少年ジャンプ2014年11号掲載
 掲載順第6位
 第57話 【彼女の思い出】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回のセンターカラー4ページに続いて、今回もまさかのセンターカラー。

 どうしよう・・・。

 佐伯先生が死んじゃう…!!(←)
 
 
いえ、もう本気です。本気で言わせて頂きます。
 ここ最近の山ほどのカラーイラスト。恐ろしいまでの仕事量。
 真剣に佐伯先生の手&お体が壊れてしまうレベルに至ってしまってますよー!!(><|||)
 文句なんて絶対に言いません。
 ですから佐伯先生を休ませてあげてくださいジャンプ編集部!!!



 予選Bブロックもいよいよ大詰め。
 そんな中遂に明かされたアリスの料理は、カラーでお披露目。

 それはカレー料理とはまるで思えない、高級デザートのような品でした!

 
お馴染みのサービススマイルで審査を促すアリス。
 紛れもなく、この皿の全てがカレーだからと。

 
そして口にする審査員達。
 その反応はというと―――

 「「「「「・・・・・・・・・・。」」」」」

 完全に固まってしまいました。

 どうやらアリスの料理は、百戦錬磨の美食家達の理解を超える程の品だった模様です。

 どう形容したらいいか分からず言い淀む審査員達に代わって、アリスが料理の解説を。ほんと饒舌な子やな。
 中央の赤い物体はトマトのムースで、“アルギン酸ナトリウム”で固めた物とのこと。

 わお。
 スパイス、文献、酵母にチーズときて、遂に科学用語まで出てきてしまいましたね。
 科学が嫌いではない栗うさぎ。ここでも簡単にですが説明いたしましょう。(←てか、嫌いじゃないもの多すぎじゃね?栗うさぎさん)
 「アルギン酸ナトリウム」とは、主に海藻類に含まれている食物繊維の一つ。
 海藻類のヌルヌルやネバネバがそれにあたる。
 食品添加物や医薬品として用いられているが、端的に言うならば寒天のような性質を持つ物質である。

 円状にかけてあるカレーソースは泡状されていてほんのり温かく。
 そして多分、皿の端にある雫の形のものがフォアグラとターメリックを合わせたムース。 
 トマトのムースの上に乗ってある、中央の白い物体は6種のチーズとジャガイモのピューレ。これも急速冷凍したとのこと。
 アーチ状の飾りのようなものは、スパイスで風味が付けられたパイ生地。
 それを口にすることで、冷えた舌を休ませられると。これはすなわち、アイスクリームについているコーンのようなものですね。

 説明を聞く限りだと、どうやら「温度」がポイントになっている料理な模様。

 リアクションには戸惑うものの、肝心の味は相当美味しいとのこと。
 ただ、あまりの斬新さにカリスマ作家である安東でさえも、その美味しさを100%言い表すことが出来ず歯噛みしていました。
 あ~、そのもどかしさ何か分かります。
 私も超個人的な趣味でこうやって感想を書いていますが、「もっとこの感情を的確に表現出来る言葉が欲しい・・・!!」と、自分の語録の無さに憤ることがよくありますから。

 そんな安東が語れない美味しさを持つアリスの料理にざわめく観戦者達。
 「食べてみたいぃっ・・・!!」と言っている者もいるようですが・・・。
 ・・・・・・・・・・そうかあ~? 
 
 そんな料理の名前は、「thermal sense[サーマル・センス]」。
 それはスパイスを主軸に触感と温度を変幻自在に輝かせた、料理という分野そのものを革新する一皿でした!

 
そして注目の点数は・・・95点!!
 え~~~~~!?90後半いかず!?
 
アリスのことだから、98点ぐらいいくかもと予想していた私にとって、この点数は正直低く思えてしまいました。
 う~むむむ、こりゃ・・・、創真と葉山、アリスの点数を超えてくるかも・・・!

 新戸を抑え、堂々の暫定一位に躍り出たアリス。
 そんな彼女の得点配分は、全員が持ち点の20点満点にほとんど近い、19点×5人=95点といった分配でした。
 ということは、創真と葉山の審査では20点満点を出してくる審査員が現れそうですね。なつめが一番その可能性高そう。

 あと、どうやら新戸は作品内では秘書子というあだ名で呼ばれることになったようです(笑)。
 私はど~も馴染めないので、これからも新戸と呼ばせてもらいますが。


 ということで、北条とイサミで決選投票が行われることに。

 ん?

 観衆達はあの北条が4位争いをするなんて・・・!と、予想外の展開に驚いている模様。

 んんん?

 この展開に生徒達は驚いているようでしたが、来賓客は大熱戦を堪能できたことに満足していました。まさに大トリにふさわしかったと。

 をい!!!


 アンタら、誰かを忘れとらんかい!?!?


 「・・・・・あ・・・あのう わ 私のカレー・・・まだ・・・です・・・」

 ほれ見ぃ!!

 恵の存在忘れてんじゃねえよ(怒)!!

 おりえは吊るし切りをしていた子として恵を覚えていたようですが、許しがたいのは川島。
 なに心の中とはいえ、舌打ちしてんのさ(怒)!司会進行という立場なのに、選手である恵の存在を忘れるとは何事ですか!?

 
 熱気ある流れが止まってしまい、冷めてしまう会場の空気。
 ああ気まずい(汗)。

 恵って、勝負の流れにいまひとつ乗れない子ですよね(苦笑)。
 でも、好戦的なキャラが多い上にバトルメインな作風の中で、恵のそんなところは貴重な清涼剤にもなってるんだけども。(^^)


 と、突如立ち上がり恵に熱い声援を送り始める集団が!
 なにこれ恵のファンクラブ!?

 でもなんか厳ついおじさんばかり・・・(汗)。
 どうやら恵の知り合いのようですが、果たしてこの集団の正体は・・・?

 そんな声援を受けながら、恵が出した料理は「アンコウのどぶ汁カレー」!
 
カレーというより、カレー鍋といった感じの外見。
 おりえも気になっていた料理でしたが、果たしてそのお味は―――?

 

はふうぅ・・・


 おりえ、喜多、安東と、三人揃ってコタツでまったり。
 コタツにお茶、そしてミカン。
 これぞ日本の冬の風物詩。
 リアルタイムに丁度重なるだけに、読み手側からしてもとてもイメージしやすいですね。
 ああ、私もおこたに入りながらどぶ汁カレー食べたい・・・。

 染み渡るような、やみつきになる美味しさ。
 そんな恵の料理に喜多は、アリスの料理の後だから余計に人間味を感じる品だと感想を。
 その言葉に引っかかりを抱くアリス。
 おお!なんと!ここで意外な因縁が発生です!!


 
使用されている食材は、アンコウの他に、小菊南瓜、立川牛蒡、赤筋大根と、いずれも恵の地元の食材が用いられていました。

  • 小菊南瓜・・・手の平に収まる小ぶりのカボチャで、真上から見ると菊花に似ていることから、名前が付いたとされている。
             肉質は粘質で甘味は少なく淡白だが、煮崩れしにくく、味がしみこみやすいため日本料理には欠かせないカボチャとして扱われている。
             主な料理法として、煮物をはじめ、手頃な大きさと外観を活かし、中をくり抜いて容器として用いた詰め物料理などにも適している。
             旬は7月中旬頃~9月上旬頃まで。        
  • 立川牛蒡・・・日本に残っている唯一のアザミ葉の品種。そのことからアザミゴボウとも呼ばれている。
             栽培は容易で、肉質および香りが良く、ス入りもしにくいのだが収収量は少ない。
             旬は10月上旬~12月中旬。
  • 赤筋大根・・・白い表皮のところどころに紅色の横筋が入っている大根。
             耐寒力が強くて長期の貯蔵に耐えられる。ス入りが遅い。
             肉質が緻密で甘味に富み、煮物にしても煮くずれしにくい。漬物にも最適。
             旬は11月上旬~2月中旬まで。


 カレーの強さとそれらの野菜の持ち味が合わず、なかなか手こずったものの、アンコウの肝を使った「どぶ汁」なら野菜とカレー両方の持ち味を活かせることに気付いたと話す恵。
 苦労してでも地元の野菜を活かしたカレー料理を創ろうとしたのは、自分が生まれた土地の匂いまで感じてもらえるような品を作りたかったから。



 
恵の生まれ故郷。
 そこは東北地方の小さな港町。

 ささやかな料理旅館「荘恵園」。
 そこが恵の実家でした。
 荘恵園・・・。
 恵の荘園・・・か・・・。

 かつて恵が7歳くらいの頃。
 板前さんの引退によって、旅館の名物であったアンコウの吊るし切りの余興が存続の危機に。
 そんな事情を知った恵は、地元の漁師に吊るし切りを教えてもらうよう頼みます。
 
 ですが、漁場は調理場以上の「男の世界」。

 女、しかも小さい子供であった恵は、「出来るわけがない」と強く否定されてしまいます。
 それでも必死に頼み込み、なんとか教えてもらうことにはなったものの、漁師は一つの条件を出してきます。
 絶対に泣き言をこぼすなと。
 
そうして指導が始まりましたが、もともと恵の存在に否定的だったこともあり、非常に厳しいスパルタ指導でした。
 何度も怒声を浴びせられる恵。
 漁師も敢えて厳しく接し、恵を早いとこ追い出そうと考えていたのかもしれませんね・・・。
 ですが、漁師が諦めるよう促しても、恵は決して首を縦には振りませんでした。
 
痛かったろうに。
 辛かったろうに。
 手に傷を負いながら、泣きながら、でも決して泣き言は言わずに頑張り続けた恵。
 
そんな恵の姿に、次第に恵を見る漁師の目に変化が。
 やがて恵がやってくるのを待ちわび、温かく迎え入れてくれるように。
 そうして見事、恵は吊るし切りを習得したのでした。


 なるほど、会場に応援に来てくれた漁師一団はその時の人達だったのでしたか。
 このことにより、恵には漁師達との強固なパイプがあることが判明。
 ということは、これから後々、彼らの協力を介して恵が創真の助けとなる展開に繋がるかも・・・!
 単行本第3巻感想で述べさせてもらった、極星寮の面々についての考察。
 野菜や鶏卵など、ほとんどを自家生産している極星寮の面々ですが、あとお米と魚介類があればほぼ完璧なんだけどな~・・・と思っていたものですから。


 そうやって実家の旅館の手伝いをしていく中で、吊るし切りだけでなく料理の腕前も上げていった恵。
 中学に上がる頃には、村の大人は誰も敵わないほどの腕前に。
 
創真やえりなのように、専門的に教え込まれたわけでもなかっただろうに・・・、自然にそこまで成長するなんて。
 やはり恵のポテンシャルは相当なものですね。

 そんな恵の才能を感じ取り、恵の母は恵に遠月学園への入学を勧めます。
 あ。お母様ご存命でしたか(爆)。
 すみませんすみません!第5話冒頭等でお姿が見えなかったものですから・・・!!

 創真と同様に、将来は実家を継ごうと考えていた恵はこの提案に戸惑います。
 そんな恵に、恵の母は言うのでした。
 最終的に恵が実家で働くと決めるならそれでもいい。自分としても嬉しい。
 でもその前に。
 広い世界を見てきてほしいと。

 お母様、意見が合いますね。


 
 ここの恵の母の言葉は、単行本第3巻感想で私が創真に抱いた考えとほぼ同じで嬉しかったです。
 やはり親というものは、子供に広い世界を経験してもらいたいと願うものなのでしょうかね~。
 まあ、城一郎はその方法が唐突過ぎたけど。

 
「広い世界を見てきてほしい」と恵の母が述べたコマで写し出されていた中庭。
 何故か印象に残りました。




 採点へと入る審査員達。

 喜多17点―――
 安東18点―――

 順に下される点数。
 親身になって声援を送る漁師達に囲まれている恵。
 そんな恵の姿を、北条は自分と照らし合わせていました。
 自分も男だらけの世界の中で、紅一点という立場。
 そんな自分を快く思っていない男達を、力で黙らせるしかないと思っていました。
 だけど、恵は。 



 いよいよ、恵の点数が表示される時に。




 故郷を離れる時。
 漁師さんや家族ら地元の人達の期待と応援を受け、遠月へと旅立った恵。
 ですが、そこはエリート意識の強い、厳しい競争主義の世界でした。
 続く最低評価。
 押されてしまう、「落ちこぼれ」の烙印。

 心配をかけたくない。
 そんな気遣いから、母親や極星寮の仲間達の前では明るく振る舞う恵。
 そして。

 誰もいないところで
 一人
 涙を零していたのでした。




 表示された得点は―――

 88点。
 4位。

 田所恵、予選突破です。

 

 

 始まりは実家の中庭。

 小さな小さな“庭園”。

 そこから。

 大きな“恵の園”へ。



恵、本選出場決定、おめでとう。

 

 

 


 




 読んでいるうちに涙が浮かんでしまいました。
 「良回」なんて一言で表現するには失礼なほどの内容だったと思います。

 この作品は下手に奇をてらった展開を持ってこないのが感心させられます。
 そして、予想の範疇である展開を見せながらも、ぐっと読者の心を惹きこむ演出・構成が。
 先が読める展開だからこそ、作品の地力が問われる中、大変見事に魅せてくれました。
 やっぱりこの作品は凄い。本当の本当に。

 今回の話を読んだ後に第14話【恵の庭】と四宮編を読み返すと、また感慨深いものが。
 背景と共に掘り下げられた恵のキャラクター、それらをきちんと踏まえた上での今回の躍進。
 大変素晴らしかったです。



 そんな恵の出番の前にBブロック最大の強者であるアリスの料理が披露されておりましたが、これが互いの料理スタイルの違いをよりはっきりと明示させる効果を伴っていました。
 最新の科学技術と、非常に斬新なアイデアの粋ともいえるアリスの料理。
 そんな彼女の料理は確かに凄いと思います。
 もはや芸術品ともいえるほど。
 けど。
 食欲をそそるものではありませんね。
 私は食通でもありませんし、舌が肥えた人間でもありません。偉そうに言う資格なんて無いことは重々承知です。
 ですが、やはり私としては、料理というものは「美味しそう!」「食べたい!」と思えてナンボだと思うのです。
 アリスの料理は「芸術品」、それはすなわち「無機質な物」
 私にとって料理というものは「命と心に深く結びつくもの」。
 アリスの料理に足りないもの、それが恵の料理にはあると思っています。

 でもまさかアリスと恵の間に因縁が出来るとは全く想像だにしていなかっただけに、この伏線に、後々への展開への期待が非常に高まりました!!
 考えてみれば、創真とえりなとの因縁はもうとっくに出来上がっているわけで。
 創真の最良のパートナーになるであろう恵と、えりなの従姉妹であるアリス。
 そんな各々にできた因縁。
 ひょっとしたら後々、えりな&アリス(薙切家)VS創真&恵(極星寮)なんて対戦が行なわれたりして・・・!!(ワクワク)



 その一方で、予選敗退となってしまった北条。
 この結果を観衆達が非常に驚いていることから察するに、北条はかなりの実力者として有名だったようですね。
 ですが、彼女はこれからきっと、更に大きな成長を遂げることでしょう。
 
何故なら、“力”でなく“心”によって受け入れられている恵の姿を見て、これまでの自分のやり方を考え直せたから。
 自分を顧みることが出来る。そういう人物は大きく伸びます。
 
回は残念ながら対戦は叶いませんでしたが、北条はきっと気持ちのいい、良きライバルになってくれるに違いありません!
 機会を改めて恵と対戦する時が訪れるのを、楽しみに待っています!!

 



 そして。
 今回詳細が明かされた、恵の背景。


 恵の実家は旅館を経営していたのでしたか。
 旅館、そこは「おもてなし」の精神溢れる場所。
 恵の「ホスピタリティ」の才はこれによるものだったのですね。

 この回を読んで気付かされました。
 いえ、この回を読むまで気付けませんでした。
 「私なんか・・・」という自己否定の言葉は度々ありましたが、恵はこれまで弱音らしい弱音や泣き言を全くといっていいほど口にはしていなかったことに。
 
人一倍泣き虫さんなのに。
 それ以上に相手を気遣う、健気な子だから。
 本当に辛い時の涙だけは見せず、苦しい胸の内を誰にも吐露してこなかった恵。
 友人にも、家族にさえも。
 それを考えると、さすがに抱えきれなかったとはいえ、第22話で創真に自分の「負」の感情をぶつけたのはとても大きな事だったのではないのでしょうか。
 それは、えりなが創真の前では「女王」の姿でい続けられないように、恵もまた創真の前では“自分”を抑え込むことなく、ありのままの自分で接せられることに繋がっていくのでは。

 エリート揃いで、一般出身者は侮蔑視されがちな遠月学園の風潮。
 それによって、緊張→実力を発揮出来ない→低評価→周囲の非難→更なる劣等感と緊張という悪循環に陥っていた恵。
 退学寸前という窮地に立たされていたこともあって、失敗しないように、これまでずっとそれだけに意識を奪われていました。
 失っていた自信と、発揮できなかった自分の料理。
 それが、窮地から抜けだすことができ、遠月卒業生というスター・シェフ達から認められ。
 今こうして公の舞台に立ちながら、全力を発揮して自分の料理を創り上げられるようになりました。
 ほとんどの選手が自分の得意分野を前面にアピールした料理を出す中、恵も勿論得意分野ではあれども、それ以前に地元の良さを伝えたいという、“気持ち”を込めた料理を出していました。
 そういう、「勝負」とはまた違った次元で、自分の意志や主張を料理に込められるようになったのにも、彼女の成長を感じさせられましたね。


 本当に恵は順当に「成長」という階段を上って行ってるキャラクターだと思います。
 そしてそこには、常に創真の存在が。

 始めこそは偶然でありましたが、窮地から助け、悪循環を打破し、恵に最も必要だった「自信」と「勇気」を与えてくれた創真。
 ありがとう、創真。恵を救ってくれて。

 今回の予選突破はこれからの長い長い道のりの通過点の一つにすぎません。
 けれども。
 今回は言わせてください。
 これまでよく頑張ってきたね、恵。





 
実は今回、恵が本選出場を決めた際、述べたいと思っていたことが一つだけあったのでした。
 でも・・・。
 これは次回、もしくは次々回あたりに述べさせて頂きたいと思います。

 


 



 
 大波乱の幕引きとなった Bブロック予選。

 その一方で。

 葉山、そして、創真の審査がいよいよ始まろうとしていました。
 


 どうしましょ。


次回への期待値がとんでもないことになってます。
(ワクワクMAX)

 



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