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読書の森

小説 月よりの使者 その1

暑〜い太陽が照りつける中、憂世の事全て忘却(ついでに自分の歳も)したい婆は、SFなるものに挑戦してみようと思います。
ところがSFのSはscience であり科学的根拠が欠かせない、なので空想未来小説に変更。
これは近未来の日本に訪れた月よりの使者のお話でございます。
見切り発車で進みますので、変な展開お許しください。



サナがベランダの長椅子にゆったり寝そべって広げているのは、その昔の占いの本である。祖母の蔵書を整理していて見つけたものだ。

昔的中率が1番高いと言われた占い本はクイズを解くような面白さがあったが、サナは全然結果を信じていない。
何故なら、対象となる人類全体が等しく被らなくてはならない運命についてなにも語られていないからだ。


22世紀初めの世界は、激動の21世紀を知るサナの祖母からすれば嘘みたいに変わったそうだ。
あの信じられない世界戦争の没発によって、壊滅寸前の地球人を救ったのが、他ならぬ感染症爆発的流行と大災害だった。

世界の人口が激減した時、人類は先ず一致団結して自分達の種を絶やさぬ目的に向かったのである。
先ず世界は完全に平和になった。殺し合えばそれだけ人類滅亡が近くなるからである。
正当な理由なくして子どもを持たぬ人に対して罰則として過重な税金が課せられた。

今サナの住む場所は、21世紀の昔日本と言ったそうだが、地球上でまあ住みやすい地域として残っているだけで、亜熱帯(昔温帯)の位置地域に過ぎない。

サナの祖母が移住したハワイと異なるジトジトする大気は嫌だが、四季の変化があって、何より貴重な水が豊富にある祖母の故国はオアシスだと彼女は思う。

日本地方の大学院生であるサナは、食品加工科学を学ぶ。
いかにして少ない食糧資源から食材を生み出すか、それが彼女の研究テーマである。

休憩はここまで、カプセルルームに戻って研究を続けようとサナが起き上がった時、その音がした。

何処からするとも分からない不思議な音響が彼女の耳に響いてきた。
決して大きくもなく、鋭いものでもないが、確かにサナに届いたのである。

そして、起き上がったサナの目前に一人の男が立っていたのである。サナより背が高い青年に見えた。
「何なんです!人の庭に突然入り込んできて。あなた何者?」
「庭って、、ここは昔公園だったところですよ。あっ、失礼僕は本日未明に月から来た者ですが」

「何!それ」







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