祝!!連載100回目突破!!
いや~~~「週刊少年ジャンプ」2012年52号にて、強烈なインパクトによるスタートから早二年。
遂にこの度、めでたく100回目を迎えることと相成りました!!
年末の多忙さに負け、かなり遅れてしまいましたが、記念としての感想&考察記事をUPしていきたいと思います。
私としては今回を含めて、「100」という三桁突入にちなんで3つほどUPできれば・・・と考えているのですが果たして(苦笑)。
それではいってみましょう。
まずは第一弾として、小説版『食戟のソーマ ~a la carte~ Ⅰ』の感想をば。
今年2月4日に発売されたこの小説版第一弾ですが、実を言いますとこれまで読む気があまり起きませんでした。
なぜならキャラクターが崩れてしまっていないかが非常に不安なため。
特に好きであればあるほど、そのキャラクターが私の中のイメージと少しでもずれるとかなりの嫌悪を抱いてしまうんですよ、私の場合。
うん、石頭ですよね。自覚してます(苦笑)。
そのため、小説であれアニメであれ、好きな漫画のメディアミックス化にはどちらかと言えば後ろ向きだったり。
そういうわけでこの小説版も、本当なら購入するつもりは無かったのです。
ですが、ちゃんと読んでもいないのに受け入れないのはあまりにも作者の方々に失礼ですし、番外編的内容であれ、『食戟のソーマ』という作品に登場する人物達をもっと理解していきたい。
そういう思いもあり、本編が100回目突破というひとつの節目を迎えるのに合わせて、この小説版を手に取った次第です。
では肝心の感想へといってみましょう。
ここでも単行本感想と同じく、前半は扉絵などに対する感想と、各章の内容に対するちょっとしたツッコミ(笑)を箇条書きで。
後半で各章と全体に対する総評を、といった構成で述べさせて頂きます。
≪扉絵≫
小説版ではありながらも、やはり扉絵や挿絵は読者の期待に応え、原作の作画を担当しておられる佐伯先生が描いてくれております。
そんな表紙絵は、今作でメインキャラとして挙げられている四宮小次郎、田所恵、タクミ・アルディーニが。
それにしても四宮がセンターだなんて・・・!!
ゲストキャラでありながらなんという優遇・・・!!
ですが実際、確かに四宮のストーリーが実質共にメインとなっておりました☆
各々が手にしているクロッシュ。(この「クロッシュ」っていう名称が分からなくて、寸前まで本気で「ドーム状の銀の蓋」と書こうとしていたのは秘密/爆)
その中にある、彼らの料理は果たして何なのか。
原作の読者なら、そんな期待を煽られそうなイラストとなっております。
・・・ところで・・・。
このイラスト、致命的な欠陥が一つだけあるのですが・・・!
実は今作は彼ら三人の他にメインとして挙げられていた人物が、もう一人いたという。
それは吉野悠姫!
何故表紙に描かれていなかったのでしょう?
お陰で私も、発売後しばらくたってから吉野のエピソードもあったことを知りました。
打ち合わせのミスなのか、それとも吉野の話は急遽追加されたものだったのか・・・どちらにせよ、吉野不憫なり。
≪裏表紙≫
そんな四宮メインな今作について、乾がブーイングを。
人気があるからでしょ☆(キッパリ)
本編第22話冒頭のシーンを使い回し上手く再利用しております(笑)。
≪附田先生&佐伯先生コメント≫
お二人とも、ノベライズ化にうひょうひょ(笑)。
ノベライズ化、おめでとうございます。(^^)
≪伊藤先生コメント≫
今回の小説を書いてくださった方、伊藤美智子先生。
普段はアニメのシナリオを書いているんだそうで。
来年のアニメ化の際も、この方がシナリオを書いてくださらないかな~。
≪特別付録≫
この小説版では、特別付録として折込ポスターが付随されています。
表は佐伯先生の描き下ろし♪
小説内の一場面である、修行先を探す中で昼食のパンを頬張る四宮の姿が。
仏頂面ですが、そのパンのお味は・・・。
そして裏は、どういうわけか『番外編 夏休みのエリナ』の扉絵で用いられた、調理服姿のえりなが。
今回は欠片も出番がないというのに何故???
・・・やっぱヒロインとしての精一杯の意地かしら?(←)
≪本編≫
【1.恵の旅】
- 冒頭から早速、本編の裏設定が。
恵のトランクにそんな背景があったとは。
これは要チェック。(φ(..)) - 本編でも私が思った点を的確にツッコんでくれた一色先輩に感謝。
恵ちゃんはナチュラルにイノセント(笑)。
そして気付かなかった創真くんもナチュラルにイノセント(笑)。 - 正統派爽やか少年創真くんと、非正統派爽やか先輩一色さん。
- ここでも恵の心のもやを払ってくれる創真。(^^)
- 高遠城址公園・・・「天下第一の桜」・・・行ってみたいかも。(←桜好き)
- 小説版でも原作でも立証。恵は方向音痴。
- 夕日に向かって叫ぶ。マンガのような青春の一場面(爆っ)。
- 牛の突進に恵ボーゼン。
逃げろよ!!!
私だけでなく、きっと創真もそうツッコむに違いない。 - ああ、お婆ちゃんからの花輪が・・・。(><。)
- 創真のレシピがここで登場とは☆
個人的には嬉しいけど、やっぱこのメニューは出来立てホカホカが一番だと思う。 - 牛肉の料理が出されて気まずくなるほど、畜牛の方はヤワではない。・・・多分。
【2.タクミの下町合戦】
- のっけからジ●リの名台詞を口にするイサミ。
- スカイツリー。私も職員旅行で行きました。下も眺めました。クラクラしました(爆)。
- だからタクミの気持ちが分からないでもない。
- 東京の名所に響き渡るタクミの雄叫び。
- アルディーニ兄弟の母親が時々来日していることが、この小説版で初判明。
果たして本編で登場する機会はあるのでしょうか? - 創真にメラメラなタクミ。
- タクミが創真の事を考えてることにすぐ気付くイサミ。
さすがは双子。
いや、タクミが分かりやすすぎるだけか(爆)。 - 食品サンプル。それは一種の芸術品☆
- 空想が創真の存在ひとつで妄想へと変わるタクミ(笑)。
- 創真の事を考えるのはいいけど、傍から見れば危ない人になっとる(大笑)。
- ほんとタクミを見てると飽きん。
- 二言目には文句なタクミ。こういうところがえりなと同じ。
- 貪欲に様々なことを吸収したいと考える、ひたすら料理に一途なタクミ。そういうところが創真と同じ。
- 「色眼鏡で拒絶するのも、幅の狭い考え方なのかもしれない」
そう自分で気付けるタクミは偉い子。(^^) - どっかのお嬢様に爪の垢飲ませてやりたい。
- 「おかえりなさい」と言われたら「ただいま」と返す。これは常識です。
恥じることは無いぞタクミ!!(真顔) - もはやタクミに同情。
- 東京の名所に響き渡るタクミの雄叫び(二度目)。
- 湯船から立ち上がる必要があったの???
- 日本文化を好いて、尊敬までしてくれてるタクミ達に対して本当に感謝するべきなのに、何いちゃもんつけてんねんこのオヤジは(怒)。
- ブンのおやじを見ていると、うちのおとんを思い出してしゃーない。
- タクミ、またもや妄想。もはや何度目かという。
- ほんとタクミの中の創真の存在の大きさは半端じゃない(嬉)。
- イサミ、何気にスゴ技披露。
- 結論:タクミは創真が大好き。(^^)
【3.失われたルセット】
- 創真と恵の事を思う四宮。
「若い二人の熱にあてられたのだろう」
ここだけ読むと、完全に創真と恵がカップルにしか思えん。 - 意外にも独り言キャラだった四宮。どこぞの創真大好き料理人を思わせるマヌケさ(爆)。
- そのマヌケさにさらに追い打ち。
- まあ、ここまでは軽く読み進んでいたのですが・・・。
- (><。)
- 「若いうちに苦労することは大切かもしれないが・・・誰かに助けてもらう経験をするのも、また大切なこと」
これ、今回最大の名台詞。 - 「少女になって、森の中を木イチゴ摘みに出かけているような―――」
これが小説でよかった。
もし漫画で表現されていたら、きっと[マジカル☆キャベツ]並みの威力になってたに違いない(爆)。 - やっぱ水原とより乾との方が四宮は仲良さげ。
【4.静かなる極星寮】
- 元気さがウリの吉野も、落ち込む時は勿論あるというわけで。
- 子守唄でないだけマシ。
- なんとなく察してたけど、やっぱふみ緒さんはお料理上手でしたか。
- だがしかし。
女子力以上に地獄耳と遠投力の方が異常でした(汗)。 - 気になる伊武崎の前髪へのこだわり。
- 巧みに 【恵の旅】とリンク☆
- 「いただいた命は、次に繋いでいかなくては。」
ごもっとも!!
ここのくだりは、読んでて素直に賛同&尊敬させられました。
吉野立派!! - 創真や恵なら・・・と考える吉野。
吉野~~~?それは 思・い・込・み。
創真や恵だって懸命に考えて試行錯誤しながら「答え」を探っているのですよ? - 「シめてやる」→「マジ天使」
この変わり身の早さ。(^^;A) - 総合的な力を持っているからこそできることもあれば、専門的な知識をもっているからこそ分かることもある。
つまりどっちも必要。(^^) - オチはお約束の丸井で(笑)。
【番外編 『マジカル☆キャベツ』】
- アホ炸裂。
<恵編>
恵のお話は、要約すれば「『わらしべ長者』的恵の一人旅」。
本編でも描かれていた「郷土料理研究会」の合宿が、実は結構な冒険旅行だったというお話(苦笑)。
内容としては勝負や対決等の無い、全ストーリーの中で一番起承転結の少ないお話でしたね。
でもその緊張感の少ないゆったりした展開が、逆に恵の雰囲気とよく合っていたと思います。
「郷土食研究会」に所属しているという恵の設定。
当初は地方出身だからかと安直に捉えていましたが、その理由をここで掘り下げてくれたのはかなり意義深く感じました。
なかなか自分の目的に辿り着けないながらも、目の前にいる困った人を助けることを優先する恵。
そんなスローペースながらも、「今あるものの貴さ」をちゃんと見い出せる恵の姿は、とても彼女らしいと思いました。
こういう所が恵の良い所であり、創真と似ている所。
創真も誰に対しても平等に接し、目の前の状況を柔軟に楽しむ子ですからね。(^^)
その土地に根差した料理である「郷土料理」を知ろうとし、その土地の人々と温かい交流を交わしながら、その土地の風景や空気を堪能した今回の旅。
恵の“大地性”を理解するうえでなかなか良いストーリーだったのではないでしょうか。
<タクミ編>
タクミのお話は、イサミと一緒に東京観光をした際に成り行きでもんじゃ対決をすることになる、といったストーリー。
全ストーリーの中で、タクミのキャラクターが一番原作のイメージ通りだったと思います。
話の内容とも相まって、このお話は全作品中最も楽しみながら読めました♪
このお話で特に私が印象的だったのが、タクミの日本観。
―――食に対しての好奇心や飽くなき探求心、自分の国の料理を一番と思わず、様々な国の料理を受け入れながら、自分達のものにしている―――
日本のそんな懐の深い所が好きだと言うタクミ。
これは恵の「郷土料理研究会に所属」という設定と同様に、タクミのキャラクター性を大きく掘り下げてくれた場面でしたね。
タクミ(&イサミ)が日本食とイタリアンを融合させた料理を作ってくるのは、単に二人が日本人とイタリア人のハーフだからという理由だけではなく、しっかりした己の価値観や美意識に沿ったものだったというのにはいたく感心させられました。
彼らが日本の姿勢をそう捉えてくれていたことも純に嬉しかったです。(^^)
「定番」という固定観念に対して、「融合」という、隔たりを超えた料理で勝負したタクミ達。
お互いの信念や価値観を上手く料理に絡めて描写してくれたなあ~と思います。
そして。
タクミが好きだと思う、この日本のスタンス。
それはまさに創真の姿勢そのもの。
確固とした誇りを持っていながらも自分の料理を一番とは考えず、様々な分野の優れた点を素直に認め、より己の料理を向上するべくそこから常に学ぼうとするという。
それが創真の、料理に対する姿勢。
このお話で、創真は日本の料理スタイルの象徴的存在だということに気付かされました。
いや~本当にこのエピソードは大きな収穫でした。
だからタクミはあれほど創真に入れ込むのですね(笑)。
<四宮編>
このお話はフランスに戻った現在の四宮が、初めてフランスに降り立った頃の自分と、そんな自分を助けてくれた恩人との過去を思い出すといった内容。
私から見て、このお話が一番『食戟のソーマ』という作品を表現できていたように感じます。
まあ、若かりし頃の四宮のキャラクターは少々意外な部分もありましたが(あんなに高いテンションだった時期もあったのね/笑)、熱く真っ直ぐな姿勢や喫食時のリアクション表現など、原作の作風が最も組み込まれているように思えました。
このお話を読んで感じたことは、とにかく四宮というキャラは社会人からしてみれば非常に共感できる人物だという事ですね。
私も既に経験しているからこそ言えることですが、社会というものはこれまでの「自分のやり方」が通用しない、想像以上に厳しい世界です。
しかも四宮は国外という完全にアウェイな世界に身を置いているため、尚更。
これまでに培ってきた実力と自信。
それだけを頼りに、過酷な境遇に耐えてきた四宮。
見かけによらず、人の何倍も苦労している。
それが『四宮小次郎』というキャラクターを深くしているのだと思います。
原作でも彼の苦労に満ちた過去には非常に共感させられましたが、今作でもその共感性は健在でした。
だからこそ、エルベの親切が非常に心に染みたわけで。(><。)
辛い状況にいるほど、人の優しさや理解が心に響くのですよね・・・。ほんと分かります。
エルベの料理を食べた時の四宮の描写は、原作第26話のオマージュとみてまず間違いないでしょう。
冒頭で四宮は創真に昔の自分自身を重ねていたと述べられていますが、その理由は最後まで読むと納得できる作りになっています。
恩(仲間意識)だけでなく、料理人として失うべきではない。
エルベを助けようとする昔の自分の姿が、恵を助けようとする創真の姿と重なったわけですね。
そんな過去の回想が中心となっていたお話でしたが、私としてはラストシーンが一番好きです。
“これまでの四宮”から、“これからの四宮”へ。それが想像出来る最後の場面。
きっともう、四宮は大丈夫ですね。(^^)
<吉野編>
一色先輩からとある問題を出され、伊武崎や榊と一緒に試行錯誤して「答え」を探す。それが吉野のストーリーとなってます。
これまでの三人と違って、本編では出番こそあれどメインとして描かれたことはこれまで無かった吉野。
それだけに、このエピソードは彼女を知る良い機会でもありました。
このエピソードは表向きには一色先輩からの問題に挑む吉野らの姿が描かれていますが、実際は合宿編をきっかけに急成長していく恵に対する吉野の複雑な心境を、彼女がどう整理していったかが主題として描かれています。
元気で活発、泣くにしても怒るにしても明るくギャグチックという吉野のイメージ。
ですが、この小説版ではそんな彼女のシリアスな部分が。
恵に対する吉野の思いは、嫉妬よりも寂しさの方が勝っていると思いますね。
支えているつもりが、実は自分が支えられていたという。
本編でもよく自分からスキンシップを取ってくる様子からなんとなく感じ取ってはいましたが、吉野は結構甘えんぼさんだと思います。
だからこそ、友達思いでもあるわけですが。(^^)
愚痴をこぼしたり息抜きを望んだりなど、全キャラクター中でもかなり人間臭いキャラといえる吉野。
ですが、かといって自分勝手な子では無いんですよね。ちゃんと周囲の空気を読む配慮も持ち合わせているという。
真面目でストイックなキャラがほとんどな中、喜怒哀楽を素直に表し、程よい不平不満を口にできる吉野は、恵とはまた違った方向性で場の空気を和ませてくれる大切な存在だと思います。
本編ではいまだに大きな活躍は見られない吉野ですが、彼女も創真達極星勢の大事な仲間の一人。
彼女ならではのこれからの活躍に期待していきましょう。
<マジカル☆キャベツ>
もはや伝説的リアクションである[マジカル☆キャベツ]が、ショートストーリーとして上記のストーリーの合間に掲載。
も、はっちゃけすぎ(爆笑)。
もはや「考えるな!感じろ!」といったカンジ。
無駄に詳細なキャスト&スタッフだの、タマネギ魔人だの、水中メガネだの、しなびた大根怪物だの・・・。
ですがやっぱり極めつけはピンクなアニキ。
ま~~~とにかく笑わせて頂きました。
キャラ崩壊もここまでぶっ飛ぶと、いっそ清々しいのだという事を知った次第です。
創真といい、一色先輩といい、「我が道を行く人」ってやっぱ最強だね・・・(遠い目)。
ちなみにこの小説版には各ストーリー一話につき一枚挿絵が入っているのですが、この[マジカル☆キャベツ]は4編に区切られており、その分挿絵も4枚+αと、他に比べて優遇された形になっています。
佐伯先生、かなり楽しんで描いてくださったようですね。
特にキャベツピンクは(大苦笑)。
<総評>
今回の小説版はいずれのお話も6月の同時期、本編における「唐揚げ編」のサイドストーリーとして描かれています。
そのため本編の主人公である創真は最初の2ページにしか登場せず、あとは全く出番がありません。(シクシク)
ですがその分、今回メインになっていたキャラクター達の描写はなかなか充実しておりました。
それに本人の出番こそはほとんど無かったものの、メインキャラ達の創真に対する思いは想像以上に描かれており、その点は大変嬉しかったです。
創真愛されてるな~(笑)。
小説自体の印象はというと、とても読み易く、読んでて脳裏にその光景が実際に浮かび上がってくるよう。
これは私が小説を読むうえで最も重要視している点でもあったので、この時点で既に好感触☆
それぞれのキャラクター描写も、心配していたよりは違和感はありませんでした。
この作品全体を通して描かれていたのは、それぞれの「料理人」としての誇り。
誰かのために―――食べてくれる人の幸せを望む者として。
自分らしいものを―――国境という“隔たり”を超えた料理を目指す者として。
やってやる―――夢に向かって常に真っ直ぐ挑み続ける者として。
追いつきたい―――特定の専門分野を持つ者として。
メインキャラそれぞれの考えがストーリーや料理と上手く関連して述べられており、期待以上にそれぞれのキャラクターを知ることができました!
本編とのリンクもかなり絶妙に組み込まれてましたね。
各所で、「あ、こういうところ創真と似てる」「あ~えりなみたいだ」「ここは恵のおにぎりの事を示してるのだろうな」といった、本編との繋がりを感じさせる部分が至る所に。
本編では明かされていなかった裏設定もかなり用いられてましたが、この小説版で判明した事がそのうち本編の方に逆採用される時があるかもしれませんね。
ちなみに、これは思いっきり私の推察ですが・・・。
恵・タクミ・四宮のエピソードは完全に小説用として作られたものでしょうが、吉野のエピソードは、ひょっとしたら附田先生が本編に用いようとしていたネタだったのではないでしょうか?
何故そう思ったのかというと、吉野のエピソードだけ、他のエピソードと比べると少々異質なのですよ。
他のエピソードは「それぞれが作った料理」が問題解決のカギになっていますが、吉野の場合は「これまでの自分の経験」が「答え」を見つけ出すカギになってるんですよね。
なんとなくなのですが、こういった展開は小説よりもむしろ本編の方で扱われそうな気がしたのです。
「味覚」がポイントとなっていた、一色先輩から出された問題。
それを、附田先生は創真や恵に与えようとしていたのでは。
でも。
まだ創真の「味覚」について照準を当てる時期ではない。
そう附田先生は判断して、この案を小説の方に回し、代わりに吉野ら極星陣に担ってもらったのではないかと。
まあ、これも本編感想でたびたび述べているように、創真の味覚のポテンシャルはえりなに匹敵しうると私が考えているからですが。
各キャラクター描写やストーリーだけでなく、登場した料理についてもやはり丁寧に描写されていました。
それぞれの分野が結構詳細に述べられており、良い勉強に。
それらについて色々と取材し、考えを練ってくださった伊藤先生に感謝です!(^^)
ただ、気になった点も少し。
各キャラクターの心理描写自体に違和感は無かったのですが、セリフの方に時々違和感を感じる箇所が幾つか見受けられました。
「ん?タクミはこういう言い方はしないんじゃないかな?」というような。
附田先生はキャラの「言葉」には常に留意してくださっている方ですので、小説版でもそこはもう少し気を配ってもらいたかったですね。
あと、普段聞かない料理名や地域名(シブレット、コンフィ、ロケット、ローヌアルプ等)が多く用いられていたので、注釈として説明があると良かったかも。
なんにせよ、思っていた以上に楽しめ、色々と収穫のあった小説版でした。
どうもご馳走様でした!
最後に一言。
皆さん叫びすぎ(大笑)。