陽炎日記

日々の出来事を中心に綴ってます。

中村啓著 「「鳥獣戯画」 空白の絵巻」

2021-02-16 21:42:25 | Weblog
美術鑑定士・安斎洋人は有名画家安斎耀子の息子だが、母はすでに
亡くなっていた。
美術館には勤めていたが、鑑定士としての眼はかなりもので、館長にも
劣らず心眼を持っていた。本人は自分はまだまだ未熟だと思っていた。
そんな中、国宝「鳥獣戯画」の一部とみられる十枚の断簡が、京都松老寺
にて発見された。日本中がその心眼に注目するなか、日本美術界の
重鎮渋谷学が転落死を遂げる。それから後、断簡に関わった人達が次々と
命を落としていく。 洋人はどう解決に結びつけるのか・・・

洋人は大学時代に好きだった女性美宙(みそら)の才能を見て、自分には
彼女のような才能はないと絵画を諦めた。
また同じ大学にいた南條玲子は父の後を継ぎギャラリー・ユーゲンの
オーナーになっていた。
洋人は美宙の絵を母に見せたことを後悔していた。
玲子は玲子で美宙に嫉妬していたからね~(大学時代)
今ややり手の美術商に出世して、様々な所からオファーがあり、講演、テレビ出演、ギャラリーも賑わっていた。
そんな中での「鳥獣戯画」発見のニュース。
『断簡』の真贋はいかに・・・
洋人は筧館長から呼ばれて「鳥獣戯画」の断簡を見てから違和感を
感じていた。
そこから巡り巡って、この断簡をオークションにかける話しにまで発展。
オークションを巡ってのやらせ疑惑、沖本社長の死、その息子の死、
はたまた、松老寺にすり寄った美術商の佐々田まで死んで・・・
てっきり佐々田が沖本社長を殺したものだと思っていた。
洋人と玲子は松老寺へ出向き、住職の話を聞いて戻ってくる。
そこから話しが急展開。
どこをどうしたらの部分ははしょりたい。(断簡の難しい部分なので)
私はただ真贋だけに絞って欲しかっただけなんだけど・・・😕 
「真贋」の方が読みやすかっただけにお堅い小説だった。
それに洋人の心の奥底にある母親との葛藤やら、美宙との葛藤が文面に
出過ぎてて、それがじゃましてて鑑定の話しがちゃんと入って来なかった。
(オークションの部分は面白かったけどね。)
学芸員の仕事って大変だな~とまた思ってしまった。
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