独り言雑記ブログ

将棋関係の一人言雑記帳

第33期棋王戦五番勝負第1局(1)

2008-02-20 22:58:18 | Weblog
開始日時:2008/02/13 9:00
終了日時:2008/02/13 20:25
棋戦:第33期棋王戦五番勝負 第1局
戦型:一手損角換わり
持ち時間:各4時間
消費時間:▲3時間59分△3時間59分
場所:京都府京都市「グランドプリンスホテル京都」
先手:羽生善治 二冠
後手:佐藤康光 棋王

第33期棋王戦開幕
 二冠対決として注目の第33期棋王戦五番勝負、今期は雪の京都から開幕。午前中は、非公開で行なわれるが、午後からは例年通り公開対局が予定されている。
 京都は佐藤棋王の地元でもある。寒波の影響で、京都市内は大雪。会場の「グランドプリンスホテル京都」は、京都市の中心部からやや離れていることもあって、中心部と比べても積もっている雪の量も多い。

 羽生二冠が挑戦者として番勝負に登場するのは、2006年の棋聖戦以来。その時の相手も佐藤棋聖(当時)だった。羽生二冠-佐藤棋王(棋聖)の対戦は、これが129局目。番勝負でも多くの対戦があるが、この両者が番勝負で顔を合わせるのは、1年前の王将戦以来になる。

 佐藤棋王の今期の成績は、24勝25敗。昨年は、5棋戦連続挑戦の記録を作るなど絶好調だったが、今期はその反動もあってか、竜王戦で挑戦はしたものの、ここまでなかなか調子があがってこない。A級順位戦では、開幕からまさかの6連敗。2月1日の順位戦で久保八段に勝って2勝目をあげ、最大の危機は脱したもののいまだにA級陥落の危険性もある。
 棋王戦は、1日制4時間の5番勝負。同制度のタイトル戦は他に棋聖戦もあるが、いずれも佐藤棋王がタイトルを保持している。地元での開幕・得意の持ち時間。佐藤棋王としては、この棋王戦で調子をあげていきたいところだ。

 振り駒の結果、羽生二冠の先手に。ゴキゲン中飛車なども予想されたが、本譜は一手損角換わりに。佐藤棋王が、12手目に△1四歩と端を受けたことで、先手・羽生二冠の早繰り銀になりそうだ。

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲2五歩 △8八角成
▲同 銀 △2二銀 ▲4八銀 △3三銀 ▲1六歩 △1四歩
▲3六歩 △5二金 ▲7七銀 △6二銀 ▲6八玉 △6四歩
18手目まで ここまでの消費時間は▲羽生二冠14分△佐藤棋王24分

2年ぶりの挑戦
 王将戦七番勝負と時期が重なっていることもあって、ここ最近の羽生二冠は過密日程。2月は1日の順位戦のあと、4日に竜王戦1組ランキング戦(対深浦王位●)、5日に移動日があって、6、7日と浜松で王将戦第3局(対久保八段●)、8日が移動日で、9日に今度は朝日杯将棋オープン戦の準決勝・決勝の公開対局(準決勝・対丸山九段●)と先週は連戦で深浦王位に敗れるまで7連勝中だったが、ここにきて3連敗。この対局のあとも、移動日が1日あって、その翌日には王位戦(対松尾六段戦)の対局が控えており、翌週は、王将戦第4局(島根)・棋王戦第2局(石川)と再び大きな勝負が続く。

 羽生二冠の早繰り銀になった本譜は、35手目に「積極的にいくつもりでした」(1)と▲3七桂。ここで佐藤棋王が29分考えて、そのまま昼食休憩に入った(2)。午後からは、公開対局場に移っての戦いとなる。

 昼食休憩に入ったあと、盤・駒などが公開対局場に運ばれ、両対局者の飲物なども対局場に用意された。羽生二冠はボルヴィック、一方の佐藤棋王は、おなじみのペリエだ。
12時56分、佐藤棋王が、その直後に羽生二冠が公開対局場に入場。佐藤棋王が駒箱をあけ、ゆっくりと駒を再度並べ直し、村田女流初段の読み上げで午前中の棋譜が再現された。対局が再開されるまでの間は、写真撮影が解禁されていることもあって、公開対局場のファンの中には、両者にカメラを向けている人も多い。そして、13時4分。西川三段の「再開してください」の声がかかり、両者が一礼。午後の戦いが始まった。

(1)局後のインタビュー (2)週間将棋

▲3七銀 △4四歩 ▲4六銀 △4三金右 ▲3五歩 △4五歩
▲同 銀 △3五歩 ▲4六歩 △4二玉 ▲5八金右 △5四歩
▲5六銀 △5三銀 ▲7九玉 △3一玉 ▲3七桂
35手目まで 昼食休憩までの消費時間は▲羽生二冠1時間18分△佐藤棋王1時間25分

公開対局
 午後からの対局は公開対局。同じフロアにある別室では、谷川九段、村田女流初段らによる大盤解説会が予定されている。その他にも解説会場では、指導対局や谷川件のサイン会なども行なわれた。
 対局再開後、5分くらいで佐藤棋王が指した手は△4四歩。ここでは後手やや苦戦のようで「桂を飛ばれて歩を打つんじゃつまらない。お昼のところでは自信がないですね」(3)と佐藤棋王。
佐藤棋王は△4四歩を指してペリエをコップに注いだ。公開対局場から直接盤面をみることは出来ないが、ファンのために、隣の大盤で、局面が再現されている。

 大盤解説会が始まると、対局場にいるファンの数は減ったが、それでも、公式戦でトップ棋士の対局姿を見ることのできる数少ない機会ということもあって、30~40人ほどは両者の対局姿を観戦している。
 15時を過ぎて、対局場に両対局者におやつが運ばれた。佐藤棋王はフルーツ、羽生二冠はクッキーのようだ。おやつが、運ばれてきた直後に佐藤棋王は△4二銀右(48手目)と銀をひいた。局後のインタビューで羽生二冠が「桂を跳ねた後の指し手が相当変でしたね」(4)と言ったのは、このあたりのことだろう。5三の地点に成桂は出来たが、「角銀交換になるようではつまらなかったですね」(羽生二冠)(3)

 解説会場では、谷川九段と都成三段の師弟コンビで解説が行なわれており、16時を過ぎたところ(59手目の局面)で次の1手が出題された。候補手は、△5五角成、△7六歩、△9三桂、△4二歩など。

(3)公開感想戦 (4)局後のインタビュー

△4四歩 ▲4七銀 △3四金 ▲2六飛 △9四歩 ▲4五歩
△同 歩 ▲1五歩 △同 歩 ▲7一角 △5二飛 ▲4六歩
△4二銀右 ▲4五桂 △7二飛 ▲5三角成 △同 銀 ▲同桂成
△7四歩 ▲4五歩 △3七角 ▲2九飛 △7五歩 ▲同 歩
59手目まで ここまでの消費時間は▲羽生二冠2時間37分△佐藤棋王2時間44分

対局姿勢
 ここでの佐藤棋王の手は△9三桂だった。この手を指した佐藤棋王はしばらくしてから、席を外した。大盤解説会が休憩に入ったこともあって、再び対局場の人数が増えてきている。

 △9三桂には羽生二冠も長考。首をひねるシーンも多くなってきた。羽生二冠はあぐらに組み、おやのクッキーを口に運ぶ。一方の佐藤棋王は、正座を崩すことなく前傾姿勢で伸ばした背筋を前後に小刻みに揺れている。羽生二冠が、やや背を丸めて一点に集中しているのとは対照的だ。
 27分の考慮で▲4六銀打。これで羽生二冠の残り時間は1時間を切った。時刻はまもなく17時。今度は佐藤棋王が長考。佐藤棋王の残り時間も1時間を切り、両対局者の前に残り時間を示す紙が置かれている。長考中、羽生二冠は10分ほど席を外していた。羽生二冠が戻ってきて、しばらくして、今度は佐藤棋王が何度か首をひねる。佐藤棋王は、29分の考慮で△7三飛と指し、すぐに席を立った。

 ▲7五同歩の局面は、角2枚を持った佐藤棋王が指せる展開だった。ここで△7六歩なら後手十分で、以下▲同銀△5五角成▲6六歩に△7三飛として5三成桂の処置が難しい。(5)実戦は▲4六銀打に△7三飛と成桂取りに飛車を浮いたが、「これでは変調かなという気がした」(6)と佐藤棋王。

 残り時間が1時間を切ってから、佐藤棋王は何度も残り時間を示す紙に目をやり、首をひねる。▲6五銀(69手目)に、再び佐藤棋王が長考。残り時間を示す数字がどんどん消されていく。取れば準王手飛車だが、取れなければおかしい(5)。「佐藤棋王、残り20分です」の声に、佐藤棋王は「いやー」とつぶやいた。

 ▲5二角に対する応手を考慮中、ついに佐藤棋王は残り10分をきった。

(5)週間将棋 (6)公開感想戦

△9三桂 ▲4六銀打 △7三飛 ▲3七銀 △5三飛 ▲4六銀右
△7六歩 ▲同 銀 △8四桂 ▲6五銀 △2二玉 ▲6四銀
△4三飛 ▲5二角
73手目まで ここまでの消費時間は▲羽生二冠3時間37分△佐藤棋王3時間49分

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