独り言雑記ブログ

将棋関係の一人言雑記帳

2007年を振り返る

2007-12-31 14:30:29 | Weblog
ここまで将棋に熱中した1年はたぶん始めて。
自分の場合は、小学生のころから将棋自体は知ってたし、将棋クラブに入ってたりもしてたので潜在的に熱中する要素はあったと思うけど、本格的にプロ棋戦を見たり自分もネットで将棋を再会したのは2006年。教育のサブチャンネルでタイトル戦の再放送をやってるのをみてから。
それからBSで一番長い日や名人戦をみるようになって、棋聖戦や竜王戦の中継に目を通すようになって、本格的にみるようになったのは去年の竜王戦から。

今年はプロ棋士の方に指導対局を受けたり、解説会いったり公開対局みにいったりと、いろいろありましたが楽しかった1年だったと思います。
自分のような、散在的な将棋ファンを掘り起こすことが出来れば将棋界にもいいと思うので、ぜひそのような取り組みをして欲しいと思います。

どの程度の方がみてるか分かりませんが、今年1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

独断で選ぶ2007年将棋界10大ニュース

2007-12-30 17:16:42 | Weblog
世間への露出が多い順のつもりですが、あくまで独断と偏見です。

1.森内名人、十八世名人に
江戸時代から続く永世名人の流れに新たに森内名人が名を刻んだのだから、1位は当然これだと思います。
いわゆる羽生世代のトップ棋士中では遅咲きの方だと思いますが、いろいろなプレッシャーがあり、けして調子がいいわけではなかったと思いますが、苦しみながら名人を防衛し、永世名人の称号を得られたことはさすがだと思います。
普通なら、あの第6局の逆転負けでそのまま崩れそうなものですが、それを盛り返しての防衛はすごいと思います。

2.渡辺竜王-ボナンザ
世間への露出ということではこれが1番だったかもしれませんが、人間対コンピューターという分かりやすく、そして、絵になる構図だったことと、結果的に一手勝ちだったことなどもあって、で、反応も大きかったみたいで渡辺竜王のブログは15万アクセスがあったとか。
渡辺竜王は自分の本の中で「接戦にしたことが悔やまれる」という意味のことを書いてましたが、1発入る力は十分あるけど、まだだいぶ差があるということでしょう。
詰む詰まないの変化は、コンピューターに頼ることもありますし、コンピューター関連の進化は早いので、今後どうなるか楽しみです。


3.遅刻、反則、不戦敗相次ぐ
あまりうれしくないニュース。反則は大きなところでは、初手△3四歩(!)が2回、公開対局での二歩が1回。とはいえ、反則は仕方がないかなと思いますが、先後を間違えるとかはさすがに気をつけて欲しいです
問題なのは、遅刻・不戦敗。今年は不戦局がけっこう多かった印象。まあ、寝坊とか台風とかは(当事者はともかく)笑っていられるんですが、ほとんど連続2回対局をすっぽかしとかいうのはさすがにまずいでしょう。
いろいろ言い分はあるようですが、プロである以上、一番大事な対局をサボるようなことをしてはならないはず。
プロ棋士のブログでも取り上げられてましたが、問題なのは、遅刻・不戦敗に対する罰則規定が緩いことと曖昧なことと。対局すっぽかしに関して厳罰規定をちゃんと決めて欲しいのと、遅刻に関しては3倍引きで1時間未満の場合はそのまま、それ以外は一律残り1時間からとかでもいいんじゃないでしょか。交通機関の遅延とかは実時間引きでいいと思いますが

4.棋界再編
いろいろ多かったのでまとめました。
・朝日オープン→朝日杯 ・順位戦共催 ・ネット棋戦創設 ・マイナビ杯創設
と棋戦関係でもこれだけ。名人戦問題の影響もあって、朝日オープンから朝日杯将棋オープン戦に。そのほかには、ネット棋戦・大和証券杯の設立。ネット経由でリアルタイムに対局や感想戦がみられるのは面白いです。将棋はネットでの再現性の高い競技だと思うので、まだまだ発展の余地はありそう。そして、女流棋戦では、マイナビ杯が新タイトル戦としてスタート。
なんといっても、一番の大きな棋界再編は、
・LPSAの設立
新団体立ち上げ当初は、いろいろ苦しいんじゃないかと思いましたが、見事なスタートダッシュ。いろんな面で関心させられました。この調子で頑張って欲しいです。


5.女流棋界、若手躍進
まあ、なんといっても里見フィーバー。前述のマイナビ杯はLPSAの設立とともに最終回となったLOTでの里見フィーバーの影響もあるでしょう。LOTでの最後のマスコミの盛り上がりは、凄いというより酷いという感じでしたが。
そして、里見初段に続けとばかりに女流名人位戦A級リーグでは甲斐二段が挑戦者争いをし、B級では上田初段がA級昇級。そして、中村初段が、清水二冠を破る活躍。
マイナビ杯は、甲斐二段、里見初段、中村初段、鈴木初段とベスト8の半分に若手が名を連ねています。この中から、何人が上にいけるか注目してます。

6.1000敗・1000勝
加藤九段が前人未到の1000敗到達。将棋界の場合は、負け数を重ねるためには強くなければならないので、負けをこれだけ重ねるのは凄いこと。そういうこともあって、「負けたにもかかわらず」大きなニュースに。これだけ負けても闘志が衰えずに戦い続ける加藤九段は素晴らしいと思います。
そして羽生二冠が史上最年少、最速、最高勝率での1000勝達成。凄いことだとは思いますが、まだまだ通過点なんでしょう。秋頃からは好調で、棋王戦は挑戦者に、A級順位戦も首位タイということで年明け以降も期待できそうです。

7.初タイトル
深浦王位が初タイトル獲得。朝日オープンでの優勝経験はありましたが、深浦王位にとってははじめてのタイトル。
A級では2回連続で4勝5敗での降級するなど、勝率のわりに苦しんだ印象がありますが、念願の初タイトル。今期のB級1組ではA級昇級マジックが1。タイトル獲得をきっかけにもうワンステップ上での活躍なるんでしょうか。
今期は、久保八段も王座戦、王将戦と挑戦者になる活躍。王座戦は3連敗で羽生王座の16連覇に貢献してしまいましたが、王将戦はどうなるんでしょうか。

8.波乱の順位戦
C級2組の佐々木五段を除いて全勝者がいない今期の順位戦。その中でも驚いたのが、佐藤二冠、谷川九段、渡辺竜王の不調。谷川九段、渡辺竜王は復調傾向を見せていますが、佐藤二冠はなんと出だしから6連敗。もちろん相手もA級なので厳しい相手ではありますが、佐藤二冠が開幕6連敗とは誰が予想したでしょうか。

9.羽生二冠、永世5冠に
羽生王将が王将戦10期獲得で永世王将に。通算10期と他のタイトルに比べて永世称号の難易度が高めということもあって大山永世王将に続いて二人目の永世称号獲得。王将戦は歴史といい方式といいもっといい扱いを受けてもよさそうな気がしますが、タイトルの序列が契約金で決まってる関係上仕方がないのかもしれません。

10.久しぶりの優勝
郷田九段が大和証券杯で、森下九段がJT杯で久しぶりの優勝。郷田九段は、昨年からの好調を維持しての優勝。ほとんどネット将棋を指したことのない郷田九段が優勝ということで話題に。今期も好調を維持。これを期にタイトルを狙って欲しいです。
森下九段は春先は病気で不戦敗になるなど苦しい時期もありましたが、そこから復調して久しぶりの優勝。

第30期女流王将戦 予選結果・本戦展望

2007-12-25 12:25:57 | Weblog
女流王将戦も予選が終わり、本戦が出揃う。

女流王将戦の場合は、前期予選決勝まで行った人を予選シードとし、それを同一条件で振り分ける(らしい)ので、素晴らしいくらいに偏りが生じてます。
まあ、公平な抽選の結果だとしたら仕方がないと思いますが・・・

・1組 中倉彰初段
どういうわけかLPSAが固まったブロック。中倉彰初段が、今期の王位戦に続いての本戦入りで、LPSAとして「キープ」
・2組 石橋王位
来期A級の3人が揃う鬼ブロック。石橋王位がタイトルホルダーの維持で枠抜け
・3組 島井初段
貞升1級・中村真初段と前期本戦入りの2人がいるなかで、島井初段が枠抜け。マイナビ杯では不調だったLPSA勢も王将戦では好調
・4組 早水二段
マイナビ杯予選一斉対局以降、絶好調の早水二段が王将戦でも枠抜け
・5組 岩根初段
予選決勝は、岩根初段-本田初段とA級同士の組み合わせ。岩根初段は1級時代の27期以来の本戦入り
・6組 鈴木初段
マイナビ杯に続いて王将戦にはわりと相性のいい鈴木初段が本戦入り
・7組 村田初段
関西ブロックは村田初段が枠抜け。室田1級は連勝すれば初段昇段だったが、初戦で山田朱初段に敗れて残念ながら昇段は持ち越し。


・本戦展望
本戦の組み合わせはこちら

タイトルホルダー+前女流王将と前倉敷藤花が左側のブロックに固まる混戦。ただ、石橋王位はタイトル奪取後調子を崩しているようだが、逆に千葉三段が女流王将戦でタイトルを失った後が絶不調だったのが、ここ最近復調してきて逆に連勝中。
誰が出てきてもおかしくないが、現在の調子から本命:千葉三段、対抗:矢内名人と予想。矢内名人と斎田四段は名人位戦の番勝負の結果が王将戦にも影響しそうな気がします。

逆に右側のブロックには、中井六段がいるものの若手中心のブロック。里見初段が頭1つ抜けてるような気はしますが、岩根初段は、清水王将とともに里見初段にとっては「天敵」で、里見初段から見て公式戦1勝3敗。今年は、非公式戦でも2敗だったような気がします(とはいえ、岩根初段も中倉彰初段に今期の王位戦で敗れているので2回戦での対戦相手がどちらになるかは分かりませんが)。
そして、中井六段も里見初段に連敗し、A級リーグからは陥落したものの、最近は復調の気配もみられるので十分チャンスはあるでしょう。
里見初段が岩根初段を破ることができれば、そのままの勢いでタイトル挑戦まで行きそうな気がしますがどうでしょうか。

第20期竜王戦七番勝負 渡辺竜王-佐藤二冠

2007-12-19 12:09:35 | Weblog
先週の第6局をもって、今期の竜王戦も終了。結果として、4-2で渡辺竜王が防衛・4連覇達成。これで、来期は、防衛すれば初代永世竜王ということになる。

全体的に、両者とも昨年に比べれば調子はいまいちのようで、それはここまで両者が順位戦で苦しんでいることからも分かる。結果的に、勝負を分けたのは、竜王戦の第1局に勝って調子をあげてきた渡辺竜王と竜王戦開幕後も調子をあげることが出来なかった佐藤二冠の違いということになりそうだ。今期も「これぞ佐藤将棋」という将棋が多かったものの今期はそれが不発に終わったことも、渡辺竜王の防衛に繋がったと思う。

第7局までいけば、明日は新潟まで行くつもりだったので、6局で終わったのは残念ではあるが、今期も楽しめた竜王戦。今期は、終盤でのミスで逆転という対局も多く昨年に比べると熱戦は少なかったような気はするが、やっぱりテレビ中継があるのは大きい。

第34期女流名人位戦 A級・B級リーグ

2007-12-12 22:34:07 | Weblog
12/5に行なわれた第34期女流名人位戦リーグ・最終戦一斉対局。
結果として、A級は斎田四段が挑戦、中井六段、島井初段、山田初段が降級、B級は石橋四段、中倉宏初段、上田初段がという結果に。
前半で勢いに乗った3人がそのまま昇級したB級と違って、A級は大混戦(B級も残留争いは混戦だったが)。

2回戦で清水二冠を破り連勝スタートを切った中井六段がそのまま行くかと思ったら、そこからなんと1勝6敗で降級。逆に序盤を1勝4敗と苦しんだ千葉三段は、6回戦で里見初段に勝ってから勢いを取り戻してなんとか残留。
2回戦で中井六段に破れたあと連勝でこのまま挑戦かと思われた清水二冠は、終盤になんと2連敗で2年連続2位止まり。
斎田四段は、千葉三段、中井六段、清水二冠と相手の調子が一番悪い時期に当たったこともあり、なんとか挑戦権を獲得も倉敷藤花戦の内容をみると、調子がいいとは言いにくく、石橋王位も今年はB級。

矢内名人の調子は分からないが、6強(中井・清水・斎田+矢内・石橋・千葉)の調子がどうもあがらない、そんな感じを受けた今年のA級リーグでした。

逆に、今期は若手の力を感じさせた面も。甲斐二段は、最後に岩根初段に破れたものの最後まで挑戦者争いに加わり、里見初段も序盤で清水二冠、岩根初段に連敗したのが響いて挑戦者争いからは脱落したものの終わってみれば、甲斐二段と同星の6勝3敗。B級では上田初段が6勝2敗の成績でA級昇級。

マイナビ杯でも中村真初段が清水二冠を破るなど、若手が活躍。長い間、6強以外のタイトル戦出場がないので、若手の中から第4期倉敷藤花戦の木村さゆり初段以来のタイトル戦出場が誰がどの棋戦でいつできるかというのが楽しみです。

ちなみに、中井六段が降級、清水二冠が2番手ということで、女流名人位戦では11期(1984年)以来、第1期倉敷藤花戦(1993年)以来、中井六段も清水二冠も出ないタイトル戦ということになります。タイトルを失うことはあったにしろ、この二人が長い間トップいた証明ではないでしょうか。

※第1期倉敷藤花戦はトーナメント戦だったので、それをのぞくと1990年の第13期女流王将戦以来。女流王位戦に限れば、これまで17回すべてに中井六段か清水二冠がタイトル戦に登場している。

女流名人位戦B級に関する疑問

2007-12-06 18:48:09 | Weblog
昨日行なわれた女流名人位戦のB級リーグについて疑問を持った方は多いんじゃないでしょうか。
今期のB級リーグでは、竹部三段が休場しており、結果として、通常なら残留2名のところが、休場者を除くと1名になり、松尾初段が降級、早水二段が残留となりました。
女流名人位戦がどのような扱いか分かりませんが、順位戦の規定を準用するならば、竹部三段が休場・張出で、残留2名降級4名になるんじゃないかと思います。

今回の女流名人位戦では、結果が出るまでは竹部三段が休場(降級)で残留2名だと思っていたファンが多いと思います。せっかく、注目されていた一斉対局でファンが規定をまったく知らないという状況は、プロ競技として考えればおかしいのではないでしょうか。
順位戦は簡易な規定がサイトに掲載されていますが、ファンに見てもらうことで成り立っているプロ競技である以上、他棋戦も含めて、休場規定やシード基準など各棋戦の大会概要や対局規定などを掲載する必要があると思います。
順位戦の他には、大和証券杯は選抜基準や対局規定も載ってますね

2つの団体が出来た効果でいつも以上に盛り上がった女流名人位戦最終局。LPSAの中井六段、松尾初段が残留争いしてたこともあるでしょう。
ただ、ファンからするとあとから疑問が残るような結果になってしまったことについては、しっかり考えて欲しいです。

遠山四段のブログによるとどの対局も熱戦だったみたいですが、その辺については週間将棋を待ってから書きたいと思います。

<参考>第43期順位戦(A級順位戦で直近の休場例)
http://www.ne.jp/asahi/yaston/shogi/juni/juni43.htm
http://www.ne.jp/asahi/yaston/shogi/juni/juni44.htm
43期A級順位戦は大山15世名人が休場。降級枠は1つで翌44期は、11人でのリーグ戦になった。もちろん降級枠は3。