拝啓、Bovensiepen様。

November of 2004, It was love at first sight...

2年半ぶりの東北ツーリング。(前編)

2012-04-03 22:48:23 | Touring Report
皆さん、こんばんは。

ダラダラしているとちっともblog書く気が起こらないので、ボチボチ書いていこうと思います。(笑)
書くネタがないことをいいことに放置してたら、すっかり遅筆になってしまいました。いかんいかん。
そんなわけで今回は、初日分をお送り致します。

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3月末の木曜日。
朝5時半に起き出した私と友人Yは、寒さと眠気を缶コーヒーで覚ましながらクルマへと乗り込んだ。
前日、宿に周辺の状況を問い合わせてみたのだが、もうすぐ桜の季節とはいえ、東北の内陸部は雪が残っているらしい。
加えて、震災後の影響による道路の状態が分からない。
そんな事情もあり、今回はYのアクセラを出してもらうことになった。
ゴルフと同じ位のサイズだが、2人で行く2泊3日程度の旅行であれば全く問題ない。

休日のツーリングとは異なり、出発は平日。
しかし、首都高の通勤渋滞を避けるべく早起きは欠かせない。
ガラ空きでもないが、それほど走りづらくもない高速道路を淡々と走っていく。
初日のゴールは仙台、白石である。

途中2度ほど休憩を取りつつ、助手席でウトウトしているうちに東北道である。
福島県はそれほどでもないのだが、宮城県に入った途端路面の「うねり」やフェンスの一部が倒壊したままなのに気付く。
やはり思ったより震災の影響はあったようだ。
1年を経過した今でも、被害の大きさを想起させる。
この記事を書いている4月には終了したのだが、震災後の復興という目的で3月一杯までは、東北地方の有料道路はほぼ無料であった。
現地の観光はむしろこれからなのだから、他の財源を多少削ってでももう一年くらいは続けても良かったのではないだろうか。
下らない政策するくらいなら、そのほうがよっぽど地元のためになるのではないかと、つい愚考してしまった。。

私達はそのまま順調に走り、日差しが眩しくなる頃には最初の目的地に到着した。
日本三景の一つ、松島である。
流石に遊覧船乗り場や観光協会周辺は、観光客へのイメージもあるのだろう。
他に優先して綺麗に片付けられており、もはや惨状は跡形もなかった。
しかし、少し離れるとアスファルトが捲れていたり、縁石がくの字になっていたり、街路樹が地盤ごと傾いていたりする。
立ち寄った公園は地盤沈下が激しく、未だに海水が引いていない。


その落差は光と影のようで、複雑な気持ちになった。

やや肌寒い風にコートのボタンを留めて、大高森展望台への山道を登った。

宝くじ事業で作られたと書いてある景観ポイントで見渡すと、なるほど確かに絶景である。
視界が開けているので気持ちが良い。
天候に恵まれて幸運であった。
海に向かって軽く手を合わせて黙祷し、下りる事とする。


街場に戻ると船が11時に出ると聞いたので、私達は島を巡る遊覧船「仁王丸」に乗船することにした。
航行時間は50分とたっぷりである。

私は船が性に合うようだ。
振り返ってみると、乗れる機会さえあれば、ほとんど観光船や遊覧船に乗っている。
海風に当たりながら、見るともなしに周りの風景を見るのが好きなのである。
ただ、今回は勝手が違った。
ある程度海の上を走った後、船内で「かっぱエビせん」を販売するのだ。
そう、鴎に与えるのである。
数十の鴎が投げられる餌を空中で器用に姿勢や滑空速度を変えて捕らえる様は、なかなかに楽しい。
猫に似たその鳴き声は、まるで「さあ、投げてみろ」と言われているようで変な対抗心を燃やしてしまった。
ちなみに、どんなに工夫して投げてもあっけなく全てキャッチされた。
彼らの身体能力は、完全に私などの及ぶところではなかったのである。
島を見に行ったはずなのに鴎と遊んでしまったため、なんだか良く分からない船遊びであったが、料金以上に楽しんだと思う。


戻ってくると丁度12時。
船を降りて、近くの食堂で昼食にすることとした。
明らかに観光客相手の店が犇いている。
知り合いの紹介でもなければ普段は絶対にこの手の店を利用しないが、今回は敢えてその中の一軒に世話になることにした。
入り口で客引きをやっているおばちゃんの熱心さと、サービスで付けるという牡蠣を私は食えないと言うと、その分値段でサービスするからと食い下がられたからで、要するに根負けしたのである。
大盛りもサービスと言われたが、今日泊まる宿の晩飯の量が多いことは知っているので、こちらは遠慮させてもらった。
私はウニ丼、友人は牡蠣丼を注文。
運ばれてきた料理は決して想像を超えるものではなかったが、ボラれているわけでは決してなく、つまり真っ当なものだ。
心なしか素材の味が良く感じられたのは、松島の風景が見せるプラシーボなのかどうかは私にも定かではない。。


昼食後、腹ごなしを兼ねて福浦島へと渡ってみる事にした。
通行料を払い、250Mあるという朱塗りの橋を渡る。
県立自然公園に指定されているだけあって、程よく整備されている。
子供の頃に来ていたなら、間違いなく走り回って探検ごっこでもしていただろう。
断崖に無理矢理付けられたロープで浜に下りると、何故かロビンソン・クルーソーを思い出した。

島で小一時間歩き回った後は、土産屋でしこたま買い物に勤しむ。
牛タン、手焼き煎餅、地酒と選ぶのに迷うほどだが、やはり萩の月は外せない・・・銘菓に恥じないと思う。



それでも、まだ宿までのチェック・インまでには少し時間があったので、すぐ側の瑞巌寺に立ち寄った。


瑞巌寺は伊達政宗の菩提寺である。
鰻塚を見ながら静謐な雰囲気のある参道を歩いていく。

私は敬虔な仏教徒には程遠い俗人だが、こういった場所に来ると、どことなく落ち着く。
このまま、時間いっぱい見て回ることとした。

暫し後、アクセラの荷室に買い込んだ土産物を放り込み、宿へ向かう。
世話になるのは「木村屋」、前回のツーリングでも初日に泊まった旅館である。
私はこの鎌先温泉を「秘湯を守る会」というサイトで知って訪れてみたのだが、実に良かった。
ここは老舗旅館の一つで施設や部屋はそれなりだが、何と言っても湯が良い。
濁った泉質が私に良く馴染むのである。
ぬめり感の強い、温めの湯に浸かり一息つくと何とも言えない気持ちになる。
そして米が美味い。
ここでは米は櫃で出されるのではなく、一人用の小さな釜で蝋に火をつけて炊くのだが、15分程で丁度良い粘り気の甘い米が出来上がる。
友人が私の顔を見て笑った。
そう、私は感情が表情に出やすい性質なのである。
加えて、この日は月末のサービスデーであったらしく、メインがすき焼きであった。



これで9,000円しないのだから、最早何も言うことはない。
後は二度目の風呂に入り、ビールを飲み、青い畳で寝るだけである。
明日の朝、もう一度露天風呂に入ろうなどと考えていると、瞼が落ちてきた。

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4 コメント

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まいう~ (ちこ)
2012-04-04 21:44:59
・・・な気分にさせてくれる写真をどうも。
パソコン殴りそうになりましたけれどもね!

震災はむごかった。
今でもむごい現実をつきつけられている人々に
どう私たちも向き合っていくべきか、考えさせられますね。


そうそう、自分もかっぱえびせん投げやりましたよ。
指まで喰らいつかれて中盤くらいから半ばやけくそに投げたという記憶があります。

貴殿がとても楽しそうで良かった。
そうそう、ずっと前に紹介した親友が、
結婚することになりました。
ヤッホー。
Unknown (葉っぱぱ)
2012-04-04 22:29:29
良い旅行記ですね。
読んでいると何処かへ出かけたくなりますね^^

こうやってみると東北素晴らしいところですね。
おや! (tom)
2012-04-05 19:26:11
ちこさん、こんばんは。

なかなか稚拙な分とヘボい写真の腕じゃ良さが伝わらないと思うけれども、楽しんでもらえれば嬉しいな。
そうですか、パソコン殴りそうになりましたか・・・。
次回はやりたい放題の内容になっているので、いささか反応が恐ろしくもあります。
クレーム電話をかけてこないでくれと、予め断っておきます。(笑)

記事には載せていないけれども、裏松島のほうは結構無残な有様が残っていて、ニュースで見た光景もあった。
まだまだこれからで、失ったものは計り知れないけれども・・・それでも立ち直って欲しいと心から思っているよ。

さて、最後におめでたい出来事が。
君の親友となれば、俺も自分のことのように嬉しく思う。
俺の分まで盛大に祝福してあげてくれよな・・・って、そんなの言うまでもないか。(笑)

ではでは、よかったら最後までお付き合いの程。
成功? (tom)
2012-04-05 19:38:41
葉っぱぱさん、こんばんは。

これはどうも、ありがとうございます。
「俺もどこかに行きたいなぁ」と思ってもらえるなんて、ブロガーとしてこれほど嬉しいことはありません。
そう思ってもらえたなら、是非その気持ちが冷めないうちに近場でもいいので出かけてみて下さい。
まあ、欲を言えばロングツーリングですけどね。(笑)

東北が素晴らしいのは私なんぞが言うまでもありませんが、これまで訪れたところにも思わず唸ってしまう景色や食べ物がありました。
つくづく、旅はいいものだと思います。(頷)