あまぐりころころ

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『食戟のソーマ』第209話感想

2017-04-15 16:50:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2017年18号掲載
 掲載順第6位
 第209話 【落ちこぼれの生き方】

 

 

 

 

 創真VS寧々先輩のターンから、今度は一色先輩のターンへ。
 うん、やはりこの1stBOUTは個々の実力&背景判明に留まりそうですね。
 連帯食戟ならではの戦法「チームワーク」は2ndBOUT以降から披露されることでしょう。


 一色先輩達の勝負のお題は『うなぎ』!
 お~、うなぎですか。
 秋の選抜準決勝での黒木場のうなぎ料理を思い出しますね~。

 どうやらこの連帯食戟も、進級試験の時と同様に北海道の特産物がお題になっているようです。
 『蕎麦』も『うなぎ』も北海道が生産量(漁獲量)日本一ですし、どちらも秋から冬にかけてが旬という、作中の時期的にも丁度な食材ですから。





 で。

 問題の一色先輩の対戦相手はどんな奴かというと・・・

 

予想をブチ抜く当て馬キャラでした。



 あまりにも予想の斜め下、いや斜め上?すぎて口あんぐり。
 すげー・・・。あまりにも振り切れていて、いっそ清々しいよ☆


 っていうか。


 コイツって読切版のキャラじゃん!!

 あ~・・・、どうりで。
 ちょっと不思議に思ってたんですよね。ここ最近のブログの人気記事ランキングに単行本第1巻感想がよく入っていた事に。
 ようやくその理由がわかりました。それでか☆

 読切時は『ジュリオ・ロッシ・早乙女』という名前だったものの、再起用にあたって『白津樹利夫』と改名。
 ですがそれ以外は当時と全く変わらず、ゴツいわムサいわ煩いわの三重苦なキャラのままでした。



 そんな無意味に濃いキャラであるジュリオでしたが、一色先輩は完全に意識外だったというオチ。
 ま、当然でしょうけど。

 ちなみに同学年とのこと。
 全然そう見えないけど。


 ですがジュリオの方はかなり一色先輩を意識しており、やたらと突っかかってきます。
 そうかいそうかい、そんなに構って欲しいのかい。

 どんなに言われようが柳に風のれんに腕押しな一色先輩の態度に、どんどんムキになるばかりのジュリオ。
 は~煩い・・・。
 調理場で喋り過ぎる料理人は腕は信用ならねーってのは常識だぜ?

 そんなひたすらまくし立てるジュリオの口から、気になる言葉が。
 名家のおちこぼれ者・・・?


 それでも尚一色先輩は全く動じません。
 でしたが、ジュリオの冒涜発言が極星寮に及んだ途端---

 

 

 

「すこし 黙ろうか」

 

 

 

 

 


!?  

 

 

 

 

 あっという間なんてものじゃない。

 一瞬。

 マジ一瞬。
 黒木場の時も「早っ」と思わされましたが、その比ではありません。

 この漫画はオノマトペがやや多めの作風だと思います。
 だからこそ。
 尚更こういった無音のシーンに戦慄が走りますね。



 驚愕する面々でしたが、特に黒木場の衝撃は大きかった模様。
 魚介の扱いでは誰にも負けないという自負があったからこそ尚更でしょう。おまけに黒木場は日本の調理技術にもある程度精通していましたからね。
 井の中の蛙大海を知らず。
 黒木場もまた、究極の域まで極められた日本の調理技術というものを知らなかったわけです。
 確かに日本で料理というものは単なる調理としてではなく、古来から「神に捧げる儀式」として磨かれてきたという側面がありますからね。
 その究極的な技法の一つとして、身も内臓も削がれつつも、尚生きて水中を魚が泳ぐという話を聞いたことがあります。


 そんな一色先輩が手にしている包丁は、黒木場が使っていた鰻包丁とは何やら違う模様。
 調べてみたところ、その包丁は「京型鰻包丁」とのこと。
 ということは・・・!?

 

 

 


 

 

 一色先輩のファンの方はもう・・・、さぞ万感の思いだったことでしょう。
 なにせ創真との勝負から約四年。
 待ちに待ちに待った末、遂に本気の実力が披露されたのですから。
 今回の一色先輩の姿は、そんな長きに渡ったファンの待望に見事に応えてくれていましたね。
 ほんと天晴れです。

 そんなわけで、今回は一色先輩の格好良さと竜胆先輩の可愛さが全てを持っていってしまったかと。




 どう見ても噛ませキャラな白津樹利夫。
 そんなジュリオは一色先輩を料理人として心から尊敬しているものの、それ故に一色先輩がエリート街道から外れているのが許せない模様。
 ・・・それって・・・。
 薊の城一郎に対する感情にかなり似ていますよね。
 それを考えると、この勝負はひょっとしたら疑似城一郎と疑似薊の対立図と見ることもできるかもしれません。
 う~~~むっ。
 これは読切のネタキャラをかなり上手い具合にブラッシュアップしてくれたと言えるかも。

 加えて、領事館の食事番を代々担う家柄の出身というのも興味深いですね。
 料理を通した日本と世界の懸け橋という要素はこれからの展開における重要テーマと考えている私としては、これは見逃せませんでした。
 勝負の行方はもう明白ですけども、案外この闘いが終わった後もちらほら出番があるかもしれませんね。
 この作品は明らかなネタキャラでも意外と出番を設けられたりしていますから。
 小西先輩とか豪田林とか豪田林とか豪田林とか。(←)




 さて、今回遂に“本気の姿”が明かされた一色先輩ですが、私にとって『一色慧』というキャラクターはかなり創真と共通するファクターを多く持つ人物です。
 いつも笑顔でマイペース。
 飄々としており掴みにくい。
 良い人であることは確かだけど決して甘くみてはいけないところ等々。
 そして今回、またもう一つ似たところが明かされましたね。
 それは、普段は温厚なものの極星寮の仲間達を侮辱されることに関しては怒りを露わにする、ということ。
 それはまるで、創真が『ゆきひら』を侮辱された時と同じように。
 普段の飄々とした態度から周囲からはあまり本気と受け取られていなかったものの、やはり極星寮の仲間を大切に思う気持ちは本物だったというわけです。

 そんな風に創真とよく似た点がたくさん見つかる一色先輩ですが、創真と違うところも同時に描かれています。
 それが、自らの敗北を踏まえた未来も予測し、対策を考えていること。
 個人的に鬼門の章だった月饗祭編。
 あの展開に抱いた不満は多々ありますが、あの時の創真の姿勢に私が一番言及したかった点、それを一色先輩はきちんと覚悟しているんですよ。
 そこが流石だなあ・・・と。
 あの時の創真の姿勢に対する作中の指摘はいまだに出ていません。
 ですが、この言及点は「団体戦」というものが多発してくるであろうこれから先の展開において避けては通れない点です。
 これは数少ない創真の問題箇所であり成長箇所でもあるので、作中で再度それに照準が当たった時に改めて述べさせて貰いますね。


 何が言いたいかというと、やはり一色先輩はもっと尊敬するべき人物だということです。

 たとえ裸エプロン&ふんどしでも。

 



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