我ながら不味い出来だと、作り上げたケーキを見て麗奈は思った。
翔が入院して2月、今日はバレンタインケーキを届けに行く。
このバレンタインケーキに麗奈の思い全てが入っている。
見かけよりも味ではなく、中身である。
このスポンジケーキの中に、病院の見取り図と、小さい鍵と、現金が入っている。
形が歪もうとそれを隠すには十分の大きさである。
パニック状態が過ぎた後、麗奈はひどく従順になった。
皇太子ともメールを交わし、優しい言葉をかけあった。
「本当に光栄でございます。ただ今暫くお返事を待ってください」
皇太子のプロポーズに麗奈はこう答えた。
A国語を学び、優雅な様子の麗奈は誰が見ても皇太子夫人となる決心を固めたとしか思えなかった。
麗奈が翔の居住するマンションへ行き、思い出の物を整理と言っても誰もが疑わなかった。
ここに麗奈の命がけの策略があった。
読んでいただき心から感謝します。 宜しければポツンと押して下さいませ❣️
最新の画像もっと見る
最近の「創作」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事