拝啓、Bovensiepen様。

November of 2004, It was love at first sight...

2年半ぶりの東北ツーリング。(後編)

2012-04-18 16:50:41 | Touring Report
皆さん、こんにちは。

一気に書かないから、いつものように大分遅れました。
最終日の模様をお送り致します。

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朝、目が覚めた。
気のせいか、豪勢な夕食の味が舌に残っているような気がする。
20代も前半までは、食べ終わった瞬間に食べたいものを考えていたものだが。
30も過ぎるとその回数も減ってくる。
楽しみ方も変わってくるものなのだ。

花粉症のクスリを飲んだせいか気だるい。
朝食まで時間があったので、ハッキリしない頭を覚醒させるべく大浴場に行ってみた。
日替わりなのであろう、昨日は女風呂の暖簾が下がっていた奥の扉を開ける。
内湯は私にはやや熱いというのは昨日の時点で学習していたので、掛け湯をして露天風呂へ。
なるほど、昨日は木で出来ていた露天風呂は、御影石作りに変わっていた。
前方は山と川しかないので、こちらも柵は高過ぎずロケーションは良い。
幾度か上がったり浸かったりを繰り返して風呂を出た。

さて、朝食である。

夕食時に献立の記載された宿にはこれまで何度も泊まってきたのだが、朝は流石に見たことがなかった。
地元産の食材の説明がつらつらと書いてある。
ご飯に良く合う珍味は、白米との相性が抜群に良い。
そもそも料亭や旅館に納められる米は美味いと相場が決まっているものだが、朝食の米もふかふかなのに粘り気のある上等な米であった。
自分はやはり日本人なのだろう、味噌汁と白米は最高のコンビだと思う。
・・・などと考えていると、友人が唸っている。
またしても飯を食い過ぎたようである。
この男は全く学習しないらしい。
もっとも、このレベルの白米は滅多に食べられないから可能な限り食べておこうという、その気持ちは分からなくもないが。

暫し休憩の後、笑顔の仲居さんに見送られて宿を辞した。
近くのコンビニでルートを確認するついでに、ドライバーを交代する。
Yのアクセラ23Sを運転するのは、実に久しぶりである。
スタッドレスなのであまり遊ぶことはしなかったが、コンパクトな車体にパワー必要十分のクルマなので走るのは楽だ。
難点はノーマル仕様なので排気音が静か過ぎるために、やや眠気が差してきたくらいである。
やはり私には静かなクルマは向かないらしい。
欲を言えば、もう少しアシを固めたいところである。
Y、ビルシュタインでもどうかね?
今日も無料の東北道を走りながら、そんな話をしていた。
アクセラは通勤と思しきクルマ達と共に、淡々と南へ向かっていく。

といっても、それほどの距離でもない。
四方山話をしているうちに、目的地である平泉に到着した・・・のだが、流石に観光地。
施設近くの駐車場は高い。
空模様は怪しく傘もないのだが、やや離れた無料駐車場にクルマを停めて足早に向かうこととした。
駐車場からは浄土庭園の寺の方が近いので、そちらから訪ねてみる。


毛越寺(モウツウジ)。
天台宗の円仁が開山したと言われている。
関わりのある奥州藤原氏といえば、あるいはご存知の方も居られることだろう。
私はというと元々歴史が好きで高校でも日本史を受講していたので、ある程度の知識はあるつもりなのだったのだが。
やはり百聞は一見に如かず。
典雅で風流な庭園は、同じ庭園でも兼六園のそれとは大分作りが違うものであった。
紅葉の頃に来ればさぞかし・・・と思うような作りで、ぐるっと池の周りを囲んでいる寺を順番に見ていくのも面白い。
池の中に月を浮かべて歌を詠んだりしたのだろうか?
9月には萩祭りも開催されている模様なので、興味を持たれた方は訪れてみては如何だろうか。







その足で中尊寺へ向かうも、残念ながら次第に強くなる雨脚と強烈過ぎる杉花粉の攻撃によって、あまり集中して見ることが出来なかった。
花粉症持ちが来る時期ではなかったようである。

写真はかろうじて撮った拝殿である。
金色堂にも入ってみたが、国宝はもちろん撮影不可。
まあ、文字の通り金箔と蒔絵の螺鈿に彩られた煌びやかさは写真で見るには向かないと思うが。
ちなみについ先頃、平泉は世界遺産に認定された。
素直に喜びたいと思う。

かくして、東北へ向かった短い旅は終わった。
何分出かける前は思うところ、考えるところが多かったのだが、やはり出かけて良かった。
TVの映像を通してではなく、現実を見るということは価値があると思った。
たとえ少しの間でも良い、そこの空気を感じることが出来たなら、何か共有できるものがあるのではないかと思ったのである。
ただ、それによって彼の地の人々に胸を張れるような何が出来るようになったというわけではもちろんなく、ましてや当事者でもないので何を言ったところで、益体もないものにしかならないであろうことは重々承知している。
結局のところ私の出来たことといえば、偶然居合わせた私という観光客に「東北を楽しんでいって欲しい」という言葉を掛けてくれた人達のサービスを受け、それに対して対価を支払っただけなのだ。
でも、私はそれで良いと思った。
なぜなら、私が出会った人の力により私は心から笑い、楽しめたのだから。
これだけは、間違いのない真実だと断言できる。
私はまた、東北を訪れたいと思っている。


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2 コメント

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Unknown (葉っぱぱ)
2012-04-18 23:06:47
ついに完結ですね。お疲れ様でした。

しっとりとした良い旅行だったのではないでしょうか?
単純に、読んだ自分が東北に出かけたくなったのですから・・・
是非。 (tom)
2012-04-19 19:02:53
葉っぱぱさん、こんばんは。

いつもながらの遅筆にもメゲず、お付き合い頂きありがとうございました。

震災から1年ということで、気持ちに区切りをつけて割り切って前を向き始めた、という印象を受けました。
厳しい気候と関係があるのでしょうか、東北の方は我慢強いですね。
まだまだ問題は山積でしょうが、立ち直って欲しいものです。

葉っぱぱさんも是非、休暇を取って遊びに出かけてみてください。
私が言うのも何ですが、きっと楽しいと思いますよ。