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読書の森

アガサ.クリスティ『五匹の子豚』

アガサクリスティのファンは五万といます。
意地悪なミステリー評論家は、どれほど「通?」かを計るために「どの作品が一番好きか」と聞くそうです。
そこでこの『五匹の子豚』と答える人は「アガサクリスティ達人度」が高いのだそうです。
この本の解説に記された言葉であります。

実は私、この本をじっくり読むのはこれが初めて!

入手した動機は上の写真の女性の好きな小説だったからです。
この女性、荒木あかね嬢は最新の江戸川乱歩賞受賞者です。

受賞作は『この世の果ての殺人』。
終末期を迎えるこの世界で、わざわざ自動車教習所に通い続ける主人公が登場するそうです。
プロットからして物凄く惹かれるけど、文庫本も勿論古本も出てないだろうし、図書館で借りるのも順番待ちだし、単行本を買って期待ハズレだと惨め(?)だし、、、と彼女が大好きなアガサクリスティのお勧め本を買ったのです。

前置きが長いケチくさい話です。このように私、小さな事にケチって肝心な事を逃しています^ ^


さて本題の『五匹の子豚』は、幼児期に実の父親が実の母親に殺されたという娘の話であります。殺した原因は夫の浮気だと。
母親は哀れにも獄中で病死してます。
幸いな事にこの娘は家庭的な養父母の下で健やかに育つ事が出来ました。

16年後、利発で美しい娘として成長した彼女は、愛する人との結婚を控えて、この事件の真相を知りたい」と老ポアロ探偵の事務所を訪れたのでした。

婚約者は別に彼女の母親の事件に拘泥していない、本人がいたく気に入っているのです。
なのに彼女は「本当の事を解明したい、私の母親は殺人など犯していない!」
と真剣に訴えるのです。

以前のブログで、「真実を明らかにして多くの人を傷つけていったい何になるのか」
と言った趣旨の事を述べました。

しかし、それは時と場合によります。
犯罪事件の場合、無辜の人が有罪となり真犯人が隠蔽されるのは許されないと私は思います。

現代では、ネットの世界で素行不良と良からぬ噂を立てられた人が実は何もしていなかった、ネットでも現実の世界でもイジメがひどくて精神を冒されたと言う話を度々聞きます。

閑話休題、この小説の中で演じられる人間ドラマは「真実の追及」だけがテーマではなく、クリスティらしい「人の心理の不思議さ」がテーマです。さらに最後に真実が明かされる迄、真犯人の他は誰もが嘘を言っていないと言う著者の仕掛けがあります。

とても面白く読めますよ❣️


殺人者と言われた母親は、綺麗で利発で活発な人、おまけに勝気で一途な為に人の誤解を買いやすい。

彼女とごく親しい5人の男女が登場しますが、
彼女の評価は人によって全く変わります。
「善人で優しい」「正直」
「魔女、不道徳」「大嘘つき」。

父親の死因は毒殺で、実は誰もが毒を入れられる可能性があった、、、。
さて、真相は?




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