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『銘酒居酒屋・赤鬼』赤鬼だより

東京三軒茶屋にある『銘酒居酒屋・赤鬼』のスタッフが、お酒周り、お店周り、そして旬のよしなしごとをトツトツと綴ります。

如月二月、今月の六品 その1

2013-02-04 15:00:18 | 酒の肴
少し暖かくなったかと思えば、また寒波。
冬将軍がまだまだ居座る冷え込みのなか、
木の芽はふくらみはじめ、少しだけ春の予兆も。
風邪やインフルエンザが流行る一方で、
ちらほら花粉症の声もきこえます。
そんな昨今ですが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

今月も、季節感満載、
スタッフが知恵を絞り心をこめてつくった「六品」。
ぜひぜひ、おためしください。
いつものように一つずつご紹介していきますね。



「タラコの粕漬け」

酒粕は素材を美味しくする。
それはもう、皆さまご存知の通りで、
酒粕のなかのゆたかな旨味香味成分が作用して
漬け込んだ魚も肉も野菜も、しっとり旨々になりますね。
今回は、おいしい鱈子を酒粕に漬けてみました。

ねっとりプチプチご飯のすすむタラコですが
粕漬けにしたらもう、最高のサカナ。
塩気と旨味の加減や漬けかたを何度も試して
これだ!という旨さにぴったりとキメています。
さらに仕上げに外側をさっと炙って
風味をぎゅっと閉じこめました。
これを少しずつ口に運びながらお酒をクイっと飲れば
思わず「ウマイ!」と笑みがこぼれます。
ちびちびと、ずっと飲んでいられそうな、
酒好きにはたまらない、粋な酒肴です。

(池田作)





如月二月、今月の六品 その2

2013-02-04 14:32:57 | 酒の肴
「焼きハンペンの酒盗ソースがけ」

二十年ほど前の赤鬼のメニューには
「焼きハンペン」があったように記憶しています。
おでんに入っているふわふわのハンペンとはまた違って、
外側をカリっと焼いたハンペン、美味しいですよね。
今回はそのハンペンでひとひねりした酒肴をつくってみました。

表面はこんがり、中はふんわりに焼いたハンペンと、
これまたサクッと焼いた、旬のあま~い下仁田ネギ。
そこに、特製の酒盗ソースをかけました。
お味噌とクリームチーズのこっくり豊かな風味に
酒盗のぴりっとした塩気と旨味が効いているソース、
ハンペンとはお魚どうしのひびきあいで合わないわけがなく、
葱のしっかりした食味にもぴったりです。
軽さと重さ、淡さと濃さがひと鉢のなかできゅっとまとまって、
お酒をさらに、すすませてしまいそうなオツなお味。
これで、今宵の一献がまた楽しくなること請け合いです。

(中村作)







如月二月、今月の六品 その3

2013-02-04 14:07:33 | 酒の肴
「竹の子餅の揚げ出し」

揚げ出し、という料理は
まさに日本酒のためにあるのではないかと思います。
さっぱりしたお豆腐やお餅がこくのある油をまとって
美味しい出汁に包まれると、極上の酒肴になるのですね。
ただしシンプルだから誤魔化しが効かない、
素材の良さやつくりがそっくりそのまま食味に出ます。

たけのこの季節は南から訪れて、これから四月にかけてが旬。
まだ走りですが、出たてのやわらかな竹の子をつかって
技ありの揚げ出しをつくりました。

きれいに炊いた竹の子でお餅を挟んで揚げたものと、
お餅に竹の子を混ぜ込んで真薯のように仕立てたものとを
盛り合わせています。
竹の子のほのかな苦みとやさしい歯ごたえが
お餅のまさに「モチモチした」なかに活きて、
一段格上の揚げ出しになりました。
カラっと揚げて、おいしいお出汁をかける。
単純なようで細やかな仕事がこめられた、
ウマウマ~なひと品です。

(箕村作)












如月二月、今月の六品 その4

2013-02-04 13:44:12 | 酒の肴
「ヤリイカと山菜の天ぷら」

カラッと揚がった天ぷらは、最高のおつまみですね。
そして素材が旬を先取りした槍烏賊と山菜というのですから、
これはもう、いま!食べるしかありません。
筆者でももしメニューにあったら絶対頼みます、
王道、無敵の天ぷらです。

三月にかけて産卵のため接岸してくるヤリイカは
柔らかく初々しい、早春の海の恵み。
そして、独活やたらの芽、こごみなどの山菜は
ほろ苦さと歯ごたえで、これまた春を予告する山の恵み。
むっちりとシャッキリ、山海の妙味が味わえてしまう、
とっても贅沢なひと皿なのです。

素材の素直なおいしさをぎゅっと閉じこめた揚げたてを、
サクサクと、さわやかなゆかり塩で召し上がってください。
若々しい新酒とのとりあわせで
遠からぬ春の兆しが、きっと舌にも心にも満ちてきますよ。

(大内作)


如月二月、今月の六品 その5

2013-02-04 13:28:07 | 酒の肴
「紅の豚煮」

なんともジブリなタイトルの一品は、
出されてみれば見た目納得の美しい煮込み。
その名のとおり、赤く紅い、豚の角煮です。

以前時々お出ししていた角煮はこっくり甘辛な沖縄風で、
たいそう人気があったのですが、
ここしばらくは、メニューにお目見えしていませんでした。
今回は、その角煮とはかなり違ったアプローチで
美味しくてさらにお酒にも合う「もうひとつの角煮」を
仕上げてみました。

角煮は、とにかく仕込みに手間がかかります。
煮こぼして、締めて、丁寧に丁寧に油抜きしつつ、
豚の旨味はきっちりと封じ込めて煮あげる。
手間をかけたぶんだけ、やさしく奥深い味になりました。
目にも鮮やかな赤は、トマトの色。
豚や鴨など、しっかりした脂のある肉は、
酸味を加えるとぐっとバランスがよくなるので
柑橘やベリー類のソースがよく使われますね。
ここではトマトの爽やかな酸味が出汁に溶け込み、
お肉の旨味をすばらしく引き立てています。
イタリアンでも中華でもない美しいバランスの一品、
これぞ、おうちではなかなかつくれないプロの味です。
お肉の美味しさをほろほろと存分に味わいながら、
鮮やかな赤で元気になってくださいね。

(池田作)


如月二月、今月の六品 その6

2013-02-04 13:03:51 | 酒の肴
「豚肉とレタスのとろろ鍋」

まだまだ寒さ本番中の二月。
今月は、身体をあたためるだけでなく、
女性にとくにうれしい、美容鍋といいたいような小鍋を
つくってみましたよ。
豚肉とレタスの胡麻風味のとろろ鍋。
名前だけきくと、意外な組み合わせですね。
特に、鍋にレタス?どんな感じになるのかしらと
思った方もたくさんいるのでは。

これが、本当、イケるんです。
おいしい豚肉のこくのある味に、
シャキシャキ感の残るようにさっと煮あげたレタス。
まったりとさっぱり、そのバランスが絶妙です。
さらに仕上げ際に加えた山芋とろろが
胡麻の香る旨出汁にふんわりと絡んで、
いくらでも食べられてしまいそうな、あとをひく食味です。

豚肉の栄養たっぷりなことはたびたび当欄でも触れてきましたが、
良質のたんぱく質とビタミン群で冬の身体をばっちりサポート。
そこへ持ってきてレタスと山芋のダブル繊維。
美味しいうえに、おなかも喉も温めて代謝も上がるという
いいこと尽くしのお鍋なのです♪

(箕村作)