
名前の由来:露を帯びた草から来ています
ツユクサ科ツユクサ属
開花時期:6月~9月
花言葉:小夜曲、尊敬、わずかな楽しみ
道端や草地に生える一年草
朝露を受けて咲き始め、午後になるとしぼんでしまいます。雑草っぽいが美しい青色の花で、花は3枚、うち2枚は青で大きく、残り1枚は白で小さい。ちなみに若い葉や花は茹でて食べられるそうです。
染め物の下絵を描く時に、この花の色素を使うそうです。
※別名が、こんなにつけられています。
蛍草(ほたるぐさ)蛍を飼うとき籠に入れるから。
藍花(あいばな)
青花(あおばな)_花で布を染めたから。
移草(うつしぐさ)
月草(つきくさ)_青色の花で紙や布をつき染めた。今でも京都の友禅の下絵に使われているそうです。
縹草(はなだぐさ)
帽子(花ぼうしばな)_花を包んでいる苞(ほう)の形から。
朝露に 咲きすさびたる 鴨頭草(つきくさ)の 日暮るるなへに 消(け)ぬべく思ほゆ
万葉集 [鴨頭草=露草]
月草に 衣は摺(す)らむ 朝露に 濡れての後(のち)は 移ろひぬとも
万葉集
《 青花の紙 》
昔、琵琶湖の南の木川(きのかわ)という村に、きよという娘が病気の母親と住んでいました。きよは病気の母に白米の粥をたくさん食べさせてあげたいと思っていましたが、朝早くから夜遅くまで働いても、暮らしは貧しいままでした。
ある夜、きよの夢に観音様が現れて言いました。
「朝早く草津川の一本松に行きなさい。木の箱にお米が入っているので、その日に食べる分だけのお米を持って帰りなさい。」
翌朝、きよが一本松に行ってみると、観音様のお告げの通り、お米の入った木箱が置いてありました。きよは観音様に感謝し、両手にひとすくいのお米を持って帰りました。
それから毎朝きよは一本松に出かけていきましたが、一月ほど経った頃、つい魔がさして何日分かまとめて袋に入れて帰りました。すると、翌朝は木箱にはお米でなく黒い粒が入っていました。きよは自分の欲を恥じ、観音様に謝って許しをこい、心を入れかえてよく働き、困っている人をすすんで助けるようになりました。
すると、ある夜、きよの夢に再び観音様が現れて言いました。
「黒い粒は花の種です。畑にまきなさい。夏に青い花が咲くので、花びらの汁を和紙にしみこませなさい。きっと役に立つでしょう。」
きよは観音様のお告げ通りにし、たくさんの青花の紙をつくりました。秋になると、京の友禅問屋の人が友禅染の下絵用に青花の紙を高い値で買ってくれたので、きよは母親のために薬も買えるようになりました。また、村人達も、きよから種をもらって青花を育てるようになりました。 [滋賀県草津市の伝説]