読書の森

目の前の他人 最終章



浮世離れした夢花はおじさんたちに人気があった。
夢花を見る為に秘書室に行く輩もいた。
夢花も智行も全然知らない事だった。

夢花が去った後、智行は露骨ないじめにあった。
つまり社内恋愛で相手を傷つけ捨てた男として扱われたのだ。
夢花のあまりの繊細さが妙な誤解の素になった。

「いい男ぶって仕事はどれだけ出来るのかな?」
ベテランは予備知識が必要な仕事を説明無しに与えた。
迷惑メールにもひどく神経質になった。

パンクしそうになり、メルアドを極秘に変え、電話番号も変更した。
自分の仕事場が無くなる事が恐怖で一杯だった。



「とうとう出社拒否反応を起こしてね、現在は勤務先を変えている」

智行は夢花をずっと心配してた。
そして、SNSで夢花を探し当て、友達になったのである。

「夢花、僕がわからないの?」
他人を見るような目の夢花を見て、心配そうに智行が囁く。

「夢花もずっと智行を慕っていたのに、こんなおじさんだったのかな」
12歳も上の年も忘れて夢花は正直がっかりしてた。

「お嬢さん、なんて言ったら失礼だが、現在の恋は夢物語じゃないんだよ。
智行君とゆっくり治療していこうね」

「エッ、僕はウツが治ったんゃ、、」
医者はウインクして見せた。

「どうだろうか?トム君とこれからも仲良くしてくれるかね」

夢花はやっと無邪気に微笑んだ。

読んでいただき心から感謝します。 宜しければポツンと押して下さいませ❣️

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