シャープとソニー 液晶パネルで合弁 ライバル、薄氷の提携

シャープとソニー　液晶パネルで合弁　ライバル、薄氷の提携(産経新聞) - goo ニュース
　大阪府堺市に建設中の世界最大の液晶テレビ用パネル工場が、シャープとソニーの合弁会社で運営されることになった。巨額の建設費の負担を少しでも軽くしたいシャープと、パネルの安定調達をもくろむソニーの思惑が一致した形だが、完成品の液晶テレビでは、国内外でシェアを奪い合う「最大のライバル」（関係者）。両社の思惑が乖離（かいり）すれば、工場運営に支障が生じる恐れもある。

＊＊＊以上一部引用＊＊＊

シャープの液晶パネル工場（建設中）がシャープとソニーの合弁会社によって運営されるというニュースです。
境工場は，液晶パネルだけでなく太陽電池パネルの生産も行われるようです。
シャープの液晶と言えば，「亀山モデル（シャープ亀山工場製）」が有名です。
実際に消費者の中には亀山工場製指定で購入する人もいるくらい・・・。

シャープの液晶と言えば，国内一貫生産による品質の確保や生産設備のブラックボックス化による技術流出防止が行われてきました。
ソニーは2004年に韓国サムスン電子と共同出資により液晶パネル生産会社（S-LCD）を設立していますが，技術流失の危険性から国家主導の技術開発プロジェクトから外されたと言う話を聞いたことがあります。
今回の合弁会社が，品質確保や技術流出防止をどのように行うのか気になるところです。

今回のシャープとの合意により，ソニーは液晶パネルの供給元を複数持つことになります。
ソニーの液晶パネル供給が，S-LCDと今回設立される合弁会社のどちらに重きを置くのか，そのような住み分けを行うのか不明ですが安価で高品質なものが供給されることを消費者としては望みます。

現在は液晶ディスプレイが主流ですが，将来的には有機ELに切り替わっていくことでしょう。
2014年には有機EL市場が155億ドル規模になるとの予想もあるくらいです。
実際にソニーは有機EL開発に取り組み20万円の価格設定で有機ELテレビ（XEL-1）を昨年発売しています。
有機ELは液晶パネルよりも優れた点が多いですが，まだまだ開発段階の市場に普及するまではもう少しかかることでしょう。
有機ELの話題が出ますが，無機ELもあります。
ただし，無機ELは駆動電圧が有機ELよりも高電圧なこともあり開発は遅れているようです。

どちらにせよ，ディスプレイに関しては有機ELと液晶パネルの今後の動向に注目です。